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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

大晦日に解けた謎

大晦日の今日は、昨年の暮れに竣工した住宅の、
メンテナンス作業に出かけました。
天気がいいので、8kmぐらいの距離なので、
自転車で出張してきました。
このところ、通勤程度しか走っていなかったので、
久々に自転車の楽しさを味わってきました。

荻窪を通る環状八号という、渋滞が名物の幹線道路があります。
目的地の世田谷経堂へ向かうのに、この道を南下していました。
すると、歩道に見慣れない実が・・・。

amarikabafu.jpg



十年ぐらい前に一度、この実をいただいたことがあります。
そのときは、どんな木に実っていたのかがわからなかったので、
調べることも出来ずにいました。
今日は木の実が実際にどんな木から落ちて来たかを見定めました。
早速調べてみました。
一見は、葉っぱの大きな唐楓かと思いました。
でも、樹皮が違うようです。
そんなこんなで、わかりました。
すっきりしました。
で、木の実は何の木の実か?

モミジバフウ(紅葉葉楓) アメリカフウ   マンサク科
でした。

いつも走っている環状八号線なのですが、
紅葉する姿や、葉の形状から、楓の仲間と思っていたので、
植物図鑑でも、カエデ科ではあり得ない実の形状で、
なかなか見つけられませんでしたが、
なんとか、見つけられて、
10年来の謎がとけて、ちょっと嬉しい気分です。

という、たわいないことで、大晦日を喜んでいるぼくでした。

みなさん良い年を迎えてください。
こんな調子の"うつわ屋"ですが、
来年もよろしくお願いいたします。

                甘庵

変わることなく・・・

荻窪は穏やかな天気の年の瀬です。
その分乾燥していて、ほこりっぽかったり、
風邪やインフルエンザかはやっています。
みなさんのお住まいはいかがですか。

今日明日は、お正月を迎える準備に忙しいことでしょうね。
荻窪銀花のオーナーは怠け者の・・・・これぼく。
そのため、荻窪銀花はいつものようにほこりだらけ、
段ボールの山のままで歳を越してしまいます。

でもいつものままの年越しは、
"うつわ好き"の気持ちも変わることなく、
来年も皆さんを、ほこりと段ボールと一緒にお迎えします。
よろしくお願いいたします。

               甘庵

模様替え納め

昨日は朝から新聞紙のとの格闘で、
どうしてもブログを書き込む時間がとれずじまいで終わってしまいました。
そんな一日の流れのなかで、
感じたことをいくつか報告しておきます。

一昨日までの今年最後の企画展稲垣さんの個展を、
山梨の都留に飾り付けに行くために梱包しました。
これはもう山のような新聞紙で、
包み段ボールに詰める作業です。
慣れている仕事ですが、やはり"うつわ"が好きなんですね。
片づけながらも"うつわ"を眺めたり楽しんだり、
新しい発見を喜んだりと、なかなか進みません。
そんな作業を続けていると、
大分少なくなってしまった作品の補充をもって、
稲垣さんが来てくれました。
明るい笑顔の稲垣さんに、後押しされて何とか梱包を終えました。

その稲垣さんと最近使いはじめたiBookの話をして・・・・、
Macを使い続けているぼくにとっては、
Macを使う人に会うとちょっと盛り上がります。
そんなぼくは、きっと普段から"うつわ"並にMacを熱く語っているのかもしれませんね。
そのためか、あるいはMacを好み選ぶタイプの方を波長があうのか、
絶対数の少ないはずの、Macを使う人が周りに多いですね。

稲垣さん以外にも・・・・陶器の武田千秋さん、藍染めの森くみ子さん、
匙屋のさかいあつしさん、陶器の高松奈緒さん、陶器の正島克哉さん・・・と、
作り手だけでも結構いますね。
お客様でも、何人がすぐにお顔が浮かびます。
ここでも、少数派が集まりやすい現象なのかなー。
ははは。

そんなこんなで、片づけたあとには、車で山梨都留に移動。
昨日もよく晴れて、空気は冷たくでも、
温室状態の車の中はぽかぽか。
流れもスムーズで、富士山を眺めながらのドライブ気分でした。

fuji.jpg

走りながらの携帯の画像であれていますが、雰囲気だけでも伝えてたくて・・・。

都留の「もえぎ」さんでは、
いつも助けてくださるお客様が2人に、
またまた、荷ほどきをお手伝いいただき、本当に感謝です。
しかも、楽しそうに荷ほどきしていただいていて、
オーナーと3人で、"うつわ談義"から様々な話にまで、
作業中も、にぎやかに盛り上がっていました。
こんな"うつわ"好きで盛り上がる「もえぎ」さんという、
ギャラリーが作り出されているのは、
もちろん核としてのオーナーの偉いところですが、
慕ってお出かけくださる"うつわ"好きのお客様たちにも、
今年を、改めて一年感謝です。ありがとうございます。

その「もえぎ」さんで場所を借りて、
前日までの企画展の「中條正康」さんの"うつわ"を、
きっちりがっちり梱包して、
次の巡回先の宮城県加美町の「藍學舎」さんへ発送しました。
荻窪銀花、もえぎさんと、"うつわ"好きのお客様の熱い渦を、
一緒に梱包しておきました。
お近くのかたは、暮れからお正月にかけて、
その熱さを感じ取りながら、ご覧になれますので、
是非おでかけくださいね。

さてそろ、事務仕事に店に出ましょう。
まだまだ仕事納めになれません。

                             甘庵

渋柿と松飾り

昨日、銀行にいくときに駅前を通ったら、
荻窪北口にある商店ビルのタウンセブンの入り口で、
松飾りをしつらえていました。
うーんそうだよなー。
側の花屋さんのポインセチアが姿を消して、
正月飾りが広げてありました。

季節の行事や飾りなども、
追われると感じてしまうと、
風情より前にせわしくて、息切れちゃう。

でも陶芸家M氏のように、淡々と暮らし生き、
轆轤を挽き、"うつわ"を作る方もいます。

冬至の柚ではなく、クリスマスに渋柿を、お風呂にいれる??
そんな不思議なことを、コメントに書いてくれている・・・光藤佐さん。
(気になる方は、200本目にブログのコメントをごらんあれ!!)
http://kanan.paslog.jp/article/185618.html#comment
しかも、ですね・・・もう直してしまいましたが、
コメントのランキングに"うつわ屋のつぶやき"が入って、
どうしたんだろうー?って思っていたら、
空のコメントや、タイトルだけのコメントが、
いくつも・・・・・、前後から陶芸家M氏のドジな仕業・・・・。
いえいえ、それで、ランキングが上がったといえば、
そうでしょ、「ねらったんです。想定内」などと言うに決まっている。
確かにおかげで様でコメントのランキングは初めてです。
いえ、2回のコメントの度にでしたの、
2度もランキングしました。
陶芸家M氏・・・・光藤佐さん、ありがとう。

年明け2本目の企画展が光藤さんの個展ですが、
1月26日(木)~2月7日(火)
始まりのころ銀花においでいただけると思うので、
是非お会いになることをおすすめします。
いいキャラなんですよ。
エンジンがかかり会話になるまでの時間かかるますが、
すごく素敵なやつ・・・・いえ、素敵な方です。
その魅力を感じ取れると、
きっと一見地味な感じの作品の良さも、
はっきり見えてくると思います。
今年の企画を「光藤佐 盛り映えのする器展」としたのも、
使って頂ければ必ず感じ取れる魅力の一つを、
サブタイトルとして掲げました。

