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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

渋可愛い器たち

渋可愛い器たち
過去のブログでは藤田語録を名付けて、
藤田佳三さんの名言をいろいろ書いてきました。
その中から「渋可愛い」という藤田造語から、
今日はイメージを広げてみます。

発生時には紅安南の小皿などに使われていましたが、
さらに渋さが増して、ギガ渋可愛いってことで・・・。
いえ、ギガとは藤田さんは言ってませんでした。

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鉄絵丼 3780円 径13.5H8.5cm

この小丼は、ベンガラと酸化銅の下絵で、
茶と渋い赤の構成で、最小限の絵を描く構図で、
品の良い仕上がりを見せてくれています。

08fujita143.jpg

見込みには一輪の蕾・・・実かな?
春なら蕾、秋なら実と、
季節に応じて見方を決めてもよいでしょう。
赤絵は安南にくらべると、少し地味に感じるかもしれませんが、
盛りつけしたときには、料理を華やかに見せてくれます。
また、料理を選ばない懐の広さがあって、
飽きることなく長く使って、使うほどの良い感じで侘びて来ます。

08fujita0144.jpg

08fujita144.jpg
鉄絵八角皿 3780円 対角16.5H3cm

縁の鉄巻きと、見込みに一輪描かれただけの、
シンプルさが魅力の八角皿です。
皿の見込み部分が平たいので、
洋皿として使いやすく、これも幅広く使っていただける皿です。

08fujita145.jpg

スタッキングも良く、収納のしやすい皿です。
平向付としても、デザート皿でも、プレートとしても、何かのソーサーにしても、
使い勝手が良い大きさです。

小丼も八角さらも、ちょっと渋めですが、
使いった時に華やいでくる渋皮可愛い器です。

                甘庵


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組み合わせも楽しい

藤田佳三さんの器の人気は、
三つのポイントが上げられます。

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赤絵カップ 2835円 径8.7H7.8cm

使いやすいこと。
華のあること。
そして、組み合わせが楽しいこと。

08fujita121.jpg
安南小湯呑み 2730円 径7.7H7cm

どれも、器として使うことで、
感じ取れる魅力です。

08fujita123.jpg
赤絵猪口 2730円 径8.7H7.8cm

なかでも、3番目の組み合わせが楽しいことは、
使い出すと、あれともこれともと、
色々なバリエーションで、
楽しめます。

08fujita126.jpg

今日は、今回届いているカップと、
小皿を使ってご覧にいれます。

08fujita122.jpg

どうですが、華やかさが倍増するし、
メニューのイメージも広がってくるでしょ。
ここでは、会場に届いた物だけで組み合わせましたが、
既にお持ちの、ガラスの皿や漆や木の茶托やプレートとも、
自由に組み合わせを楽しめます。
また違った趣の表情をみせてくれます。

08fujita124.jpg

器は使うことで生き生きします。
使う楽しみを見いだすことで、
出番も多くなり、早く元が取れ、
土ものの器は表情が変化していき、
自分色の器に仕上げって行きます。
使い方に規制はありません。
優しさと工夫と組み合わせで、
広がりは無限大になります。

           甘庵


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ポットもお薦め

藤田佳三さん前半が終わります。
明日のお休みをはさんで、
明後日から後半の6日間催します。
11月1日~3日の3連休も営業しております。

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安南急須(ポット)14700円 径12H12.5cm
容積600cc 単品製作在庫1客


今日はポット(急須)を2種ご紹介します。
片口や徳利などの美しい注ぐ器を作る藤田さんですが、
ポットにも藤田カラーが満載です。

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特徴をあげていくと、
まずは、力強い豊かな張りの美しいフォルム。
粘土をびっぱって作り出した持ちやすいハンドル。
しっかりた印籠(本体を蓋の飯あわせ)や、よく穿ったス(茶こしの穴)。

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こうした、造形力や密度の濃い細部の作りを、
引き立てるさせる伸びやかで気品溢れる絵柄は、
お茶の時間を、よりいっそう楽しめます。

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鉄絵急須(ポット) 10500円 径11H12.3cm
容積500cc 単品製作在庫1客


