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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

困る質問その2 何に使うんですか?

お客さまから、「これは何に使うんですか?」と、
聞かれたると、甘庵いつも困惑してしまいます。
優しさがないのかついそっけなく「なんでもお使いください」と。

09spring836.jpg
角掛政志
深鉢 2,940円 径13.5cmH8.5cm


でも、本当にお求めになった方の、
自由にお使い頂いていいんです。
使いにくければ、それは無理な使い方なんでしょう。
逆に、ちょっと無理でも格好良いからいいか~とか、
そんな大らかな判断もお客さま次第です。

09spring837.jpg
巳亦敬一
左:台付ボール代 11550円φ20.5cmH8.5cm
中:片口ボールベージュ 8610円 W18cmD15cmH10cm
右:片口台付ボール赤巻茶 4567円W15cmD12.5cmH9cm


目的が絞られてつくられていて、あまり一般的でないものに、
同じ質問があるときには、
もちろんすんなりお答えできます。
たとえば、水滴(水注)など。
*水滴というのは、硯などに落とす水を入れる器です。

カップや、鉢や、碗や、ボールなどの表記は、
作り手も、名前にこだわることなく、
いろいろ使って欲しいと望んでいるからこそ、
ちょっと曖昧な、広い意味を持つ器の名前を選らんだりします。

09spring855.jpg
鶴見宗次
カップ 2,625円 径9cm 高さ8cm


お気に入りの器なら、
色々使いたくなることでしょう。
色々試して、発見や学習から、
お客さまそれぞれに都合のよい使い方を見つけて、
たくさん使っていただければ、
早く元がとれ、器の表情の良くなり、
器が活き活きすることでしょう。

古い言葉ですが、「見立て=あるものをそれに似た別ももので示す」。
うつわへの遊び心を、持ってみるのはなかなか楽しいですよ。

              甘庵


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困る質問その1 何焼ですか?

何焼ですか?と問い合わせいただくと、
甘庵はいつも言葉を選びながらお答えしています。

それは正解があるようでないからと、
そういう質問を頂くときには、
○○焼ですと、答えるだとうと考えていらしゃるので、
そう答えないことを理解いただくのに、
時間がかかります。

09katodbn481.jpg
加藤財
焼しめ土瓶 15,750円 600ccほど


それでも、答えておくときには、
どこで焼いているかに近い質問と解釈して、
加藤財さんなら、千葉で焼いています。
藤田佳三さんなら、京都で焼いています。
鶴見宗次さんなら、愛知県常滑で焼いています。
と言う感じでお答えしています。

09spring809_20090330150802.jpg
藤田佳三
紅安南7寸鉢 15,750円 径20H5.7cm


だからといって、藤田さんが京焼かというと、
それは違います。
土の調合に常滑の土をいれている鶴見さんはあるセミ常滑焼かも・・・。

09spring859.jpg
鶴見宗次
手ひねり小皿 2,100円 径13.5cm 高さ3.5cm


古い時代に、国焼といって、
各地で焼きものができはじめた事もありました。
茶室のなかで「お焼は?」などという問答のときに、
備前、伊賀、瀬戸、常滑などと、答えた歴史ができました。
備前などは、いまだ備前近辺の土で昔ながらの手法で焼いているので、
イメージがずれることないので、そのまま答えられますが、
瀬戸となると、あまりにイメージする手法や表情があって、
漠然としていまします。

志野や、織部や、黄瀬戸などと絞った答えのほうが、
イメージがはっきりします。

同じように、産地ではなく、
粉引、染め付け、炭化焼しめなどと、
答えたほうが、少しやきものの知識と持ってくると、
器のイメージが浮かびやすくなります。
安南のようの、元のベトナムという意味ではなく、
今は手法としてとらえられています。

荻窪銀花での表記は、
この考え方でお伝えしています。

イメージが湧く手法や説明と形を名称にして、
作り手の名前と価格を表示しています。

           甘庵


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ガラスの表情それぞれ

荻窪銀花の定番のガラスの顔といえば、
透明感とアワの煌めく荒川尚也さんや、
不透明で柔らかな彩りの巳亦敬一さんや、
どこか懐かしくレトロな西川孝次さんです。

09spring867.jpg
荒川尚也
左:アワグラスB 2,520円
径7cm 高さ10.5cm
右:アワグラスA 2,625円
径9cm 高さ12.5cm


それぞれに、個性あるガラスの素地は、
作り手の好みで、選んだり、
調合して使っています。

09spring832.jpg
巳亦敬一
台付楕円ボール小 3412円
W11.8cmD11cmH6.7cm


それぞれの好みの素地を使い、
それぞれの感性で吹き出したガラスは、
より個性的になり、魅力的になっています。

09spring824.jpg
西川孝次
赤巻きアワ小鉢 3,150円
青巻きアワ入り深鉢 9,975円


ただ、それぞれの器に共通していることもあります。
使いやすく、料理や飲み物を美味しくいただける点には
回答が違っても、正解を導きだしているので、
使う側として、選ぶ楽しさに溢れています。

            甘庵

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お話し会Q&A その6

今日も引き続き、手仕事の器へのQ&Aを、
ご紹介します。
Q:やきものに黒いシミが出来てしまった。使い方が悪いのですか?
A:使い方と、うつわの問題が考えられます。

器のなかでも土もの(陶器やせっ器)は、
使い出す前に、水(お湯でも)で、ホコリ等をさっと流して、
そのまま、全体が浸かるようにして、
数時間(出来れば一晩)水に浸けて、十分に水分を染みこませてください。
また、使う前には、さっとでいいので水や湯につけることを、
習慣づけてください。