何気ない"うつわ"ですが、
盛り映えがして使いやすい、
料理とする作り手らしい"うつわ"です。

               甘庵

年の瀬妄想"うつわは日本を変える"

年内銀花の営業も明日27日(火)までとなりました。
とても年内にすべてを終えられそうもなく、
宿題が山積みのまま、時間だけで駆け足で通りすぎていきます。
日帰り出張、模様替え、片づけや、梱包発送などの、
実働は営業日以降に何とかこなせるとして、
零細企業の采配がいかんとも・・・。
能力不足に加えて、努力がたりないのでしょう。
来年こそはと、言い続けてきたけど、
暦は変わっても自分がそうそう変われないので、
繰り返してしまうこの気持ちは、
子供の頃の休み明けの宿題感覚のまま進歩ないんです。

それでも、顔見知りのお客様が、
稲垣さんの「カフェオレカップ使ってよかったので・・・」と、
笑顔でお話になりながら、買い足しにきてくださると、
うん、間違ってはいないのだろう。
あとは、どうやってもっと知ってもらえるか。

"うつわ"を使う喜びを知れば、心が穏やかになり、
暮らしを大切にする気持ちが、優しさやゆとりを生み、
きっと日本がいい国に・・・。
そうだ、"うつわ"は日本を変える。
って、大風呂敷妄想。

"うつわ"を楽しむには、
ゆったりお茶やコーヒーを飲み心和む。
心を込めて料理を作り、楽しみながら盛りつければ、
餌でなく、糧として心豊かにしてくれる。
"うつわ"を楽しめる人が多くなれば、
心の壊れた犯罪も事件もきっと減ってくる。
本気で妄想する"うつわ屋"です。

               甘庵


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Merry Christmas

三連休の方も多いと思いますが、
クリスマスの日曜を皆さん楽しんでいますか。
あちらこちらから雪の便りが聞こえてくると、
ぼくも雪遊びしたいなー。
スキー暦長い・・・46年目かー!!
ほとんど歴史のように滑ってはいても長いだけ、
ずらさずに滑るカービングとは縁遠い、
ずるずるずらして滑っている・・・下手の横滑りってやつです。
でも楽しいですね。

そんな冬をイメージできる稲垣さんの絵柄を、
ホワイトクリスマスを迎えているかたも、
(今年は例年より多いかもね)
そうでない方へも、お送りしましょう。

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色象眼とイッチンに結晶釉を施したちょっと大振りなカップです。

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光景11.5cmの小さなお皿に、象眼された雪の結晶が、
小皿の中に大きな広がりを感じさせています。

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象眼と掻き取りで黒と白の反転した雪の結晶を、
上手くデザインさせたカフェオレカップです。

荻窪銀花の最年長組のお客様が、
昨日久々においでになりました。
四捨五入90歳というおばあちゃまの口癖が、
こんなに生きる予定ではなかったんだけど・・・・。
といいながら、いつもお一人で、
用心深く階段を上がってくてくれます。

そのおばあちゃんが、
雪の図柄も見て感慨深げになさっていました。
なんでも、お兄様が(きっともう他界なさっておいでなのでしょうね)、
雪の結晶で学位ととられたとか。
その折りには、学閥で苦労なされて、
ロンドン経由で学位を取られてというお話を、
まぁー半分ぐらいはわからないながら拝聴しました。
でも、お年寄りとはいえ、かくしゃくとしていらしゃるので、
お持ちになっているキャラというか気配というか、
お話の間合いが、ぼくらの時代では会得出来ないもので、
なかなかいいんですよ。
それに、今の話題もしっかりとした視点でお話なるんですよ。
歳を重ねるのもなかなかいいなーって。
思わせてくださいます。

そんなおばあちゃま。
「ここにくるとほっとするのー」と、
とても嬉しそうに楽しそうに小一時間遊ばれて、
とてもお上手にお買い物までなさってくださって、
背をかがめながら階段を下りていかれましたが、
でも、おいでになったときより、
軽やかに華やいで見えたのは、
"うつわ屋"としては、ちょっと嬉しかったな。

                          甘庵


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稲垣明子"うつわ"の解明 5

企画展と常設にある稲垣さんの"うつわ"を、
ちょっとレイアウトしてみました。
作り出す技量ばかりでなく、
構成力を持っていると感じます。

ingk896.jpg


右の精細なフォルムのボトルは土物の練り込みです。
手前の小皿はタタラ仕事の石物で定番の手法。
左のカップは結晶釉が流れて、窯変しています。

素材も手法も異なるものでも、
共通項があるためにシンクロしたしつらえになります。

ボトルの練り込みは、数種の色の異なる粘土を、
混ぜ込む方法で、この場合は轆轤を挽く段階で、
緩くねじれるようにしながら混ざっていっています。
ちょうど、クッキーて普通の素地とチョコの素地を混ぜて、
マーブル調にするのを想像していただければ良いでしょう。
その素地に、結晶釉を施して、
マット(つや消し)な釉調が、ちょっと歴史的なもののような・・・・。

小皿はタタラ仕事という、板状にした素地を、
雄型の上にのせて、押して型を写しとってつくります。
絵柄は彫って顔料を埋め込んでいます。
端がざっくりちぎれたような質感は、
素材を感じ取る、彫刻的な楽しみ方ができます。

カップは、限界まで薄く引いた素地に、
文様をゴスなどで象眼し、
釉をたっぷり施して、窯の中で溶け出したときに、
混ざり合って流れる勢いがそのまま見えます。

手法や素地が違っても、
競いながら、ひび気合い、高め合うのところが、
しつらえる楽しさで、通常はあえて違う出所のものを、
出会わせ、組み合わせるのですが、
稲垣さんは、構成力がしっかりしているので、
カップ&ソーサー的ではなく、
異なる"うつわ"でも、稲垣ワールドを展開させます。
この構成力を持っているところも、
稲垣さん"うつわ"の魅力です。

今日も冷え込むな、
このしつらえ見てて・・・、
イブだけど、熱燗かなー。
              
                甘庵


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干支と暦

昨日は冬至でした。
カボチャやゆず湯がお約束ですね。
何となく縁起担ぎだけでなく、
季節からも、きっと理にかなって習慣になったのでしょうね。

昨日新しい荷が店に着き早速店頭に。
というのも、銀花の"うつわ"構成からクリスマス盛り上げにくいので・・・。
(iPodからは100曲のクリスマスソングが流れてますが・・・)
季節柄の飾りとしても、干支の張り子人形や土人形をかざりました。
ついでに、縁起担ぎで招き猫も。
銀花も少し華やぎました。

mnb895.jpg


可愛いから画像紹介しちゃいます。
もちろん売り物なので、興味がある方は、
http://www.netlaputa.ne.jp/%7Eginka/
でご紹介してます。ぜひご覧ください。

この干支を飾っていて、しっかり自分の年を感じとりました。
干支って、十二支という、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)という、
子供の頃に猫がないというお話聞いたり、
ねぇーうしとら・・・って、そらんじて覚えたので、皆さんしってますよね。

でも、十干という、甲・乙・丙・丁・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛・壬(じん)・癸(き)っていう、これは、最初の甲乙丙丁ぐらいは、
成績やランクに使われていたことなどを聞いて耳に残っていますが、
ぼくには、習ったはずのあーべーつぇーでぇー・・・がぜいぜいのドイツ語みたいで、
その先は言えない。