見かけだけではなく、
切れが良く、注ぎやすいのは当然の納まり。
思ったより軽いのは無駄のないロクロ仕事。
使う混むことで、侘びていく土、化粧、釉薬のは、

fujita120.jpg

ディテールやデザインの中に、
藤田流配慮の心豊かな気持ちが、
ここかしこに、ちりばめられています。

          甘庵

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侘びのなかの華

赤絵も安南も、まさに華のある器ですが、
藤田佳三さん本来の渋い感性の中の華やかさを、
魅力を、ふんだんに表現出来ている、
侘びのなかに華のあるこの向付けを、
今日はご紹介いたします。

fujita113.jpg
鉄絵四足四方鉢 4200円 □16H4cm

出会ったころの藤田さんは、
粉引や刷毛目が中心で、
絵が描かれていても鉄絵が中心の、
非常に渋い器ばかり作っていらしゃいました。

それは、とりもなおさず、
藤田さんの好みでもあるわけで、
同じように渋い器の粋なぼくには、
好みがシンクロし、直ぐにお付き合いが始まりました。
もちろん、はなから力のある作り手であることは、
橋渡しの目からも一目瞭然でした。

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その後の時間の流れのなかで、
侘びた気配がありながらも、
華のある物が好きなぼくの感性を、
一回り上ということで敬ってくれて、
もともとお持ちの感性である、
華のある仕事を続けてくれています。

それが、赤絵であり安南です。
少年期から既に絵が達者だったからで、
にわかの絵筆ではなく、
修行時代にもあらゆる仕事をこなしてきている、
基礎があるからこそです。

fujita114.jpg

その中には、お茶の心得しかり、
食通さしかり、お酒の飲みっぷりしかり・・・・。
それらも、器作りには、大いなる肥やしになっていることは、
間違いありません。

だからこそ生み出された、
すこぶる渋いながらも、実に華やかな、
この鉄絵の向付けです。

良い作り手には共通していることですが、
なによりご本人が、チャーミングで魅力ある人柄なことが、
大きく作用しています。
                 甘庵


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彫って描く

藤田佳三さんの赤絵や安南が、
大変人気が高いのは、
しっかりした造形の素地に描かれた、
ゆったりとし、スピード感のある達者な筆の、
伸びやかで華やかな絵付けにあるのでしょう。

今回の個展に並んだ三島鉢をじっくり見て頂くと、
間違いなく藤田さんの絵柄だとわかります。

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三島7寸鉢 17850円 径21H7.2cm

赤絵や安南の筆を、ヘラや凸印に変えて、
絵の具で描くのではなく、
線彫りしたり、印刻して文様を描きだしています。

彫られた溝や押されて凹んだ文様に、
白化粧土を象嵌して描かれた絵柄は、
力強さのなかに、優雅さと気品に溢れています。
まさに藤田さんの絵柄そのものです。

fujita0027.jpg
三島5.5寸鉢 5250円 径17H4.5cm

そして何より藤田さんらしい器なのは、
盛りつけをしたときに、
その本領を発揮することでしょう。
赤絵や染め付けとは違った、
静かな落ち着いた気配で、
料理を包み抱えて、映え引き立てる、
侘びたなかにも、華のある器です。

              甘庵


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苦み走った良い・・・

思えば藤田佳三さんとは、
紅顔の美青年の時よりお付き合いいただいおります。
その藤田さんも今や、すっかり大人の男。
いえ、品格溢れる紳士となり、
酸いも甘いも噛み分けた・・・と思う・・・たぶん。
な~、苦み走った作り手となり・・・。

いえ、ご本人の風貌は、
ぼくの親しみを込めた戯れ口です。

fujita031.jpg
絵刷毛目楕円皿大 4935円 W28D13.5H3.6cm

本当の渋みが増したのは、
久々に作ってくれた刷毛目の器のシリーズ。
赤絵や安南に比べて、
地味に映りがちな器なために、
器好きなかた、器フェチなかたでないと、
なかなか手にとってくださいませんが、
荻窪銀花はどうも、オーナーがちょと変わっているらしく・・・。
ああ、ぼくでした。
そう、そのためにか、お客様は良識と美意識のレベルが高く、
一見より、使ったとき、料理を盛りつけたときに料理も器も映える、
器を良く理解いただいていて、
それなりに、橋渡しさせていただいております。

