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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

漆器の変化を楽しむ

味噌や梅干しなどが、出来たてよりも、
熟成してきた方が味わい深くなるように、
器も使うことで、手に馴染み、侘びて来て、
新しい時とは違う味わいが生まれます。

味噌や梅干しが賞味期限のあるパック梱包されたものではなく、
手作りの味噌や梅干しに限るように、
器も熟成するのを楽しめるのは、
手仕事の器ならではです。

陶器やせっ器などが、侘びていくことを、
ご理解頂いけ、楽しんでいる方が、
ぼくのブログを読んでいる方には、
結構多くなっていると思っています。

実は漆器も使うことで変化していくのを、
楽しめますよ。

oota860.jpg
下:通い盆 山桜 31500円 単品
径30.5~30cm 高さ4cm
上:木地溜塗盆 桜 15000円 07年作品
径23cm 高さ3.3cm


初めに透けるのを楽しめます。
塗ってから、乾くと一旦黒くなる漆は、
半年から一年で、見る間に透けて行きます。
*上の画像でもおわかりいただけるように、
同じように仕上げられた昨年の盆と、今年の盆を、
重ねて見ると、昨年の盆は透けて来ているのが、
おわかりしてだけると思います。

次ぎの、使うことでの変化は、
艶やかになって行くことです。
使えば、洗います。
洗えば、拭きます。
日々拭くことで、塗面に艶が増していきます。
もちろん堅すぎる布では、
細かな傷が出来てしまいます。
綿や麻などの布で給水性の良い布がよいでしょう。

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左:茶托 ケヤキ 6300円@
径15cm 高さ3cm
右:面取り茶托 沢栗 6300円@
径15.5cm 高さ2.7cm


茶托など摺り漆は、透けてたり艶がでてくるだけでなく、
摺り減って、時に木地が見え隠れすることもあり、
陶器が侘びて来るの楽しむところと、
似ていて、通ずるものがあります。

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根来鉢 みずき 36750円 単品
径25.5~23.5cm 高さ8.5cm

もっとも、長~く丁寧に、減るほど使えば、
朱色の漆器が、下塗りの黒が見え隠れして、
根来になる・・・・理屈です。

               甘庵


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餌でなく糧にする方法

気持ちよかったです。元気になりました~。

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草文椀 山桜 16800円@
径13cm 高さ7.5cm


そんな太田さんに、「そういう話をブログに書くべきだ」といわれ、
「まぁーそこそこは書いているんですが~」と答えましたが、
「そのぐらい、きつく書いてないでしょ」って、
ぼくの言い様は、そんなにきついのかな~。
少し反省しよっと。

その話とは、時間がなく、調理が出来なくなっていて、
外食ではないけど、中食というのかな。
お総菜やデリっていう感じや、
お弁当を求めて食べる機会が増えているようですが、
プラゴミになる容器そのままで、
がさごそ食べていると、それってやっぱり餌でしょ。
調理を全部しなくてもいいから、
盛りつけをすればそれも調理の一部。

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朱平鉢 楓 10500円@
径16~15.5cm 高さ5cm


別の会話で、あるお客様が、
「料理が得意じゃないので、太田さんの器に盛ると、
美味しそうに見えるから、凄く助けてもらっている」と
話されました。

そうなんですよ。
ご自分で作られれば、それに越したことがありませんが、
買ってきたもでも、
味を少しアレンジしたり、
薬味を添えたり、掛けたりして、
心をもって盛りつけをすれば、
プラスチックの器からがさごそ食べるのと違い、
ちゃんと豊か気持ちになれる料理になります。

oota834.jpg
根来合鹿椀 みずき 23100円@
径13.6~13.2cm 高さ9cm


生命維持のためだけに、
食べ物を口にいれるなら、それは餌かもしれません。
食べることが生きるエネルギーになるのは、
カロリーや栄養素だけではなく、
心も満たすことが大切かと思います。