この十二支と十干の組み合わせて、
いろいろな暦が決まるようですが、
順列組み合わせで計算することもなく・・・。
60通りの組み合わせがあるので、
60年で自分の生まれた年の干支と同じになるわけですよね。
それも後数年だー。

丙午(ひのえうま)とか、あまり良い方にとらえられない干支も、
60年に一度巡ってしまうのですが・・・。
仕方ないですよね。
いままでは、12年の一回りしか意識なかったけど、
60年の一回りを迎えられそうかな。
とはいえ自分の干支を覚えてもいないので、
ついでに調べてみたりして・・・・辛卯(かのとう)らしい。

ちなみ乙酉(きのととり)12月23日の今日は、
天皇誕生日の休日ですが、
辛巳(かのとみ=毎日もあるらしい)で、友引だそうです。

しがみつき がんばるだけの 歳の暮れ

                  甘庵


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見極める力

稲垣さんが作り手として独立するまでの道のりは、
いきなり”やきもの"に行き着いたのではないようです。
”やきもの”から、遠くはないのでしょうが、
大学生時代は美術史の勉強をいていたようそうです。
その後、ちょっとOL生活を経て、
やはり、”やきもの"を自分の手でつくろうと、
多治見の陶磁器意匠研究所でびっちり勉強してから、
今に至っています。

それでも、うつわ"を作り出すまでにたどった道は、
迷いも無駄もなかったと、ぼくには感じます。
それは直接関わりのないようなことでも、
すべてが肥やしとして温存して来て、
"うつわ"作りの段になって、たくさんの引き出しから、
選びだし、参考にし、物差しにして、
今の"うつわ"つくりが成り立っていると思います。

たとえば美術史で学び吸収したことが、
ものつくりの基本でもある、見極める力として、
大いに強さを発揮していると思います。

ingk859.jpg


これは想像なのですが、
稲垣さんの"うつわ"作りは、
自分を俯瞰しながら作るタイプの方ではないかと。
近年の女性の作り手には結構多いんです。
でもこれ、俯瞰するまでは、出来ても、
自分を冷静に分析し、厳しく叱咤したり、
褒め称えのばしたりと、両方の技を発揮しないといけないのですが、
それにはまず、正しく見極めることが第一の基本です。
この線は無駄でうるさい。
このフォルムは動きが見えずシャープでない。
と、厳しく修正することもあるでしょうし、

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このにじみは偶然だけどおもしろみがある、
失敗と見過ごさずに、発展させてみよう。
こんな結晶がでるんだー。ではこうしたら・・・。
混ざりあった発色がおもしろい。では次には、あれとこれを加えて・・・。
と、今が完全でなくても捨てずに、次を見越していくこともあるでしょう。

全体の創作を一口にいうと、一見クールにみえる稲垣さんですが、
切り捨てる思い切りの良さと、
拾い上げ徹底的に煮詰める熱さの両方を持った作り手です。

稲垣さんは小柄で、可愛い笑顔の女性です。
人の話をきちんと聞く、でも、違うと思うことは、
うち解けた相手なら、その場で、疑問を投げかけるし、
自分でも同意出来ることだと、目を輝かして熱く語ります。

稲垣さんはそんな作りでです。
   
              甘庵


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ファンの心意気

稲垣さんのファンの方からこんな物を見せたいただきました。

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「最近仕覆作りを習いだしたの・・・」というお客様が、
「これ稲垣さんに見てもらおうと思って・・・」とお持ちになりました。

時間的に、稲垣さんとはすれ違いだったために、
お預かりしておき、稲垣さんがおいでになったときに、
梅花の飾り結びを解いもらいました。
中からは・・・・、

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お客様が前にお求めになった稲垣さんの結晶釉のカップが顔をだしました。
「大好きな"うつわ"なのでお仕覆着せてあげたかったの」と、
おっしゃるように、"うつわ"への優しさが伝わってくる、
心地の良い景色です。
でもこのカップは自分の専用カップとしてよく使われて来たようです。
問題は飾り結びがまだうまく出来ないとか?
でも、大丈夫。
これはぼくが、なんとか解明したので、
お客様には伝えておきましょう。
でないと、仕覆の包またままでこのカップの出番が減るか、
せっかく作った仕覆を着せてもらうことが減るかもしれないので、
"うつわ屋"がんばりました。

何でもこれは大変応用が利く結び方のようで、
花弁の形を変えることで、
四季折々の五弁の花を表すことができるようです。
日本の文化っていいですよねー。
"うつわ"を可愛がり、大切にする心根から生まれる、
美しい姿に改めて関心しました。

特別な"うつわ"ばかりではなく、
身近な"うつわ"に仕覆を仕立ててくれたお客様と、
そうさせたくなる"うつわ"を作って稲垣さんとの、
出会いの場であったことは、
"うつわ屋"として、とても嬉しく、誇らしいです。

             甘庵


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稲垣明子"うつわ"の解明 4

稲垣さんは「解明 2」でお話した、
磁器の素地に象眼で絵柄を描く「グレーシリーズ」以外にも、
多様な手法で楽しませてくれます。
「グレーシリーズ」が定番として、
作り続けることで、買い足しや補充が効くタイプなのにたいして、
一つずつ作ることで、フォルムが自由でのびのびしていて、
おおどかだったり、大胆だったりと、様々なフォルムや表情を楽しめます。
また、素材も、磁器だけでなく、陶器も手がけていいます。
釉も、結晶釉を使った作品は、
計画的ながら、窯任せの結晶や窯変を楽しめます。

これらもまた、ファンが多く、「グレーシリーズ」とは全く違うのに、
それでも稲垣さんの"うつわ"になっているのは、
いつもお話するように、"うつわ"は作り手の分身だからです。

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土ものカップとボールです。
轆轤を挽いたあとで、外側を大胆に面取りしてあります。
下絵のように、全体に色付けして、結晶釉を施してあります。

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限界まで薄く轆轤挽きした素地に、
その数倍の厚さに施釉した結晶釉が、
ぎりぎりまで流れ、結晶化して、不思議な景色を醸し出しています。
素地が薄いために、何となく光が透ける"うつわ"です。

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同じく磁器に結晶釉ですが、
意図的は図案は、「グレーシリーズ」と同じように、
色を発色する酸化金属などを象眼して、結晶釉を施しているので、
にじみながら結晶釉と混ざりあう美しさを見せています。

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これは磁器の"うつわ"ですが、
お話したように、稲垣さんの杯土は鋳込み用ために、
水はけがよく、タタラ作りすると、
このようにひびがどんどん入ります。
その素材感を生かしてデザインされた角小鉢です。
彫刻的なセンスが生きている作品ですね。
(タタラ作:板状にした粘土を組み立てたり、型に入れて作る手法)


こんな風に、一つずつで、同じ気持ちで作り続けても、
一つずつ顔つきが違っていて、同じようには出来ない"うつわ"です。

出会いを逃したら、二度と出会えない、
「一期一会」の"うつわ"たちです。

                          甘庵


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稲垣明子"うつわ"の解明 3

昨夜は稲垣さんを囲んでささやかな宴を催しました。
まぁーそのときの会話の流れや話題は、
ごくごく普通の、まっとうな人間として、
少し日本を憂いたり、
引っ越しして窯の調子が違ってしまった苦労や、
人との出会い、縁の話など、
のんびり気楽に・・・・。
でも、冷えましたね。