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絵刷毛目4.5寸鉢 2835円 径13.3H4cm

画像で見ているのでは、
この手の器の良さは伝わりにくく、
手のとって見るのがより、
器の表情や質感をくみ取りやすいのですが、
何より、「器は使ってなんぼ=藤田語録1」の器は、
使うことでこそ、本当の魅力を感じとっていただけます。

fujita030.jpg
絵刷毛目楕円皿小 3150円 W23D10.5H2.7cm

甘庵としては、一番お薦めの器です。
是非使って見て頂きたいと思います。

             甘庵


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藤田佳三展準備中から開始まで

今日から藤田佳三さんの個展がはじまります。
ぎりぎりまで作陶してくれて、焼きたての器を、
車に積んで未明に京都を出てくれています。

東名高速は集中工事最終日にあたり、
荻窪銀花、午前9時到着を予定しているため、
環状8号は朝の渋滞も予想されるので、
少し遠回りでも中央道を利用しての上京と聞いていました。
でも、今日の荻窪はあいにくの雨になってしまいました。
9時に藤田さんからの連絡で、
「中央道府中IC近辺で渋滞につかまってしまいました」
まぁーこういうことはよくあることです。

開店時間の11時前に少しでも早く着いて暮れることを、
祈るだけです。
慌てて準備しても、予定していた2時間が、
ぎりぎりの時間ですから、当然のことながら、
ブログやHPのアップが出来なくなることでしょう。
なので、この状況をお知らせすることにしました。
でも、ダッシュで飾り付けしま~す。



なんとか開店までには並べられましたが、
ぎりぎりの状態・・・2時過ぎの現在、
画像を撮るまもなく大分なくなりました。

寝ずに走ってきた藤田さんは、
もうバテてます。
HPの画像は今現在の在庫写真から、
なるべく早くアップします。
          
           甘庵

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武井順一木の器の動画

武井順一さんの個展も最終日になりました。
動画のほうが、大きさやバランスは立体的に見ることが出来て、
わかりやすいかもしれないと思い、
記念動画をとってみました。



動画は、画像に比べ解析度合いは粗くなりますが、
器を違う角度へ回り込んでいくときに、
厚みや深さが見えてきたり、
シュガーポットのように蓋の開閉の動きがわかったりします。

撮影や編集に手慣れていないので、
見にくいところもあるでしょうが、
ご勘弁ください。
             甘庵

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鏡は暮らしの道具として身近なものですが、
古今東西、不思議な力があると考えられている、
どこか惹かれる魅力があります。

武井順一さんの個展のアイテムにも、
いつも木彫の鏡が届きます。
今回も手鏡や小振りの飾り鏡が届いています。

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手鏡 くるみ 拭き漆 25,200
W17cmD27.5cmH1.7cm


裏面に可愛い魔女の図柄が彫られた、
円形の手鏡です。

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手鏡 朴 拭き漆 25,200円
W15.5cmD36cmH1.9cm


鏡面に縁がダイヤ模様に彫られた、
ちょっとレトロで洋風なイメージの手鏡です。

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鏡 朴 拭き漆  25,200円
W32.5cmD13cmH1.5cm


芽吹いた実の形がデザインされた、
綺麗なフォルムの鏡です。
手鏡としてもつかえますが、
アルコーブや個室の壁の装飾として、
使って見たい鏡です。

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鏡 シナ+ウールナット ウレタン 25,200円
W13.5cmD6cmH19cm


掌に抱かれた珠に鏡が仕込まれてして、
珠を適当な角度に納めることで、
角度が自由に設定できます。
小振りですが存在感のある鏡です。

こういうバリエーションのある、
鏡という道具をみると、
それを日常に使えるレディたちが、
絶対に似合わないオヤジとしては、
ちょっとうらやましくなります。

             甘庵


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仮装する器

高い成形技術と合成樹脂で作り出された、
漆器のフェイクや、持ったときに裏切られる軽さの磁器の丼などは、
低価格で量産するための目的です。

その丸で逆の、フェイクというより、
あえて言うなら貴族の仮装舞踏会みたいな・・・。
ちょっとオーバーだけど、
武井さんは遊び心で、日常の道具を、
器に写しとって彫り上げています。

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笊紋大皿 朴 拭き漆 42,000円
W42cmD39.4cmH4.5cm


ゆったりした大皿の見込み部分には、
編み上げたザルの姿を写しとった彫りが、
全面に施されています。
草花などの文様とはまた違う、
侘びた面白さが深い趣を醸し出しています。

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縁縄目大皿 朴 拭き漆 29,400円
W28cmD13.5cmH2.1cm


綺麗な木目を引き立てる縁の飾りに、
縄を文様に仕立てて彫り上げています。
武井式縄文木器です!!

