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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

二つの顔

武井順一さんの削りだす仕事は、
乱暴にいっていまうと二つに分けられます。

一つは具象的な、楽しいテーマで遊び、
夢のあるメルヘンな世界や、
童話や寓話の中に誘われるような作品です。

takei812.jpg

キッチンハンガー W55D10H24

もう一方に、木との寡黙な会話から、
木目を活かすこと、木という素材を活かすことに、
主眼を置いた、シンプルで力強い作品です。

takei810.jpg

高坏 山桜漆仕上 W46D28H11.5

一見両極端な仕事のようですが、
どちらも手に取ると、
武井さんらしい仕事だなーと、思えてきます。

今回の仕事でも匙から椅子まで、
どちらの顔の仕事でも、
使いやすく、心豊かになるのが、
共通しています。

いつも思うのですが、作り出されたものは、
作り手の分身そのものです。
作り手武井順一さんの豊富な経験の半生で、
会得し確立した優しい人柄と、
一つに固まらない視野の広さが、
仕事に反映されているからだと、
思っています。
        
              甘庵


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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

兄弟作品

手ではとうてい持ち上がらないような、
一つのケヤキ材(塊と言うのが相応しいような)から、
生まれたいわば兄弟というような二つの作品です。

takei808.jpg

器 ケヤキ漆仕上 W53cmD45cmH20cm
こちらは上からみると、楕円形の大きな鉢で、
伸びやかに開いた端が、美しい作品です。
見込みに広がるゆったりしていて、
力強い杢目がモダンなフォルムの作品に、
重厚さを与えています。

曲面の見込み、
連続した刃のあとと木目がマチュールの側面、
安定感のありながら最小面積の底面、
というバランスのとれた最小限の構成ですが、
重厚さと思慮深い響きを感じます。

takei809.jpg

器 ケヤキ漆仕上 径51.5cmH15cm
こちらは和の表情を持った重い(よいしょって持つくらいです)、
安定感のある、練り鉢によさそうな鉢です。
見込みは丁寧に滑らかに仕上がっていて、
なでるととても心地の良く、
「木って温かいな~」とつぶやいてしまいます。
(はいはい、そうなことしそうなのはぼくだけですよ)
側面は、躍動的で勢いのあるノミあとに覆われていて、
この器の強さと重量感を、強調しています。

側面から腰の「動」の表情と、
見込みの「静」の表情を、
緩和し結びつけているのが、
玉縁のような断面と、
ゆったりした縄のようにひねられて、
波打つ面の処理です。

どちらの作品も、
大きな一つの木塊を、
二つに分けて、使えないところと取り除き、
きどりして使える材の大きさや、
現れてくる木目という、
ケヤキの材と会話から、
作品が生まれて来たそうです。
それぞれの素材を活かす仕事をするために、
兄弟でありながら個性がそれぞれに生まれたのでしょう。

ニコニコしながら、
木をなでなでして、ぶつぶついっている、
武井さんがイメージ出来るのは、
ぼくの妄想癖のせいだけではないと思います。

                甘庵

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