さて、その稲垣さんの作り出す"うつわ"のお話。
今日は、日常食器として使いやすい裏付けになっていることを、
お話いたします。

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相似形の"うつわ"がおおくデザインされています。
入れ子になるような楽しい収納も出来ます。
使い方でも、盛りつける分量で選んだりしやすくて、
器の構成もシステム化出来ます。

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同じ形で柄違いの絵付けが豊富。
形をそろえて柄を変えて楽しむ方が多いですね。
ついつい新しい絵柄が欲しくなります。

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組み合わせを楽しめるようにフォルムがデザインされています。
柄をそろえても、あえて柄を変えて取り合わせも楽しいです。
組み合わせのバリエーションも豊富なために、
稲垣ファンは、数は家族数に必要な最小限にして、
他種類をお求めになる方が多いのもうなずけます。

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スタッキングしやすくて、収納も良いのも、
器好きで食器棚が飽和状態でも助かります。
また、毎日使う時の出し入れ、
洗って水切り籠へ重ねる時でも、
省スペースなのは、力強い魅力です。

とはいえ、機能的なだけでなく、
なにより日常の器をして魅力的なのは、
飽きのこない絵柄と姿の器だからです。
 
             甘庵


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稲垣明子"うつわ"の解明 2

今日は絵柄のデザインセンスの良さについてです。
器に絵柄を加えることは、同じ作り手であれば、
手を加える手間をかける分価格に影響するわけです。
それは、その手間分から得るところがないのなら、
何もしない方が良いことになります。

稲垣さんの描いた絵柄は、
無駄のないすっきりとして構成で、
描かれた絵柄は、描いていない白磁の部分を、
より引き立たせています。

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土物や窯変や、発色などが難しい釉などは、
土の質感や釉調などを見所にしますが、
稲垣さんの仕事の多くでは、
これらとは違い、かなり計画的にデザインされた絵柄を描くという、
手業で見せる、テクニックの部分が重要です。
ただ、テクニックだけを追うと、
コンピュータで制御出来る量産の仕事と変わりなくなってしまします。

まず素地のフォルムが、
型で作らず、轆轤で引き出すための、
揺らぎや、ひずみが生じてきます。
そこが、磁器でも暖かみがあるフォルムを生み出しています。
その姿の器に合わせて、デザインされ描かれた絵柄は、
すきっとしていて、無駄がなく、
空白の部分を生き生きしていて、
美しく構成されています。

ingk854.jpg


グレーと稲垣さんが読んでしる仕事の器の絵柄の、
線描きは、筆で描いているのではなく、
鋭利なもので、線彫りして、そこにやきものの絵の具である、
酸化金属類を差し込んでいって描いています。
象眼(ぞうがん:違う素材を埋め込むこと)といった方が、
正しい方法です。
だからこそ、細い線がシャープでいて、
こんなにも力強く、立体感があるのです。

ingk852.jpg


ほらアップでみると、
カリカリと線彫りしている、
音や刃物が土を切っていく抵抗感が、
感じられませんか。
        
                甘庵

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稲垣明子"うつわ"の解明 1

稲垣さんの作り出す"うつわ"の魅力を、
ぼくの独断と偏見で(贔屓目あり)解説しながら、
解明していきたいと思います。
どうぞおつきあいのほどを・・。

まず第一にあげたいのが、
シャープなフォルムです。

ingk857.jpg


作品の多くに使っている、
透過性の多い素地から生まれる、
独特の質感を損なわず、
実に自然は姿を生み出していることです。

形は自然なのですが、
この素地なかなかやっかいな素地だそうです。
稲垣さんはこの肌合いが気に入って選んでいるのですが、
もともと、型鋳込みの杯土(粘土)で、
いわゆる練り上げた粘土の形状ではなく、
女性がお使いになるファンデーションのケーキみたいに、
押すと粉に崩れていくような状態だそうです。

本来はそれを水に溶いて、
石膏で出来た型の中に、ちょうど鯛焼きのように、
流しこんで、乾燥させて成形するための杯土なので、
水はけがよくできています。
これを粘土状に練り上げるのですが、 
水はけがよい分、轆轤ではのばしにくく、挽きにくい杯土だそうです。
それを無理して挽いている上に、
特徴である透過性を生かすために、
薄く引き上げ、鋭く、それでいて滑らかで、
繊細な姿に仕立ています。
これはもう、轆轤が上手いから出来る技なのですが、
その技を,これ見よがしにひけらかすようなこともなく、
スムーズにさりげなく感じるくらいに、
存在が自然なのは、ざすがです。

ingk855.jpg


さてさてぼくは、
瑞々しく挽きあがったそのままのような、
シャープなフォルムを楽しもうっと。

               甘庵

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ご縁

お休みの日に気になっていた約束を、
やっとはたしてきました。

前に可愛い羽釜の形をした器を納品したお話を書いた、
ご近所の釜膳さんのご好意で、
荻窪銀花のコーナーを設けて頂き飾り付けしてきました。
http://kanan.paslog.jp/article/82509.html

開店前の営業中でない時とはいえ、
仕込みで忙しい時におじゃまさせて頂きました。

釜膳さんのご主人は、忙しいなか、
お休み時間に時折時間を作っては、
催し物を見に来てくださいます。
料理人・・・とくに和のお料理は、
器とのハーモニーを楽しむのは必然。
盛りつけのイメージや発想がわくのも、
良い器の条件ですから。

そんな釜膳さんが、店の入り口のスペースに、
荻窪銀花の"うつわ"を飾らせてくださるという、
お話をいただきながら、
貧乏ひまなしで・・・・選定し、梱包し用意をしておきながら、
店が始まる前に行こうと、毎日思いながら、
なんだかんだと時間がつぶれて、
伺うことが出来ない。

そこでお休みの日にやっと伺うことができました。
飾り付けをさせていただくと、
ご主人も、奥様までも・・・お好きなんですねー、やはり。
大変嬉しそうに、お褒めいただき、
ぼくもすっかりいい気分。
何を繰り合わせても、早くするべきだったと、反省しきりでした。

最近、釜膳さんは美味しさから、
テレビなどでもよく取り上げられます。
昨日も家でぼーっとテレビをみていたら、
釜膳さんが紹介されていました。

こういう時ってなんだか、「ご縁」を深く感じます。
感謝しきりです。

                    甘庵

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どうにかこうにか

稲垣さんの飾り付けが、ぎりぎりでなんとか格好がつきました。
まじめな稲垣さんのこと、作品裏にすべて価格がついていたので、
なんとかなりましたが、並べるだけで精一杯。
価格札を書けていないのですが、
使いやすい日常の"うつわ"のため、
おかげさまで動いています。

開店時に少し重なったお客さまも、
何とか対応させていただき、
いまやっと、お茶とすすりながら、
一息できたので、進行状況を画像とともにご報告。

ingk807.jpg


相変わらず稲垣さんの"うつわ"は、
すかっとしていて、シャープなフォルムで、
おしゃれな"うつわ"なのの、使いやすく、品もあり、
和でも洋でも、様々な料理が似合う"うつわ"です。

やきもののお好きで知識のある方から、
若いお客さままで、ファン層も幅広く、
使われ、愛されています。

今年は磁器が多いので、
銀花が澄んだ空気気配に包まれています。

                甘庵

企画展初日はいつもバタバタ

今日から稲垣明子さんの作陶展が始まります。
いつものことなのですが、初日の朝はあわただしく、
猛烈な勢いで最後のレイアウトなりと整えます。

火曜日に一部の作品と受け取り、
その分は荷ほどきをしてあるのですが、
本体というべき荷が今朝着く予定・・・・。
大変サービスの良い信頼のおけるクロネコヤマトさんをもってしても、
師走この時期はお歳暮の配達でおおわらわなのか、
8時半すぎからスタンバイしているのですが、未だに到着しておりません。
10時を回り後一時間で・・・・。
うーん。
過激な勢いで飾り付けになりそうです。

ingk806.jpg


今現在の状況です。
すげーさっぱり!