と、遊び心たっぷりの目で、
日常の中から取り上げ、デザインとして、
器に彫り上げるのは心豊かな分、
フェイクな器ではなく仮装する器だと思います。

             甘庵


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彫刻を使う 2

古い時代の工芸品や調度品や建築など見ていると、
装飾のなかに、絵画や彫刻が色濃く反映していました。
モダンでシンプルに近代化していく中でも、
それは存在しました。

具象でも抽象的でも、デザインされた形でも、
身近に使う道具や器が機能だけになりすぎると、
なんだか寂しく、使う人々の心にも響き、
無機質になって行ってしまう気がしています。

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コマクサ靴べら 山桜 拭き漆 18,900円
W33cmD3.5cmH1.9cm
馬靴べら 山桜 拭き漆   33,600円
W45.6cmD3.5cmH2cm


かといって、アニメチックな装飾だけでは、
全面否定はしませんが・・・。
少し大人な遊び心として受け取れる道具があっても良いと、
そう思っています。

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武井さんも、そんな遊びある道具を作ってくれる作り手の一人です。
遊び心として、彫刻を施す道具は楽しいものです。
今日ご紹介している靴べらもそんな道具です。

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靴べら・スタンド 欅 オイル  42,000円大
スタンド:径11cmH36cm
靴べら:W3.5cmD3.5cmH44cm
セットしたときのH48cm


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あまり使わなくなっているのでしょうか。
でも、こんな靴べらが玄関にあって使えたら、
彫刻たちに送りだされる、
貴族の心地よさがありそうです。

            甘庵

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楕円の魔力

武井順一さんは、楕円形の器を良く作ります。
楕円形といわせていただきますが、
ここでは、数学上の楕円だけではなく、
円がつぶれたもの、長四角の隅が丸くなった物まで、
まとめて楕円と呼ばせてください。

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左から、縁縄目大皿 朴 拭き漆 29,400円
W28cmD13.5cmH2.1cm
栗一文字盆 栗 拭き漆 12,600円
W29cmD11cmH1.5cm
笊紋大皿 朴 拭き漆   42,000円
W42cmD39.4cmH4.5cm


丸でもなく真四角でもなく、
縦横の長さが違う楕円は、
ぼくにとって、なんだかとっても「緩やか」というか、
「巾」があり、「自由」さを感じます。

takei986.jpg

物作りの歴史で、作り手たちは、
安定供給は、均一に仕上げる目標のなかで、
回転して物を作りだすロクロを発明します。
ヤキモノでも木工でも使いだします。
ガラスでも吹きガラスで竿を回して形を作っていくのも、
同じ理屈です。
かなり古い歴史の持つロクロですが、
現代までほぼ同じ形で使われ続けています。

takei984.jpg
左上から、波紋器 山桜 拭き漆  33,600円
W24.5cmD15.6cmH8.5cm
アーモンド型器 山桜 拭き漆  29,400円
W35cmD20cmH4.4cm
カレー皿・スプーン 山桜 拭き漆 18,900円
W25cmD18.5cmH4.6cm
スプーン:L19.5cm
桂長皿 桂 拭き漆  12,600円
W35cmD14.8cmH2.1cm


楕円の器は、その意味では、
近代化しなかった、手作業からのみ生み出される形です。
塊の木から、木の様子を見ながら、
木と語りあって、無駄なく材料を使い、
手から生み出す仕事の武井さんにとって、
楕円形は自然な形になるのは自然の成り行きですね。

というか、円も楕円も、正方形も長方形も、
作りことでは、同じエネルギーを使うことでしょう。
むしろ、楕円や隅丸の四角が、
手で生み出していくときには、
自然中たちであり、気持ち的にも、
楽しく心地よいのだと思います。

takei985.jpg

それは、出来上がった器の側面を、
手でトレースしていったり、
器の腰から底を掌でなで回すと、
木の持つ柔らかさが、すんなり伝わってきて、
心和みます。
それは、作る武井さん自身の心の洗われそのものなのだと思います。