その意味で、お気に入りの器に盛ることで、
心にも栄養をいただけます。
さらに、会話があればきっともっと、
心が豊かになるのでしょう。

                甘庵

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質実剛健の美

太田修嗣さんの椀は、
使ってもらいたい器として、
ことあるごとにお客様へ薦めています。

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根来椀 楓 18900円@
径13.2~12.5cm 高さ7.5cm


使ってもらえばわかるのが、
何より裏切らない心地よさでしょう。
そして、丈夫です。
適当な優しさを持っていただければ、
長くつきあえます。

oota854.jpg

そのための仕事がされています。
口の端、見込み、高台には、
破損や摩滅に、少しでも耐えられるように、
麻布がしっかり貼られて、厚い漆層になっています。

oota856.jpg

塗り重ねた下地から黒までの後に、
朱漆をしごきながら塗ることで、
麻布の凹凸を景色にした根来になります。

毎日使い続けてもらうための、
質実剛健のディテールそのものが、
美しい見所にもなっています。
   
            甘庵


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優しい配慮と納得のディテール

待ちかねていた太田修嗣さんの個展がはじまりました。
やっぱり、ものすごく良いです。
しっとりとした漆器が並んだ銀花が、
太田カラーの空間として表れ、
そこにいると時の流れかたもいつもと違います。
まさに、心地の良い太田修嗣さんの時空です。

今回の個展も、お薦めしたい物ばかりで、
さてどれからご紹介しようかな・・・。

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使いやすく、ファンの多い、椀や鉢より、
新しい作品の「折敷」をご紹介します。

oota819.jpg
折敷 合板麻布 42000円
W42cm D31cm H1.6cm

縦横の交互に貼り合わせる合板に麻布を張り、
縁を付けて反りを押さえる納まりです。
縁は黒く、そのまま片面が黒に仕上げ、
その裏面を朱で仕上げてあります。
リバーシブルなので朱面と黒面のどちらも使える、
太田さんらしい優しい配慮は、嬉しい限りです。

伝統的は折敷として、懐石で使うだけでなく、
パーティや宴会の大皿をしても、気軽に楽しめます。

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角が痛みにくい隅切りの縁には溝があり、
平たい形状で、時に物が乗っている場合も、
手がかりになり、持ち上げやすく納めているあたりの、
納得させられるディテールには、
さすがと感じいっています。

                甘庵



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秋日和

昨日は山梨都留市のもえぎさんへ、
秋色のうつわ展の飾り付けに出かけましたが、
とても秋らしい良い天気で、
気持ちの良い往復は、すっかりドライブ気分でした。

akisora001.jpg

そんな帰り道に、M市のある交差点に赤信号で止まっていると、
横断歩道を渡ろうとした、同年齢の凛とした女性が、
渡りだしたところを、少し戻り、
路肩に落ちていた空き缶を拾われました。
見れば手には、小振りはビニール袋をお持ちで、
それにさっと、回収しました。
横断歩道を渡ったあとも、歩道の吸い殻をひろっていました。
う~ん、気持ちがあっても、行動になかなか移せない自分と照らし、
心の中ですが、拍手をおくりました。

その後に、違う交差点でとまっていると、
後ろから「カランカラン」と缶をの転がる音がして、
みると小学生が石蹴りがわりか、缶を蹴っては進みを、
繰り返していました。
これは自分にも缶ではないですが、
石を蹴りながら進むということを、
あまり車の走らない、50年ぐらい前にはしてましたので、
気持ちはわかります。

でも、かの小学生は、最後の一蹴りが、
ゴール~~~と、声を掛けてあげたいくらいに、
クリーンシュートになって、あっという間に、
車道の真ん中に。
うーん。
やはり、時代がちがうので、
遊び方への躾が必要ですね。