看板も書かないといけないのですが、
一応いつも、すべてを並べ終えて見渡し、
そのイメージから一気に書いているので、
手持ちぶたさといっても、今書くわけにもいかず・・・・。

たぶん到着後は時間がすべて押し気味になり、
ブログをかけないかもしれないので、
今のうちに、状況報告のような、
ブログないようです。

こういうときには、都留のもえぎさんのように、
荷ほどきしながら、誰よりも先に作品を見られるという特権だけで、
ボランティアしてくれるお客様がいたらなーって、
つくづく思います。
だれかいませんかー?
なぜか遠方にはおいでになりそうなのですけどね。

          甘庵

200本目のブログ

気づけば、おかげさまでこれが200本目の記事になります。
これは怠け者のぼくには快挙です。
すべて読者の皆様のおかげだと思います。
改めて感謝いたします。

さて、今日のお話は、作る物ももちろんですが、
人柄が・・・キャラがまた実に魅力的な光藤さんのお話です。

一昨日、光藤さんと年明けの個展のDMの写真撮をして、
確認をしてもらうのに、光藤さんがPCはなにとか・・・、
ともかく携帯使いということがわかったので、
携帯にDMの候補画像を3点送り、
打ち合わせをしました。
そのときに余談で、同じ携帯会社とわかり、
それでは半ばプライベートにメール友達になろうと・・・。

さっそく、昨日の出張の途中で、DMの制作を完了し、
早速発注した件を報告がてら、
冬晴れで心地の良い移動の模様などをしたためところ、
なかなか可愛いメールが返送されてきたので、
ブログのまだみれていないうちに、
公開しちゃいましょう。

********
hoshigaki.jpg


風は冷たいけどいい天気です。個展時にはできてるかな干しがきしてみました、焼き物はこれからつくりまーす。よろぴく!

********


光藤さんの"うつわ作り"の底辺には、
食べることがしっかりと根付いています。
わかりやすいお話として、
光藤さんはほぼ毎日三食をご自分で作られています。
しかも、知り合いの板さんのところで、
"うつわ作り"のために修行したそうです。
そのため、実践的な基本はしっかり学んでいて、
ぼくもごちそうしてもらいましたが、
なかなかの腕前で、関心しました。

近年は作り手仲間たちと、釣りに誘われ、
その結果、腕前を買われて様々な料理をしては、
喜んでもらった話も伺いました。
中でも、近隣の川で仕掛けにかかった、
大ウナギをさばいて料理した話や、
同じく大スッポンをさばく話などは、
かなりリアルな話でした。
それを食べた方々から、
何度もリクエストがくるそうです。

そんな光藤さんは、料理だけでなく、
何でもトライすることで、うちわにひんしゅくを買った話も、
様々ありますが・・・、これは、かなりおもしろいので、
後日、じっくりお話しましょう。
なので、今回は干し柿作成と相成ったのでしょう。
近年は手間がかかるからでしょね、
採られることもなく、木で実が朽ちる柿の木を、
地方の里でよく見かけます。
やはり作ることを楽しめるからこそ、
様々なことへ挑戦しているのでしょうね。

今までの、にんじん、タマネギなどの野菜につづき、
光藤印の干し柿の味を楽しみに・・・・。
いえいえ、来年そうそうの個展の作品を楽しみにしています。

                甘庵

模様替え

今日は都留市のもえぎさんへ、
企画展模様替えに来ています。
ドライブ日よりの冬晴れで、
まだ紅葉の名残のある景色の中、
ハイウェーを心地よく走ってきました。

chuofreeway.jpg


もえぎさんでは中條さんを飾りつけましたが、
うーん、やっぱり中條さんは楽し"うつわ"です。
毎回思うのですが、
荻窪銀花で見ていた物を、
こうしてもえぎさんへお持ちして飾り付けると、
またまた違った良さを見いだすことが出来ます。
場所が変わると見え方や、印象がかわるのか・・・・。
おもしろい物ですね。

光、見る角度などが大きな要因なのでしょうけど、
オーナーやご贔屓いただいている顧客さんたちと、
これがいい、これが可愛い、これがすてきなどと、
わいわいやりながら見ると、
そこにはまた違った人の目や思いが伝わるのか、
発見があったり、印象やが微妙に違ったりします。

"うつわ"は持ち主が決まり使われると、
もっと違いますね。
使われかたがあるのでしょうが、
加えて持ち主の優しさや愛情が、
"うつわ"の表情を変えることを何度も目にしました。
昔から茶碗などは、「育てる」と茶人はいいますね。
少なからずこういったことが、
"うつわ"にはあると思います。

手に入れた"うつわ"を可愛がっても過保護にならないように、
使うことで育てて頂きたいと思います。

               甘庵

お便り 2

またまた、嬉しいお便りをたくさんいただきました。
HPからご注文いただき、お届けした荷をほどいてすぐに、
器が気に入られたこと、使いやすいことなどと、
お褒めの言葉をいただいたり・・・と、
ほんとうに"うつわ屋"冥利のつきるお便りばかりです。

そんな中から、二方からのお便りをご紹介させたいただきます。
まず、画像付きで大変嬉しい食卓の様子を頂きました。
深く感謝です。

dtable.jpg


文字色 なんだか照れますが、昨夜の食卓の様子をお送りします。
 帰宅し入浴後、キッチン(なんて偉そうに言えませんが)へ
 いつものように「ビール!」を取に行くと、キッチンテーブル
 には家族分の食器がおいてありました。ここまでは、
 いつもの様子ですが・・・、良く見ると全てが「銀花」さん
 で購入した品々。。。 妻曰く「かわいい箸置がきたので、
 全てを揃えてみようと・・。」 と言う事でした。
 妻が言います、「いつ見てもいいよねぇ~」「飽きないねぇ~」
 「楽しいねぇ~」私も同じ感覚で器たちを見てそして触れています。
 特にお気に入りは、私と愚息・・・村木先生の飯椀。
 妻は、貝の型のお皿。(これは本当に気に入っているようで、
 自分だけの分は無理してでも、何でもこの皿に盛ろうとします・・・笑)
 ちなみに昨夜は、貝のお皿に「お刺身」 抹茶茶碗に「肉じゃが」
 ポットに沖縄で仕入れてきた健康茶を入れ、西川先生のグラスに氷をいれ
 飲みました。もちろん、ビールも忘れていません。
 そして昨夜の家族の総意は「大きな刺身皿が欲しいね」と言う事で
 食事が終わりました。
 突然に失礼しました、年末に向けお身体ご自愛ください。

*******



また、銀花でも人気の作り手、Y県在住のTさんからも、
嬉しいお便りでした。

文字色*******
中条さんの器、どれも素敵ですね。
以前、お店でフクラすずめ柄の皿を買おうか悩んで結局買わずにいたら
次に来た時にはなくなっていました。
なんだかそうなると、すごく残念に思えてきたりして・・。
*******