楕円の持つ魔力は、
作り手武井さん本人が一番見せられているのでしょう。
まぁー作り手は、そうでなくてはいけないと、
ぼくは思っています。

                    甘庵

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彫刻を使う

武井順一さんの仕事は、器ばかりではありません。
木で作ることで暮らしが楽しくなれるようにと、
様々な物をつくられます。

今日は、壁に取り付けて、
帽子や上着を掛けるフックをご紹介します。

takei913.jpg
フック 桂 オイル 9,450円
W9.5cmH23cmD8cm


スペースのない玄関近くや、
個室の入り口などに取り付けると、
スペースをとらずに、来客の上着や帽子を預かれます。
実用の道具でありながらも、
親子の温かな様子の彫刻を飾る豊かさを、
暮らしに取り入れられます。

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ハンガー 桂 未仕上げ  31,500円
W64cmH57cmH9.5cm


このハンガーは、画像ではわかりにくくなっていますが、
結構大きいです。
しっかりとスペースをとりますし、
部屋の印象も強くなるので、
積極的にとりいれる計画性が必要です。
部屋の色合いや素材などにもあわせる必要があるボリュームなので、
現段階では、彫り上げたままの状態です。
さりげなくオイルで仕上げて、
木の質感を楽しむことも、意欲的に塗装することも、
設置場所によって楽しんでいただけます。

壁面を利用して、暮らしの中で使う道具として、
彫刻を取り入れる楽しみが生まれます。

                  甘庵


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開く曲がる動く

武井順一さんの仕事のほとんどが、
木の塊から削り出した仕事です。
その大半が、大なり小なりの身近で使える器です。

鑿(ノミ)や彫刻刀などで、削り出し、
彫りを入れて、作り出していきます。
そんな仕事から作られる器に思い浮かべる普通のイメージからは、
意外と思わせる動く納まりの器を、
武井さんは良く作ります。

大小色々な匙を作り、多彩な表情やデザインで、
いつも楽しませてくれますが、
その延長状にこのサーバーのセットがあります。

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サラダサーバー 山桜 拭き漆 12,600円
L30cm


一見は普通のサラダサーバーに見えますが、
柄の上の方をよく見て頂くと、
間接のようになっていて、
柄の頭が曲がります。

このサーバーを大きなサラダボールに添えた時に、
この柄の頭が曲がり、ボールの縁から外へ折れます。
その抵抗で、サーバーがボールの中に落ちていきません。
匙の柄が曲がるという遊び心から生まれた、
使えるディテールです。

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パン皿 朴+マユミ 拭き漆 15,750円
W42cmD17.5cmH1.5cm


この美しい楕円皿の片側には、
木の輪が、木の支持部品で動くように付いています。
これ自体は別になくても、問題無く使える器です。
でも、このアクセントになる輪が、
この皿を愛嬌のある、遊びを生み出す器にしています。

でも、細い木の輪は持ったり、
掛けたりするときの荷重に耐えなければなりません。
そのために、支持部品と輪は、
皿の部分とは違う、粘りのある材種のマユミを使っています。

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シュガーポット・スプーン 桂 拭き漆 15,750円
W7cmD9cmH8.5cm
スプーン:L12cm


シュガーポットです。
匙が横置きになっています。
柄の方にも小さなふくらみがあって、
蓋を開けないと抜けません。
木で作られた蝶番は、
適当な抵抗があって、
蓋が随時のところでとまります。
シュガーポット

サーバーもパン皿もシュガーポットも、
作る面倒や手間とかという、
計算からうまれたのではなく、
作り手武井さんの暮らしの姿勢を伺わせる、
遊び心から生まれた、楽しいデザインの器です。

             甘庵


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クルミとウォールナット

武井順一さんが、よく彫り出す文様に、
薊文(あざみ・もん)があります。
生まれ育った軽井沢高原できっとよく目にしていたのでしょう。
今にもちくちくしそうな元気な薊が、
生き生きと彫られています。

それなのに、器として使うときに、
決して邪魔にはなりません。
器に四季や自然を写し取り、
暮らしに広がりを持たせるのは、
心豊かな生き方があってこそ生まれ、
様式や文様となります。