拾えなくても、蹴らないよう・・・・いえ、
捨てないことは守っていきましょうね。

             缶庵ではなく、甘庵


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秋の夜長に

ロクロを使わずに、
ぐい呑みから大きな花器まで、
手ひねりで生み出す鶴見宗次さんの片口は、
一つずつの顔つきなど、どこか生き物のような姿で、
凸凹の表情と、そう長くない口なので、
切れがいまいちと思うかたもいらっしゃいますが、
荻窪銀花で「片口」といって切れの悪いもの納めると、
頑固オヤジに・・・・ぼくのことですが、
ぐじぐじ言われるのがいやで、
真面目な作り手たちばかりですから、
しゃきっと切れる片口を納めてくれます。

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鶴見さんも同様に、作ることにひたむきな作り手なので、
形に似合わず・・・ごめんなさい鶴見さん、
しゃきっと、すぱっと切れるんですよ。

turumi961.jpg
鶴見宗次 手ひねり片口小 3,150円
W12cm D9.5cm 高さ8cm


小振りな方なら、手酌で一人静かに、
秋の夜長に飲む時などには、
もう、ぴったりです。

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鶴見宗次 手ひねり片口大茶 5,250円
W17.5cm D13cm 高さ8cm


友と差し向かいなら、
一回り大きいこちらがぴったり、
心が通う友との時空を肴に、
秋の酒は、酔い心地の格別でしょう。

              甘庵


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「まかない」みたいな器

このところ、福水敦子さんは、
手ひねりの器を好んで作ります。
歪んでいたり、手あとがしっかり残っていますが、
使い出すと、妙に手に馴染み、
温かみがあり使いやすいために、
ファンが付いています。

fukumizu674.jpg
福水敦子・ゴロンカップ 2500円

絵付けはロクロの器と、基本的には同じ手法ですが、
手ひねりの器の肌合いにあった長閑な絵付けで、
心がほどける器に仕上がっています。

fukumizu675.jpg
福水敦子・ゴロンカップ 2500円

ゴロンカップは形態から付けられたネーミングですが、
歪んでいる腰あたりに、
凹みがあり、そこに親指が納まり、
大きめのカップなのですが、
とても持ちやすく、一旦いさまると、
妙に手に馴染むカップです。

fukumizu673.jpg
福水敦子・急須だぞう 2500円

「急須だぞう」というのも、
なんとも、可愛いネーミングですが、
お茶農園に嫁がれた福水さんが、
暮らしの中で使うところから生まれた、
フタのない簡易急須です。
紅茶だとカップテースティングみたいに、
茶葉の状況を確認しながら、
お茶をいれて試す急須として、
自家用に生まれたようです。

飲食店の「まかない」みたいな感じですね。
器なので、「まかないなみの美味しさ」ならぬ、
お茶農家の「まかない急須」として、
実用性と使いやすさで、フタはないけど、
これでも「急須だぞう」で、
お茶が気軽に美味しく入るようですよ。
                     甘庵

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モダンな伝統

山形で作陶している武田千秋さんの縞湯呑みは、
長く銀花の定番として、
静かなファンに支えられています。

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武田千秋 縞湯呑み 2000円
径8cm 高さ7.5cm 容積約180cc


外側は無釉で、黒い素地に白土のイッチンで、
線文が描かれています。
さくっとした素地と、土の線文は、
滑らず、とても持ちやすく、
見込み(内側)は、乳白の釉薬が施されて、
飲み物の色を変えることなく楽しめます。

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高台は碁笥高台(ごけこうだい)で、
高さを低めにおさえ、見た目よりも容積が入ります。
ほぼ一合が入ります。

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碁笥高台とは、碁石をいれる器の高台から、
そう呼ばれたそうで、じつは伝統的な高台です。

一見は、モダンデザインの湯呑みなのですが、
手法やデザインの基本の中には、
和の器の伝統がしっかりと息づいています。
その伝統を今の暮らしのなかで、
生き生きと使えるように、
デザインできているところが、
気持ちの良い、武田さんらしさです。

