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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

心懐かしむ花入

秋らしい夜空に月を見ました。
もうすぐ迎える中秋の名月にむかって、
丸くなってきている月は、
満月の月とは一味違う味わいを感じました。

18arakawa_0151.jpg
荒川尚也 霙文花入 棗 32,400円 旧価格品 単品
径20.5cmH20.5cm


ご紹介する荒川尚也さんの旧作の花入に、
イメージが重なりました。
霙文という複雑に発泡させたアワ文は、
クレーターなどの月の表情のようです。
丸めの棗型は満月前の姿に重なります。

18arakawa_0152.jpg

霙文は発泡させたガラスを作り、
それを粉砕して発泡剤を溶かして中で煮詰め、
泡の入ったガラス粉に発泡剤が絡ませます。

18arakawa_0153.jpg

坩堝から巻き取ったところに、
上のガラス粉を全面にまぶしつけて、
坩堝にいれてその上にガラスの層を作り、
細かい泡を絡みながら発泡させて、
白くみえるような細かなアワ文に仕上げたのが、
この花入の霙文です。

18arakawa_0154.jpg

手間がかかり、
単価も高くなることなどから、
現在はほとんど制作されていません。

若くてエネルギーも溢れていて、
寝ずに根を詰めて作っていた、
ごく一時期に作られて作品です。

荒川さんの作品には、
検品チェックの後にサインをいれています。
そのほとんどが晴耕社ガラス工房から、
Seikousyaと刻まれていますが、
この花入には単品制作などのときに使われる、
Naoyaと刻まれています。

                   甘庵
 


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秋の野原の匂い

秋分の日の荻窪は朝の小雨のあと雲がおおく、
しっとりした秋を感じています。
井の頭公園のすぐ脇で生まれ育った甘庵は、
四季の移り変わりを身の回りに自然から感じていました。
冬は光の煌めきが好きでした。
春の色の移り変わりが好きでした。
夏の木陰の風が好きでした。
秋の匂いが好きでした。

21chujo_0261.jpg
中條正康 武蔵野図撫角向付 小 4.950円
□10cmH5.8cm


そこらにいっぱい野原があって、
整備された公園以外にも、
野趣な景色が楽しめました。
ススキなど丈の高い草野なかを分いるのが、
冒険に感じて楽しんでいました。

21chujo_0263.jpg

今日ご紹介する中條正康さんの角向付に描かれた、
武蔵野図はそんな記憶を思い起こさせます。
10cm角の大きさの器に、
広がりを感じ取れる逸品だと思います。

21chujo_0262.jpg

武蔵野図撫角向付小が名称ですが、
この撫角は角でも丸でもなく、
使い勝手からは丸の良さを角の良さを備えていて、
造形としては角がないことで、
描かれた構図に広がりを感じ取れます。

21chujo_0264.jpg

尾形乾山の作品をリスペクトしていますが、
サイズや形状やデザインが
中條さんならではのアレンジが施されていて、
現代の食卓で使い勝手の良い器に仕上がっています。

                  甘庵
  


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秋雨は渋茶の甘味

荻窪は昨日激しい雨が降りました。
朝にも小雨が降りました。
しとしととした降りかたで・・・秋雨ですかね。
やっと秋を感じています。
今は曇り空になっています。
湿度は多くなっていますが、
あのジリジリした日差しがない分とても楽です。

昨日までオヤツにアイスキャンディを頬張っていたのに、
今日は煎茶や紅茶で甘いものが食べたくなります。
加藤さんの財急須や財ポットの出番が多くなります。

22kato_0404.jpg
加藤財 急須 横手 黒平 11,000円
容積230cc


ご紹介しているのは、
いかにも煎茶が思い浮かびそうな、
横手の平たい濃茶の急須です。

22kato_0405.jpg

お茶のコマーシャルやお茶の産地のポスターなどに、
多く見かける気がします。
お茶を淹れた後に茶葉を見極めるときに、
お茶に携わる方たちには茶葉が重ならず、
平たい形の急須を好まれるからかな・・・と、
推測しています。

22kato_0406.jpg

丸型に比べると見えがかりの大きさのイメージより、
容積が少なくなりますが、
本体の径が大きくなる分のバランスで、
蓋の系もわずかですが大きくなり、
茶番の出し入れも多少楽になるかもしれません。

22kato_0407.jpg

平たいタイプの急須の注ぎごこちは、
意外なほどスムーズで注ぐ具合や操作がしやすいです。
もちろん財急須なのでスルスルスパッとキレます。

今日のオヤツは、
渋茶にこってり甘いお菓子に決定です。

                  甘庵
 

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