身近で使う器にこそ、
手間を加えて刻み込み彫りあげた文様が、
食べるという毎日の行動を、
単なるエネルギー補給ではない、
和み、心にも糧となる時空を与えてくれます。

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薊紋六角皿  クルミ 拭き漆  12,600円
径16.8cmH1.8cm


菓子皿や取り皿に程よい大きさの、
クルミ材の六角皿には、
一葉一輪の薊が高原の小径からトリミングされ、
今にもそよぐ風に揺れそうです。

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薊紋皿 ウォールナット 拭き漆   14,700円
W27.3cmD18cmH2cm


楕円に木取られたウォールナット材の皿には、
デフォルメされた薊が、縁に動きのある文様に仕上がっています。
盛りつけられたときに、料理が映えて、
広がりを生みだす、デザインです。

和のクルミと洋のウォールナットは、
同じといっても良い材種でありながらも、
育つ環境で木肌も、質感も異なります。
武井さんが、それぞれの木と会話して、
特徴や気配を上手く活かして、
それぞれの皿が生まれて来たと、
ぼくは、感じとれました。

           甘庵

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無駄が省かれたフォルム

昨日ご紹介した武井順一さんの、
木の葉の姿を写しとった皿とは対称的な仕事の、
機能美といって良いような、
無駄が省かれた美しいフォルムの片口をご紹介します。

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片口(大)山桜 拭き漆  63,000円
W37cmD17cmH13cm

今回の片口の中では一番大きなもので、
実際に手に取ると、ずしりとしたボリューム感で、
注ぐときには、両手でもゆっくりと注ぐ重量です。

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片口 山桜 拭き漆 15,750円
W14.5cmD12.5cmH6.2cm

こちらが一番小さな片口で、
ころんとして丸みは、心地良い掌で、
一人ゆっくり酒を楽しむ時に、
この片口そのものが肴になるでしょう。

takei975.jpg
片口 山桜 拭き漆  29,400
W26.5cmD133cmH7.3cm

一番目の大きな片口の相似形です。
一合五勺ほど入る大きさも程よく、
使い頃の片口かと思います。
器として盛りつけても、
花器やしつらえの器にも、
口の長い美しい形フォルムは、
楽しい演出になることでしょう。

ご紹介するいずれの片口も、
塊の木から削りだされた、
力強い、無駄のない流れるようなフォルムが、
気持ちの良い見事な仕事です。

           甘庵


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吹き寄せ

武井さんの仕事の中で、
ご自身が彫る楽しさを一番味わったように見えるのは、
葉そのものの、葉皿です。

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楓葉皿 欅 拭き漆 5,250円
W15cmD14cmH1.7cm


北の方から早めの紅葉のたよりが聞こえて来る季節になりました。
これは、大きいから紅葉ではなく楓ですね。
お菓子も似合いますが、お料理にも楽しく使えます。

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楢葉皿 欅 拭き漆 6,300円
W25cmD13cmH2cm


材はどの葉皿も欅なのですが、
それぞれの葉の特徴を、そのまんま生き写し・・・。
いや、きちんと描写されていて、
風に吹かれて舞い落ちて来たばかりようです。

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栗葉皿 欅 拭き漆 7,350円
W24.5cmD7.2cmH2cm


栗の葉は落ちると、乾燥で葉の先や脇が、
縮まって、くるくるっと巻いてきます。
この皿も巻きはじめの様子が見えてきています。

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楢葉皿 大 欅 拭き漆 12,600円
W28cmD13.5cmH2.1cm


これは実物よりは大きくつくられていますが、
生き生きした表現はそのままで、
干菓子など盛って使いたい、楽しい器です。

それぞれの葉を一葉ずつ揃えてみれば、
まさに秋たけなわ、「吹き寄せ」の様です。
 
               甘庵


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秋らしい器が届きました

今日から武井順一さんの個展がはじまりました。
前回の太田さんの漆器展に続いて木で作られた器ですが、
太田さんの器とはまた違った木の器です。
木の肌がそのまま見える器なので、
サブタイトル通りに、木との会話が聞こえてきます。

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山桜、欅、朴、栗、楢、桂、ウールナットなど、
材種もいろいろで、それぞれの、木目や色合いの、
個性を語ってくれています。