              甘庵


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朗らかな器

鹿児島で染め付けを中心に器を作っている、
山口利枝(やまぐち・りえ)さんの器も秋色の器展に並んでいます。
すでに、少なくなってしまっていますが、
ご紹介させてください。

autumn651.jpg
山口利枝・つわぶき葉文皿 1680円
φ12.5 H2.3


現在の銀花でご紹介している作り手のなかでは、
一番の若手、ぴちぴちのお嬢さんです。
なんて書くと、オヤジぽくっていけませんね。
でも、利枝さんが来店してくれると、
いつも元気で、朗らかな笑顔をみせてくれるために、
なんだか気持ちが明るくなって来ます。

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山口利枝・十字にぶどう文長皿 3360円
W18.5 D10.5 H2.3


器は、作り手の人柄やキャラがそのままに出るものです。
利枝さんの器は、まさに利枝さんそのままで、
明るくて朗らかで、元気もりもりの器です。
健やかで明快な気持ちの良さに満ちています。

autumn650.jpg
山口利枝・十字にぶどう文長皿 3360円
W18.5 D10.5 H2.3


磁器で丈夫で、使いやすく、明るい器で、
ファンの方は、毎日の暮らしのなかで、
バンバン使ってくれています。
きっと使うことで、元気なパワーをもらって、
明るく朗らかな気持ちになっていることでしょう。

             甘庵


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レトロなガラス

巳亦さんのレギュラーのグラス類は、
個展の時に見せてくれる、不透明な彩りのガラスとは、
またひと味違った、シンプルですが、
素地がどこかレトロな色合いのガラスです。

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人気があって品切れが続いていましたが、
補充が並びました。
中なら2種をご紹介します。

今年新しく定番になったグラスやデザートカップは、
デザインもレトロなイメージがあって、
素地と相まって、良い感じに仕上がっています。

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巳亦敬一 デザートカップ 3150円
φ10.5cmH8.3cm


少し黄ばんで見えますが、
素地に色があるのではなく、
表面を焼くことで屈折で色が見えるそうです。
そのために、レトロなのですが、
暗い感じがしないところが、
日常で使いやすいグラスになっています。

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巳亦敬一 三角グラス 2310円
φ7.5cmH10.5cm


秋色のガラスにぴったりな、
レトロな味わいのガラスで、
秋のデザートやお酒で、
夜長の団らんを楽しんでいただけそうですね。

               甘庵


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秋色のうつわ展後半

しとしとと秋雨が降る荻窪です。
今日から秋色のうつわ展の後半が始まり、
新しく到着した器などで、並べ替えました。
HPも順次書き換えてご紹介いたしますので、
ご覧になってください。
今日のブログは、その着いたばかりの器の一部をご紹介しましょう。

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光藤佐さんから届いた荷物には、
黒釉八角鉢の補充が少しと、
粉引楕円鉢の5寸、6寸、7寸や、
ミルクパンという直火のフタのない片手土鍋です。
どちらも、長く人気の定番です。
長くお客様に愛されている器です。
長く作っているので、10年前とは姿や気配が違うのですが、
良い方へ進化していると思います。

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光藤佐 粉引楕円鉢
5寸 3000円
6寸 4500円
7寸 6000円


粉引楕円鉢は、ちょうど大中小の三つ入れ子になります。
ゆったりした歪みが、温かみのある姿で、
粉引と灰釉の肌合いが、
料理を優しく包むような盛り映えを見せてくれます。 

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光藤佐 ミルクパン 10000円

ミルクパンは、土鍋ですから、
直火に掛けられます。
一人用の土鍋として使ったり、
コーヒーの再加熱やお燗をしたりするのにも、
便利に使っていただいています。

        甘庵


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お客様からご教示いただいたこと

のんびり進む台風で、
沖縄や九州の方は大変ですね。
荻窪は少し湿度があっても、
どこか秋の風を感じる日で、
オフの日にお日様は嬉しい限りです。

さてさて、今日は告知というか、
前宣伝というか、ぼくの大好きな作り手の個展が、
次回、もう来週金曜日からのはじまります。
太田修嗣 使ってほしい漆器 展
9月26日(金)~10月9日(火)