皿の裏面をご覧になりたいとご要望だったので、
お送りすると・・・・。

文字色*******

画像ありがとうございます。
愛嬌があってかわいいお皿ですね。やはり・・
2枚購入したいです。よろしくお願いします。

*******


良い"うつわ"作りの作り手である若いTさんは、
銀花でお買い物をよくしてくださいます。
"うつわ好き"が基本だからこそ、
使い勝手のいい楽しい"うつわ"を作ってくれるんですね。

嬉しいお便りを少し紹介させていただきました。
皆さんもどんどんお便りくださいね。
厳しいご意見や、ご質問なども大歓迎です。
お待ちしております。

                   甘庵

色と形と質感 1

器は立体的に眺められ、さらに、手にとり、口に触れられるという、
彫刻的な要素を持ち合わせています。
掌に納まる使える彫刻と考えてみれば、
随分とリッチな食卓になるでしょう。
器は種類により、異なる素材や作り方で、
様々な形と色や表情を見せてくれます。
やきものは土を轆轤や手ひねりで形作り、
釉薬をかけ焼成して出来上がります。
行程の基本が変わらないのに、湯飲みひとつを取ってみても、
千差万別なのは作り手の生み出す形からまず違うからです。
さらに色や質感も、作り手の思いが、一人ずつ違うので、
一人一人の顔が違うように、当然の違ってきます。
この極当たり前のことを、稲垣さんの器で改めて見せられたことをお話しします。

稲垣さんの定番の仕事に、
彼女が「グレー」と呼ぶ磁器の仕事があります。
この磁器の器群は、実に日常的に使い易く、
モダンでシャープなフォルムを持っています。
それでいながら、その「グレー」と彼女が呼ぶ、
素地の色合い質感と、小粋なデザインの図柄が、
マッチした器は、温かくて懐かしさを覚えます。

ingk.cup.jpg


「グレー」の素地は本来型鋳込みという、
やきものの量産に使われる磁器土で、
とても轆轤がひきにくい、手で作り出すには向かない素地です。
それをあえて使うのは、彼女にとって、その素地が必要だからです。

ingk.cc.jpg


図柄は筆書きでなく、線彫りして顔料を埋め込むという、
手の掛かる作業です。これも、それが必要だからです。
こうして、面倒ながら、彼女の選択した素地と図柄は、
一つの器として、目の前にあると納得出来ます。
そこには選択された必然があります。
元気と個性に会える器たちです。

ingk448.jpg


稲垣さんの仕事に共通して感じられるのは、
勢いと優雅さが同時に存在しながら、繊細で無駄のない形と、
その形に自然に添った釉調です。
土塊だった素地、灰や鉱物の粉だった釉薬が、
稲垣さんの手と感性で得た、成形と焼成で器となります。
色と形と質感がまぎれもない選択でなされて出来上がった器が、
完全にひとつのものとして存在しています。

               甘庵

モノトーンに色彩を見る力

昨日、20年以上おつきあい頂いている、
長いお客さまのG氏にご来店いただきました。
仕入れて来た、作行きの良い碗を見せてくれました。
京焼きの伝統をくみながら、
勢いと精悍さを持ちながらの、
新しい感覚の綺麗寂びの碗でした。
近年の氏はなかなかの風流人で、特に茶の湯を楽しみとしています。
こうお話するととずいぶん年寄りのおもわれるでしょうが、
まだ30半ばにさしかかったところ。
計算が合わないと思いの方がいるので書き加えますが、
氏は中学生の頃からの顧客ですので・・・。

さてその氏の話をさせていただくのは、
氏がご予約くださった中條さんの器を、
今日のブログでお話しうよう思っていたところだからです。

chu757.jpg


モノトーンをいっていいこの器なのですが、
筒湯のみということで作られていますが、
そこは茶人の氏のこと、のぞきとして使われるのではないかと。

店にいるとにき、試す替えし、
検討なされて、お買い物が重なっていても、
やはり手に入れておきたいとの判断に行き着いたようでした。
でも、その様を端から拝見するに、
実に楽しそう。
やはり器好きの、器選びの瞬間は、
その気持ちが、同類としてよくわかるだけに、
また、選んで頂ける側として、
実に幸せな瞬間です。

氏の贔屓でもある、さかいあつしさんの膳にしつらえて、
実に嬉しそうにしていました。
「ブログにも書いたのですが、モノトーンでも色がみえますよね」
「ああーごめんなさいブログ読んでないんです・・・・」
そう、だから知らないうちに書いてしまおうっと。
続けて「ええーでも花やかではないですか・・・・」とおっしゃる。
「でもGさん、なかなかそう思ってくださる方がすくないんですよ」
事実、中條さんの色使いの楽しい図柄の方には目が行き届いても、
こちらの器を、気にかける方は割合からすると、
どうしても少ないですね。

全体がモノトーンで、
図案がされた鉄絵と構図と余白のおもしろみから、
そこからイメージできる世界がかえって広いのですが、
イメージには個人差があるのでしょうが、
ちょっと時間を持っていただき、
一呼吸眺めていただいていると、
何かしら、見てくる世界がわき出て来ます。
図柄の木々や草の間から、風や音が聞こえて来ませんか。

               甘庵

中條正康さん魅力 鳥の絵柄

今日は鳥の絵柄をご紹介します。
季節の景色の中の飛鳥と、
図案化された愉快で可愛い鳥たちと、
「鳥絵」も楽しい絵付けになっています。

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昇った朝日なのか、月なのか、
うねる波と潮の飛沫に飛び交う千鳥。
波にも鳥にもスピード感があふれています。

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メダカと鷺のよううです。
ねらわれているかもしれないのにすいすい泳ぐメダカ、
本当はねらっているのに飄々と振る舞う鷺。
のどかな田園を思い浮かべます。

tori731.jpg


豊かに実り頭をたれる稲。
それを食べようと雀たち。
食べさせまいと仕掛けた鳴子が風の揺らいでいます。
豊作の秋の景色ですね。

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山にかかる夕日。
日が暮れ始めで山に帰る鳥たち。
ねぐらに急ぐ鳥の声や羽ばたきが聞こえてきそうです。

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冬の寒さを身をふくらませてしのぐ、
「ふくら雀」を中條さんのデザインになさっています。
可愛いですね。

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ちょっとユーモラスな表情の鳥のつがいが、
仲良く向き合っています。
かなりデフォルメされていますが、
それでも鳥の動きが伝わる絵柄です。

tori746.jpg


さらに、デザインされて文様になった鳥ですが、
動きが見えるように感じるところは、さすがです。


中條さんの図案をみていると、
まるで日本の昔話や、メルヘンな絵本の世界のように、
心を澄ませてくれます。
でも、大人になったぼくらでも、いえ、
大人だからこそ楽しめる、そんな絵付けです。