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茶托や片口やぐい呑みのように日常の器もあれば、
靴べら、シュガーポット、帽子掛け、手鏡など、
暮らしのなかに積極的に取り入れることで楽しむ器まで、
並んでいる器のバリエーションも色々です。

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会期中の前半と、後半には作り手の武井さんが、
銀花にいてくれます。
木にふれあうことを、楽しんでいる武井さんとの会話は、
森のなかで、流れてくる、優しい気配に似ていますよ。
ぜひ、体験してみてください。

              甘庵


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茶托と名のってますが

太田修嗣さんの漆器展も今日までとなりました。
今回の作品も、どれをとっても、
使うための漆器として、使いやすく、丈夫で、心地良い器です。

やきものの器やガラスの器と同じように、
今の暮らしのなかで使うために、
使い方も自由ですし、汎用や多目的にすることも、
使い手の思い一つで、広がる器ばかりです。

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茶托 ケヤキ 6300円@
径15cm 高さ3cm


oota891.jpg
面取り茶托 沢栗 6300円@
径15.5cm 高さ2.7cm


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鉢茶托 キハダ 6300円@
径14~13.5cm 高さ4cm


今回届いている三種の茶托も、
名前こそ茶托ですが、客茶碗をちんまり乗せるだけではなく、
皿であり鉢であり、ソーサーであり、プレートでありボウルです。
名前からの概念に縛られることなく、
使いたいイメージを広げていくことで、
実に愉しい器です。

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また、木地の質感を活かすために、
汚れにくいようにするために、
洗いやすいためにと、
日々頻繁に使っていくために、
丈夫にするために、合成塗料ではなく、
漆をしっかり塗ってあります。
(染みこませたという方が、ぼくの感覚なのですが)

漆器は本来、使うために丈夫にするために、
他の塗料より優れた漆を塗ったという、
原点を感じ取っていただけるには、
もってこいの器です。
 
            甘庵


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楢の俎板皿

挽きものの椀や鉢の柔らかく優しい漆器は、
木地つくりから全てを手がける、
太田修嗣さんならではの仕事ですが、
指物や、今日ご紹介する彫りの仕事も、
使うと料理が映える、魅力的な漆器です。

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俎板皿 楢 8400円@
W30cm D11cm 高さ1.5cm


楢は、オークといわれ、家具や樽にも使われる、
質実剛健な木材です。
ぼくらの時代だと、学校の机や椅子にも使われていました。

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この楢の質感をよく引き出して、
使ってみたい俎板皿に仕上げてあります。
表は、削られる音が聞こえそうな刃の後が、
少し巾を変えていて、そそられる心地よさです。

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裏は、端部に脚になるように、
板厚を数ミリ残して、それ以外を、
表とリンクする表情に削られています。
シンプルなデザインですが、
重量感と存在感を感じる、
趣のある俎板皿に出来上がっています。

秋の味覚を盛られた様子が想像でき、
食欲が刺激されます・・・甘庵だけですか~。

             甘庵

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時空を生み出す器

敷折やお盆は、畳や板の間で卓やテーブルを使わず、
飲食をするときに、器をしつらえて、
一人分の時空を作ったり、
もてなす時の心配りとして、広く使われて来ました。

少しリッチな気配にしたり、貴人をもてなすときには、
板状の形状の敷折やお盆に足を付けた膳が用いられました。

今日ご紹介するのは、
その中間的であり、趣味的であり、
嗜好的な使い方にぴったりの器です。

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朱三脚盤 鬼ぐるみ 31500円
径28.5cm 高さ3.5cm


厚めの板から削りだし、
上は、一六角形のお盆仕上げ、
下は、三つの脚を削り出して、
盆よりすこし浮いた感じで、
器を置く面に、高さがあります。

もうすぐ十三夜、栗名月ですね。
月を愛でながら一献傾けるのも愉しみでは。

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心静かにお茶を愉しむのもよろしいですね。
花を活ける台にしても素敵でしょうし。
そのままお料理を盛って晴れの器としても良いですし、
コンポートとしても素敵ですよ。

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削り出した足も力強い造形で、美しいんです。
いろいろ使って楽しんでこそ、器は生きてきます。
だからこそ、イメージの広がる器を選らび、
器にイメージを即発されながら、
暮らしの中でいろいろ使い、
元を取れるように、楽しみたいですね。