太田さんは人柄もすげ~魅力的です。
作る出す漆器は、太田さんそのものといいっていい、
温かく、ゆったりとしていて、それでいて気品を持っています。
何より使いやすく、丈夫なんです。
過保護でなくて、優しささえあれば、
普通に10~20年と使えます。

ぼくも、椀や皿を四半世紀以上つかっています。
良い感じにしっとりと馴染んできています。
たとえば椀を、当時買ったおおざっぱな価格で2万円として、
持っている椀が少なかった頃は毎日のように使っていて、
すこし椀が増えてへったとして、年に100回平均は使っています。
少なく見積もっても年に80回として、
25年間で2000回になり、
一回あたり10円です。

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これで得ることのできる、
心地よさは、心和む感触は、
絶対にお得だと、お薦めできます。
ちなみに、椀の平均価格で17000円から18000円です。

あなたの 年間のお椀使用回数×10年として、
一回あたりの使用料はいくらになりますか?
元を取れると思いませんか。

甘庵にだまされたと思って、
まず手にとってください。
ついでに、だまされてで良いので、
椀から使ってみてください。

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うつわ屋の商いしてきて、こうしてお薦めしたお客様に、
数年後に、漆器というのはどんなに使い安く、良いものかと、
しっかりと、ご教示していただくことが、
何度もあり、「そうお伝えしたのはぼくです」と、
いつもなら暴言はいてしまうぼくも、
そこまで力説してくださる嬉しさでに、
言いたいのぐっと飲み込めました。

今度は、今これを読んで頂いているあなたに、
漆器の良さを、ご教示いただけるようになるといいな~。

             甘庵

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加藤財さんのポット

秋色のうつわ展は、銀花の人気作り手の器で、
しつらえております。
このところ在庫がなかった、
加藤財さんのポットも、少量ですが並んでおります。

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よく見れば、一つずつ、少しずつ違うのですが、
凛とした気品ある姿は、やはり他にはない、
加藤さんのポットならではです。

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存在感があるからですね。
数点が棚に並ぶだけで、
そこに、静かな空間が切り取られるようです。

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急須もポットなど、茶器として愛され使われてきた器は、
共通して、心に響き、心を満たす力を持っているものです。
加藤財さんの作り出す、急須やポットには、
その力があると、ぼくは感じています。
そして、手に入れたオーナーに可愛がられて育つことで、
さらに、完成していくのでしょう。

                甘庵


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透明な塊感

台風13号は動きが遅いですね。
スピードが遅いし、進路の方向も変わるので、
なんだか足踏み状態に感じます。
お天気も、はっきりしなくなってきました。

ブログも足踏みしてます。
いえ、これは台風の影響ではなく、
PCではなく、ぼくのCPUのスピードが遅く・・・・。
目の前のある店の業務の処理で目一杯のためでした。

また、ご紹介しようともくろんでいた器が、
続いて売れてしまい・・・。
どうも、無い器をご紹介するのもいかがな物かと・・・。
というわけで用意しておいたネタも、
使えずに、ますますゆとりが無くなっておりました。

とはいえ、そうも間を開けては、
期待して開いてくださった方に大変もうしわけなく、
今日は頑張ります。

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大河内夏樹・デザートカップ 3300円

岐阜で彩作している大河内夏樹さんのガラスの器です。
大河内さんは、荒川尚也さんのところでも勉強したからでしょうか、
素地が白っぽく綺麗なところに共通点を感じます。

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大河内夏樹・しっぽつきグラス♀大 3100円

荒川さんはアワの使い方に定評があるように、
大河内さんは、魅力的なガラスの塊感を表現するのが、
とっても上手です。
綺麗な素地が取り込んだ光を屈折させて、
塊のガラスを煌めかせます。