                       甘庵

中條正康さん魅力 花の絵柄

この数日は荻窪もすっかり冬型の天気で、
乾燥していて、朝晩はぐーんと冷え込むようになってきました。
花の種類も少なく冬景色の中では、
花の絵付けが食卓を華やかにしてくれます。
椿に続いて中條さんの「花絵」をご覧ください。

ume718.jpg


初春の花といえば、まず梅。
大好きな花です。姿も良いのですが、
香りがまた何ともいえませんし、
梅干しも美味しいし・・・・。
花より団子のくちですね。

sakura717.jpg


そして春爛漫、桜花絢爛。
一気に咲くの勢いと景色を染める量感のある花は、
ほかに勝る物がないかもしれませんね。

sakura706.jpg


その桜も、一輪、一片とあっても、
その美しさに変わりはありません。

utugi708.jpg


卯木かと思っていますが・・・・。
どうかな。
うつき=卯月 四月ですね。

nadesiko711.jpg


撫子角小鉢に連続的に描かれたナデシコは、
一つずつ、すべて描き方が別々なんです。
5客ならぶと花畑のようです。
大和撫子は「日本女性の清らかさ・美しさをたたえて言う語」だそうです。
花の可憐さと秘めた強さからなのでしょう。

asagao710.jpg


朝顔は、子供の頃に毎朝出かけるときに、
毎日毎日きっちりと朝に咲く生真面目な花だなーって、
そう思ったことを思い出します。

hagi707.jpg


秋風にそよぐ萩のなよとした姿に見えますが、
どうかな。

kikyou713.jpg


秋の七草の桔梗は、昨前の気球のような姿も可愛いですよね。

kiku712.jpg


菊は強く飽きのこない花ですね。
ぼくは特に野菊が好きです。

と、ほぼ四季の花が、器の中から見られました。
うーん、それにしても、
その四季、一年が年々加速していくお年頃になったと、
しみじみ思う師走です。

                        甘庵

中條正康さん魅力 動物の絵柄

器と近づく手だてに、
自分の好きな図柄を選ぶというのも、一つの手段ですね。
今日は昨日の「椿絵」に続き「動物絵」をご紹介します。
皆さんの気に入った動物いるかな?

デフォルメされたデザインとはいえ何だろうと、
疑問を中條さんにむけたところ、
「空想の動物」という答えも。
そうなんです。
ウサギや山羊でも、
ウサギや山羊ではなくてもいいし、
もしろ誰かに似てる?っていうくらいに、
表情や動きやが見えます。
そのあたりを楽しんで見てください。

dopubutu747.jpg


金彩の角のある動物が平原を伸びやかに走っています。
風を切る音や、蹄の音まで聞こえそうです。

doubutu728.jpg


月にウサギというおきまりの組み合わせですが、
ウサギの笑顔についつい微笑を誘われてしまう。
そんなあたたかな図柄です。

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同じ月とウサギでも、
こちらは、どこか憂いや哀愁を感じる静かな情緒ある図柄です。

doubutu735.jpg


「月橋3.5寸皿」のこの図柄は、
川面に浮かぶ小舟の中の2匹のポーズや、
櫂の位置が、よく見ると少しずつ違うんです。
友人がこれをみて、「アニメのカットみたい」って。
そう確かに。
そのためにコマ送りのように動きがあるんですよ。

doubutu738.jpg


この人の顔した山羊らしき・・・?
そうそう、一時にぎわした「人面」系の顔つきが、
こちらに睨みをきかせています。
しかも、カップの左右に、
体左右の側面描かれていて、
尻尾でつながるという不思議な図柄。
ぼくはこれを「山羊の展開図」とあだ名で呼んでいます。
早々、よく見ればソーサーは池に見立ててアヒルのような水鳥が・・・。

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このカップにはこのにんまり笑った猫ちゃんは、
隣にある2尾の魚のせいかな?
裏側に鳥が描かれていて、そばには虫がいます。

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走るウサギ「脱兎」の図なのかな?
最近はやりの映画の「ALWAYS三丁目の夕日」の世界の頃になりますが、
家に初めて来た車が四角い「DATSUN」ででした。

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こちらは、のどかなたたずまいのポニーらしき動物君が、
草をはみながらあたりを見回しているように見えます。

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最後に両生類ですが、柳に蛙の図ですね。
風で揺れる意地悪な柳の枝に、
何とか飛びつこうとがんばる、あきらめない蛙君。
これ飯椀ですから、ダイエット目標の戒めにいいかもー。
いえいえ、なかなか立ちゆかない銀花の運営努力の支えに、
僕が使おうかな?

動物たちのどれにも、動きや独特の表情があって、
楽しくなる器ばかりです。
ちょっとした、気分転換や、アクセントや、アクセサリーのように、
食卓で使われたら、心が和み、微笑んでしまうのではないでしょうか。
心のない人々が多く、いやなニュースが流れてきます。
それで、いつも持っていたい心のゆとりで遊ぶ器です。

今日はオフのぼくも、ランチを中條さんの三匹に魚の皿に盛りつけてみよう。

                 甘庵

中條正康さん魅力 花の絵柄

楽しんで描かれた絵柄は、眺めていて飽きないばかりが、
盛りつけが遊べて、食卓を華やかせてと、
器と会話して使う喜びにあふれています。
今日はたくさんのバリエーションのある絵柄の中でも、
人気のある花の絵柄をご紹介しようと、
はしから花の絵柄の器を撮影しはじめると・・・・、
その多いこと、これは一回ではご紹介できない。

第一弾として、今日はそろそろ咲き出しそうな、
椿をご紹介します。
画像がご覧になれない方には、
ちょと申し分けないのですが、
画像中心にしたお話になります。

tubaki5D722.jpg


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最初の椿絵は飯椀と湯飲みです。
枝や一部の葉を描いている茶は鉄の下絵。
白椿は化粧土、紅椿は赤絵、葉の緑は上絵です。
多色が使われているのに、配置や使い方のバランスもよく、
また、どの色も少し落ち着いた色のために、
大人の色調で品よく収まっています。

tubaki726.jpg


tubaki716.jpg


この3寸と4寸の皿は同じ構図ですが、
蘂(しべ)の上絵の色が、ゴスの下絵と赤絵と違います。
同じようは色使いの鉢は黄色の蘂です。
緑色の背景から浮き出るデフォルメされた白椿は、
甘い香りがただようようです。

tubaki720.jpg


この3.5寸皿は金彩の華やかさと、
鉄の下絵の渋さとの対比が、
「綺麗寂び」といった表情になっています。

tubaki723.jpg


この半筒向附けも、化粧土の白さの上に、
鉄の下絵で描かれてた、いわばモノトーン器ですが、
ちゃんと色が見えて来てしまいます。

tubaki725.jpg


こちらは絵替わりの角向付けの見込み絵です。
可愛らしくて、
春の色合いが感じられます。
四角い器が額のようで、中程に配置された白化粧のキャンバスに、
線彫りした線描きと、緑と黄色の上絵と赤絵で、
気持ちまで華やぐ仕上がりになっています。

と、同じ手法でも器が違うことで違う表情が見えますが、
代表的な椿をご覧いただきました。
器としえ料理と競演しながらも、
器だけでも十二分に絵柄の鑑賞を楽しめる仕上がりになっています。

あなたはどの椿にひかれましたか。

               甘庵

先週のおたより

ぼくの書き込みがそうさせるのか、
荻窪「銀花」のお客様がシャイなのか・・・。
こんなにも書き込みのないブログも珍しのではないかと・・。

今までもなんどかそう嘆いてみたものの、
心ある・・・勇気のある・・・いえ無謀な数人の方のみの書き込みにとどまっております。
その割には、直にメールをいただける方、
あるいは、来店時に「ブログ楽しみに読んでいます」などと、
いってくださる方がいて、確かに読んでいただいていると、
大変励みになっています。
ありがとうございます。