              甘庵


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漆器デビューにぴったりな器

「漆器は素敵」と仰いながらも、
あとに「なんだけど~」が付き、
さらに「高いし~」や「手入れが~」とか、
「剥げたり~」などと、誤解の塊から、
使っていらっしゃらない方が多いのは残念ですね。

しっかり作った漆器を使ってもらえば、
(本当はしっかり作ったものが当たり前なんですけど・・・)
簡単に解ける誤解なのですが、
その入り口が誤解などから、とっかかりが無く、
うつわ屋としては、大変寂しく思っています。

手間がそのままクオリティに反映する漆器は、
手間を省けない仕事です。
そのために、時間×人件費の結果の絶対値の価格が、
他の器の価格と比べて、高価に感じられてしまうのは、
よくわかるのですが、
それでも、若い工芸ファン、器好きの方には、
是非とも、漆器はつかっていただきたいです。

そのためにには、しっかり作られた漆器を選ぶこと、
信頼出来るお店や、作り手を選べば大丈夫です。
それが問題ですよね。
でも、いえるのは、はっきりとお話しになる、
答えてくれるところなら、きっと間違いないのではないでしょうか。

さて、今日はこのテーマに沿って、
ぼくからお薦めの漆器で、漆器デビューの後押しをしたいと思います。
太田修嗣さんの漆器は、どれをとっても、使いやすく、
自信をもってお薦めできますが、
今回の個展の中に、入門の漆器として特にお薦め出来る器があったので、
ご紹介してみます。

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根来小椀 楓 12600円@
径12~11.6cm 高さ5.8cm
程よく入れて容積200ccほど


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高台が碁笥高台(ごけこうだい)で、
見えがかりよりは容積があり、
小振りの椀ほどの1カップ入ります。
高台がないので、小鉢のようにも使えます。
いわば、ソバチョコみたいな多目的な器です。

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ちょっとお味噌汁も、
ちょっと総菜も、
ちょっと取り鉢にもと、
いろいろつかれば、早く元がとれます。
縁には麻布が貼られて、
丈夫にするとともに、
根来の力強い意匠に仕上げています。

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また、大切な点ですが、この仕事でこの価格も、
お薦めできる大きなポイントです。

身近に手仕事の陶器やせっ器や吹きガラスをお使いなら、
大人しい漆器だと、取り合わせた時に、浮いた感じがしませんか。
手仕事の器が好きなぼくは、横木で挽かれてすこし歪みを楽しめて、
塗り立てで、使うのに神経質にならずにすむ仕上げの漆器を選びました。
太田修嗣さんの漆器は、まさにぴったりだったわけです。

漆器デビューを考えている器好きな皆様に、
気軽に、身近に漆器を使い、その良さを感じとってもらうために、
ぜひ、使ってもらいたい、お薦めできる器です。

               甘庵


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開ける楽しみ

太田修嗣さんが、ロクロ挽きや穿ったりして、
塗り仕事の前の木地もご自分でなっさっていることは、
今までのブログでもご紹介したので、
ご承知の方も多いとおもいます。

歪んだ椀の温かな造形美を、
「木の力を借りて・・・」と、
太田さんは表現されています。

反面、指物は生きている木の動きを、
読み取りながら、加工し、組み立てて、
木地を作りあげます。
デザインは、使い方や使いやすさなどの、
使い手の使い勝手を納めただけではなく、
しっかりと太田さんらしさが、刻まれています。
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沢栗へぎ箱 沢栗 84000円
W24 D11cm 高さ8cm


使いごろの大きさで、
さりげないプロポーションのこの箱には、
沢栗の素材を活かして、
鉋掛けの板面ではなく、
剥ぐ(へぐ:繊維に沿って割ったり裂いたりすること)ことで、
栗のやんちゃな素材感を引き出しています。

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楕円朱三段重箱 檜麻布 189000円 
W26~19cm 高さ19.7cm


こちらの重箱は、へぎ箱とは対称的に、
檜の素材を活かして、
素直に上品にまとまったデザインで、
気品と品格を漂わせています。
曲げて加工できる粘りのある檜の板で、
優雅な楕円形を生み出しています。

指物でもそれぞれの素材感を、
活かし引きだして作くられていて、
開けるのが楽しみになるところが、
太田さんの器の魅力です。

          甘庵

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