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大河内夏樹・しっぽつきグラス♂大 3100円

口周りや高台部分など滑らかで丁寧な仕事も、
使いやすい器として好感が持てるガラス器です。

                 甘庵


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HPアップしましたが・・・

昨日「人気の器が並びます」でご紹介したましたが、
作品を会場が見られるページを今回は老眼にむち打ち早めにアップしたのですが、
本当に人気があって、お知らせするブログや、
まだこれからの顧客さまへのお知らせメールの発信まえに、
一部完売や、残り少ない在庫数の修正している状況です。

気に掛けていただいていたお客さまは、
早速覗いてみてください。
お問い合せもお気軽にどうぞ。
TEL: 03-3393-5091
mail: ginka@kan-an.com    

          甘庵
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人気の器が並びます

久々に秋らしい天気が続きましたが、
台風がきているせいか、どうやらまた下り坂のようです。

一昨日までの「村木律夫 なにげなく美し器 展」も終わり、
昨日は、気持ち良い風を感じた中央高速を移動して、
巡回展の山梨都留市の「もえぎ」さんへ飾り付けてきました。

荻窪銀花は次の企画展「秋色のうつわ展」の飾り付けをしました。
新着の器を中心に、秋の食卓を楽しくするうつわを、
取り合わせやしつらえでご覧頂きます。
特に制作が間に合わない人気の作り手たちの器が届きます。

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個展以来の注文制作で常設品の入荷が間に合わなかった、
藤田佳三さんの赤絵や安南手のうつわ。
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制作が間に合わず、在庫の切れていた、
加藤財さんのポット。
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入荷すると直ぐに売れてしまう、
光藤佐さんの黒釉八角鉢。
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窯焚きの数が減り品薄になっていますが、
その分、心のこもった器をつくる福水敦子さんの手ひねりの器。
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久々に入荷してくれた人気定番の、
武田千秋さんの線文湯呑みと手ひねりマグ。
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爽やかさに人気が出てきている
山口利枝さんの磁器の器たち。
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どれも、少しずつですが、
並ぶとそれぞれを引き立て合って、
甘庵好みの荻窪銀花らしいしつらえになっています。
入荷をお持ちになっていたお客様だけでなく、
ぜひ、お出かけになって、
取り合わせの楽しさをご覧になってください。

           甘庵
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玄人の仕事

村木さんの手の込んだ仕事の器には、
職人の顔とデザイナーの顔が混在しています。

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モダンでオシャレなデザインの器が、
されげなく出来上がっているのは、
確かな技と手間を惜しまない仕事に裏付けられているからです。

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だからこそ、手の込んだしごとも、
品良く、鬱陶しくなく、さらりと使えます。
そして、使うほどの手に馴染み、
その良さが伝わってきます。

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手間がそのまま価格に反映されてはいますが、
その価値以上の心地よさを手に入れられます。

品格のあるうつわは、心地よいものです。
 
                 甘庵


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灰釉三昧

村木律夫さんは丁寧な仕事をするために、
器を一見すると、かっちりした姿や、ムラのない釉薬などで、
手仕事だという印象を薄く感じる方がいらっしゃいます。

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じっくり手にとって見て頂いたり、使っていただければ、
暖かな釉薬や口当たりの良さを、必ず発見できます。
丁寧なロクロ挽きはも無論なのですが、
様々な灰を機会があるごとに集めて、
それからつくられた釉薬が、
器に暖かさを与えています。

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灰のほとんどをご自分で作られています。
それは、身の回りの木々から作った灰から、
ご近所の地ビール醸造所からもらい受けた、
ビールの絞りカスから作られた灰など、
様々材料から、それぞれの特徴をもった釉薬が出来上がっています。

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粉引などに使われているさり気ない透明釉でも、
木灰釉が深みを与えてくれています。
しかも、しっかりと焼き切っているために、
柔らかな表情と温かみがありながらも、
そうそう簡単にはよごれません。