先週もいくつかそんなメールをいただいたので、
個人情報に触れないようにしながら・・・・。

はじめに、藤田佳三さんの同級生というかたから、
とても嬉しくありがたいメールです。
それに、「コメント」ではなくというところが、
皆さんの気持ちの代表のようなので、
ごめんなさい、ご紹介さえてもらいます。

***
いつもHPを拝見しています。
銀花さんで扱っている器はどれも温かみがあって
作品の一つ一つに愛情が感じられ心も温かくなる気がします。
お店に伺って作品を手にとって拝見したいところですが、
遠方にてなかなかそちらまで伺えないのがとても残念です。

ブログも楽しんで読ませて頂いています。
コメントは少々抵抗があるのでやはりメールにて失礼いたします。
 
先日は偶然見つけたHPに同級生の話題で
懐かしさと甘庵さんのお人柄の良さが覗えて
思わずメールを致しました。
その後もブッチいや藤田さんのお姿まで見せて頂いて・・・。
尽きない藤田語録や漆器、ガラスのお話と
毎回「なるほどと~」一人パソコンの前で頷きながら楽しませて頂いています。
***

ブログで加藤財さんの急須を見てお便りをいただき、
購入いただき、遠方なのでお送りして、お便りをいただきました。
手に触れたうえでの、お褒めの言葉は何よりの勲章になります。

***
加藤財さんのポット2点届きました。
予想以上に見事ですね。
蓋と本体のつながり、丸み、手触りのなめらかさ。
触ってるだけで幸せを感じます。
ありがとうございました。
***


次に、本当はお祝いの品として海を渡った漆器の鉢だったのですが、
ご主人との協議の結果、お相手にその価値がわからないかも?ということで、
ご本人が使って頂いている様子が、とても嬉しそう・・・。
もしや、ハナからの「作戦」では?と疑ったところ・・・。
やっぱり。嬉しそうな画像付きでの懺悔。
うふふ、ぼくも嬉しいです。
しかも、今開催中の中條さんの注文までいただきました。
毎度~。

***
くくくっ、実は半分作戦でした。 バレましたね。
みかん入れてみました。
なかなか上手く写真撮れませんね。
難しいです。
***95s96BE.jpg



国内ですがやはり遠方からご贔屓いただいているお客さま。
毎回の企画におつきあいいただいていて、
今回もいくつかの候補の中で揺れ動いていらしゃいます。
それに揺さぶりかけるように、
「ほら、これもいいんですよ。こちらも可愛くて捨てがたい・・・」
と、親切なのだか、意地悪なのかという、ぼくです。

***
雨が降り続いています。
ストーブ、ホットカーペット、火鉢とすべて火を消せません。
それくらい冷えますよ。
しーんとした冷え方です。
帰り道、大変ですね。どうぞ、雨が止んでますように。

ブログの画像より
なんと素敵なと感嘆の声。
表にこないのがまた、にくい。
でも、あの雌ライオンのお顔、虜になっちゃう。ほしいなぁー
***

と、みなさんいつもありがとうございます。
コメントでもメールでもどうぞお気軽に、
ご意見、疑問、なんでも書き込みお便りを、
お待ちしております。
           
               甘庵

オーナーの特権 1 器を洗う楽しみ

中條さんが作るのを楽しんでいるお話の続きです。
この場合描くということになりますが、
器の裏まで絵が続いて描かれているものも多くあります。
また。サインというか印として、
正康 とあるものや、
乾山写しは、そのまま乾山とあります。
そのあたりまでは、まだまだ、まぁーね。っていう感じです。

chu624.jpg


chu693.jpg


でも、中條さんオリジナルのタイプの中には、
裏にかかれたサインが・・・・、
すごーくかわいい~。
(可愛いという軽薄に難じる表現が恐縮ですが)
これにやられちゃう人も結構多いです。
その一部を、これはもう、口では言えないので、
画像みてください。

chu700.jpg


chu701.jpg


chu703.jpg


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どうですか、これらのお皿や鉢は、茶道の茶碗拝見ではないので、
コーヒーを飲み干しすすり、ソースをナプキンでぬぐった見るわけにもいかないし・・・。
まぁーオナーとしは、見てもらいたいこもあるでしょうけどね。
やはりこれは、オナーの特権。
あるいは、洗う人への役得ということです。

器を大切に、楽しみながら、
にたにたしながら洗うことができそうです。

          甘庵

作る楽しさと手間と工夫

昨日銀花に来てくださった中條さんが、
お客様とお話しているの伺っていると、
細かい作業で手間がかかっているのことや、
ちょっと前に患った目のためにも、
あまり無理はできないのですが、
それでも、のんびり楽しみながら作っていることが、
言葉の節々から伝わってきました。

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ついつい、嬉しそうに作るときのポイントなどを話してしまい、
そんなご自分に気づいてしまうと、
ちょっと照れながら、「でも使いやすいですよ ぼくも使ってます」と、
話を締めくくっていました。

はい、ぼくも使わしていただいています。
中條さんの器はテーブルが、無理なく華やぐ感じが、
嬉しいですね。

中條さんの器は、まさに陶器で、
透明釉が施された素地の色合い、質感は、
土味そのままで、柔らかく、落ち着いていて、
品と格があります。

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この感じを出すには、
もちろんいろいろな工夫がなされているようです。
やはり柔らかめの質感を出すために、
平均的はやきものの焼成温度よりは、
低温のようです。
その分、長く焼くことで、芯までしっかり焼ききることは、
ぼくも長く使わせていただいていて感じます。
手持ちの軽い、柔らかい陶器とはいえ、
それでも自分で使っていて、
破損はまだありません。
それに、米のとぎ汁で煮たりしてませんが、
毎回使うたびに水や湯にくぐらせるだけで、
とてもよい感じに侘びできています。

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これは店でつかっているコップと小皿です。
コップには貫入がはいり、高台の土味がより渋くなっている様子が見えますか?
小皿は、金彩のなかほどが少しすれてきています。

陶器醍醐味は、やはり使うことで変わる様を楽しむことです。
なんともいえない、土の器(土もの)の魅力です。

                         甘庵

雑談から思ったこと

今日から「中條正康 あたたかな絵の器 展」にあわせて、
作り手の中條さんが銀花に日帰りできてくれています。
八ヶ岳の山麓から高速バスで出かけてくてくれたのですが、
今朝は中央道で事故渋滞で遅れそうだと、
途中で降りて、電車を乗り継いでの来店でした。
中條さん、ご苦労様でした。

終点新宿に着いたときに帰りの予約を入れるつもりでいたのに、
途中下車だったので、帰り時刻表や空席も確かめていないということなので、
さっそく、ネットで調べてみたら、
金曜日だからか、遅い時間の二つがいっぱいの様子。
高速バスを利用する方増えているんですね。
となると・・・中央線の特急かな?
中條さん、予約センターへ電話をいれて、
どうにか一本早めの便に予約できたようです。

そんな話から始まり、交えながら、
最近はのんびり作陶しているというおはなしや、
先日の名古屋三越での個展のことや、
お互いに年齢とともに感じる体のことや、
最近始めたというPCのことまで、
数年ぶりでいろいろお話していました。

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こんな雑談ともいうべきお話のなかで、
中條さんのもののとらえ方や、感じ方や、生き方が、
伝わってきて、作品に重ね合わせて、
納得していました。
        
        甘庵