手間を惜しまずに、灰をつくり、釉薬を調合するところからも、
村木さんの律儀な器作りの姿勢を垣間見れます。
どの手間仕事も、ご本人からお話しを伺っていると、
「大変」とか「手間のかかる」とかいう言葉は決して聞こえることなく、
それらどの仕事も、楽しんでなさっているという感じをうけたのが、
とても村木さんらしく印象的です。
 
                  甘庵

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注ぐ器も人気

荻窪銀花では、加藤財さんという、
急須ポットの名人と言ってもよい作り手のものを、
長くお薦めしてきていますが、
村木さんの注ぐ器も同様に強くお薦めです。

煎茶の急須からスタートの無釉の加藤さんの注器とは、
またひと味ちがった村木さんの注器です。

muraki599.jpg

注器として、切れが良く注ぎやすく、使いやすいのはもちろんのこと、
姿が美しくて、ディテールも細やかで丁寧なつくりです。

muraki598.jpg

大きめにデザインされていても、ずれのないフタの合わせ目。
持ちやすく安定したハンドルや取っ手。
丁寧に細かく穿った孔が並ぶス(漉す部分)。
組み合わせのバランスの良い土や形と釉薬。

muraki589.jpg

何より使っていただいいている方の評判がよく、
リピーターも多いです。
店頭では、水で注いで試して頂いて、
手に馴染むものを、選んでいただいていますが、
「どれも心地のよい注ぎ具合」と、
いっていただけます。
そのため、どれも良くて、かえって迷いが深まることも・・・。

                 甘庵


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チョーク描

村木さんが器に描かれた文様の多くが、
ヤキモノの素地の質感がそのまま出た、
ざっくりしていたり、ざらざらした線文です。

muraki591.jpg

これは、通常のヤキモノへの絵付けや線書きが、
絵の具(酸化金属など)を水で溶いて、
筆で描くの対して、絵の具を含有したチョーク状のもので、
描くからです。

muraki546.jpg

筆で描く線が、湿式とすれば、
チョークで描かれた線は、乾式の線描です。

muraki594.jpg

作り出す器の素地の質感や個性をより引き出すこの方式が、
村木さんのスタイルになっていて、
お絵かきのような温かみのある器になっています。

               甘庵

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男のたしなみ

村木さんが真摯な姿勢で作陶しているのは、
基本が真面目な性格からなのだと思うのですが、
自分こそ省みるべき部分ではあるのですが、
きっと、頑固ものです。

人からみれば「こだわり」となり、
近年は本来の意味からずれて、
「こだわりの麺とスープ」やら、
「こだわりの素材・・・」などと、
グルメ番組のコピーにもなるような、
褒め言葉に近い感覚でとらえていただけますが、
土塊と、灰と、石の粉で、
何もないところから器を作り出すには、
自分のはっきりした物差しが必要になります。
そこに長く作り続ける経験が、信念の裏付けとなり、
きっちりした好みが生まれます。

muraki539.jpg
釉しのぎぐい呑み 3000円
φ6.5cmH4.2cm
灰釉しのぎぐい呑み 2500円
φ6.5cmH3.5cm
灰釉しのぎ徳利 7000円
φ8cmH110.6cm

酒器として、注器が片口が中心になって久しいのは、
流用が出来るところが、ご婦人方の心をつかみやすいところが、
大きく左右しているのではないかと思っております。
ぼくも片口は大好きですが、
本歌というべき徳利の肩身が狭いのも、考え物です。

そのため片口は作っても、
徳利を作る機会が少ない作り手が多いのは、
寂しく思っていたところです。
その点、さすが村木さん。
粉引の手酌によろしそうな徳利と杯が届いています。

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灰釉しのぎぐい呑み 3500円
φ7.5cmH4cm
灰釉しのぎ徳利 8000円
φ9.5cmH12.4cm

しのぎが施された素地の、粉引の徳利と杯です。
手持ちがよく、無駄の無いロクロ挽きは、
見かけより入ります。

男のたしなみとしては、
一人静かに飲むときには、
気に入りの徳利と杯で呑みたいものです。
朝晩秋の気配と感じ取れるよになりました。
月見はビールではなく、お酒にしたくなります。

             甘庵

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人気の器入荷予定のお知らせ

次回の企画「秋色のうつわ 展」は、
9月12日(金)~9月23日(火)
新着の器を中心にして、秋の食卓を楽しくする、
取り合わせやしつらえでご覧頂きます。

少量ずつですが、会期にあわせて、
荻窪銀花の人気作り手の器が、入荷する予定です。

8516.jpg
加藤財さんのポット。

8508.jpg
8510.jpg
藤田佳三さんの赤絵や安南手の器。

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光藤佐さんの黒釉八角鉢シリーズ。

8522.jpg
稲垣明子さんのグレーシリーズ。

8525.jpg
武田千秋さんの手ひねりマグや線文ゆのみ。
巳亦敬一さんの新スキのガラスの器。

8521.jpg
大河内夏樹さんのしっぽシリーズのグラスや花器。
山口利枝さんの染め付けや白磁の器。
などなどです。

燃料や材料が値上がりしつつあり、
作り手も値上がりを予定していたり、
検討している方もいるので、
間違いなく、現価格でお手元に入る機会になると思います。
是非、お早めにお出かけください。

                甘庵


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飯碗好き

器から大物まで色々作られる村木律夫さんに、
「何を作るのが好きですか?」という質問をしたところ、
顔をほころばせながら村木さんが、こう答えてくれました。
「飯碗作っているときです」

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細かで手の込んだ作品で、公募展活躍している村木さんからの答えとしては、
少し意外な気もしたのですが、
でも、確かに銀花では器中心で催す村木さんの個展で、
飯碗のしめる割合は高いかもしれません。
そして、その飯碗には、長いファンが多くいらっしゃいます。

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さり気ない飯碗は、軽めで、しっかり焼けていて、
口当たりや掌がよく、毎日使っていて飽きず、
何よりご飯が美味しくいただけます。

muraki574.jpg

飯碗は自分の飯碗を持つ習慣のある国ではあっても、
お求めになるのは一人1客です。
個展の構成としても、地味ですから、
正直メインになりにくいのに、
いつの間にか減って行く器です。

muraki585.jpg

今年も使いごろの、お薦めできる飯碗が届いています。
もう秋はそこまで来ています。
新米のたよりも聞こえて来るはず。
村木さんの飯碗からお気に入りと出会っていただいき、
美味い新米からデビューというのはどうでしょう。

                甘庵

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長皿二種

朝夕が過ごしやすいこの数日は、
秋の気配を感じとれます。
秋となれば、魚が美味しくなってきます。
秋刀魚や鮭や鯖と、脂がのってぐーんと美味しくなりますね。

というわけで、村木律夫さんの個展から、
魚が似合いそうな皿を二種ご紹介します。

sara565.jpg
黒釉銀彩チョーク描長皿 5000円
W27.5cmD8.7cmH1.5cm

細長いバランスの皿は秋刀魚の塩焼きによさそうですが、
刺身を盛りつけても、上品に受け取ってくれると思います。

sara566.jpg
灰釉白掛長皿 7000円
W26.5cmD15.1cmH3cm

焼き魚でも、煮付けでも似合いそう。
それなのに、サンドイッチも似合いそうですよ。

村木さんの器は土ものでも、
焼いて良く締まるように土を混ぜて配合したり、
洗いやすく丈夫にと、灰から調合した釉薬を、
土と釉薬が馴染むまでしっかり焼ききっています。
色合いが、少し地味に感じますが、
盛りつけたときに料理が映える計算のためです。
お料理ずきなら、きっとファンになってくださるはずです。

           甘庵

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