09spring853.jpg
鶴見宗次 ソバチョコ 2,100円 径8.5cm 高さ6cm
角掛政志 粉引ポット 10,500円 径12.8cmH10cm(ハンドル)
8.5cm(本体)


シミが出来たと相談と受けるやきもので多いのが、粉引です。
粉引は素地の上、釉薬の下に、化粧土を施してあり、
長く使うことで表情が侘びていくところを楽しむために、
あえて手のかかる、化粧土をかけています。

いつまでも白いやきものをご希望のときには、
白い磁器土や、白い釉薬を施して器を手にいれてください。
使うことで変わることが少ないく、
手間もかかりません。

粉引などの陶器は、少しずつ変わる様を楽しめます。
そのために、使う前に湯や水につけることを、
ぜひなさったください。
そうすることで、急激な汚れや、
匂いがつくのを、緩和することが出来ます。

09spring849.jpg
角掛政志 粉引鉢 7,140円 径25.5cmH7.5cm

時たま本やWEBの情報に、
「汚れないために、小麦粉でなどの澱粉質を入れて煮る」というのを、
見かけますが・・・個人的には感心しません。
そのしみ込んだ澱粉は、どうなるのかな~と。
しっかり焼いているものを選べば、
その必要はないはずです。
通常のやきものは、1250℃前後でしっかり焼いていますので、
煮てどうなることはないですが、
丈夫になることも、決してないです。
滅菌消毒にはなりますが・・骨董ではないので。
「やきもの」ですので、いまから「にもの」にしなくても、
よいのではないかと、ブログでもいつも噛み付いています。

09spring842.jpg
藤田佳三 粉引コーヒーカップ 4,725円
カップ径8.5cmH7.5cm サーサー径15cmH3cm


茶道で、茶碗を暖め、湯をしみ込ませるも、
目の前のお客さまにお茶を美味しくということだけでなく、
少しずつ侘びさせていくためであって、
数年後、数十年後、数百年後に、
その茶碗でお茶を飲む人のための思いやりです。

                 甘庵

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お話し会Q&A その5

今日も引き続き、手仕事の器へのQ&Aを、
ご紹介します。
Q:漆器の使い方と洗い方は?
A:やきものやガラスを基本は同じです。
漆器は木の素地に使いやすくするために、
漆をなんども塗って仕上げてあります。

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素地が木ですから、断熱性能が良く、
暖かい料理が冷めにくい器です。
当然熱い液体にも十分耐えられる器だからこそです。

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漆器は、塗装してある器です。
塗装は樹脂ですから、堅いものが苦手です。
箸の文化での器ですので、
金属のナイフやフォークやスプーンは避けましょう。
洗うときには柔らかいスポンジに中性洗剤で洗い、
良くすすぎ、水切り籠などに入れず、
タオルや柔らかいリネンで拭き上げてください。
やきものの高台などはとても堅いので、
傷が付く原因になります。

*洗うスポンジ等は、ご自分の手の甲を擦って、
痛くないようなものを使ってください。

oota853.jpg

食洗機は避けたほうが良いでしょう。
もちろん、電子レンジもオーブンも、
中身が木なのでいれないでください。

漆器の選び方の目安をいくつかあげてみます。
売り場で匂うものは避けた方が良いと思います。
漆器は塗料です。
乾いた状態で、販売しますので、
塗り立てでなければ、そんなに匂うことはありません。
作り手などがはっきりしていること、
一生懸命に作りあげても、使っている事故があるかもしれません。
(ちょっと傷つけてしまった・落としてチップしてしまった)
状況によっては、修理ができます。
もちろん、手間分の代金が必要です。
そのときに、作り手に直していただくのが一番です。
そのために作り手がわかっている出会いをしてください。
  
             甘庵

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お話し会Q&A その4

今日も引き続き、手仕事の器へのQ&Aを、
ご紹介します。
Q:食器洗浄機・乾燥機は使用できるか?
A:一部の器をのぞいて使用できます。

しっかり焼いている器は、
量産でも、手で作られたものでも、
使い方も洗い方も同じです。
食洗機の性能は大変良くなって使い方を把握していれば、
大変便利で、また綺麗に洗いあがります。

09spring822.jpg

はじめに、避けたい器についてお話しします。
漆器や、上絵(赤絵や金銀彩)の施された器、クリスタルガラスなどは、
避けましょう。
食洗機用の洗剤には、研磨材や漂白材が入っている洗剤などがあるので、
漆器や上絵の器やクリスタルガラスや銀器などは、
表面がすれたり、細かい傷や、曇りになることがあります。

09spring823.jpg

相当な水圧で洗うので、
微細は装飾があったり、小さなものは、
飛んで破損する可能性があるので、
その当たりは、お使いの食洗機の取説を参考にしてみてください。

といいながらも、
普段の皿や、飯碗や、コップや、マグや湯のみは、
食洗機でも、乾燥器でも使っていただいてOKですよ。

09spring854.jpg

食器の洗い方は、暮らし方のとらえ方ですので、
回答は色々だと思います。
手洗いでも、食洗機や乾燥器でも、
それぞれの方法で、丁寧に洗い良くすすぎ、汚れは取りましょう。
しっかり拭いて、乾かしてから、しまいましょう。

              甘庵

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お話し会Q&A その3

今日も、Eさんの質問から、
お話ししてみます。
Q:うつわにカビは生える?生えない為の対処法、生えた時の対処法
A:しっかり焼き行っていればカビません。


とはいえ、理屈的に、栄養があり、温度があって、水分があれば、
器と言うより、残留物にカビが生えます。
つまり、長く仕舞まったりするときに気を付けることです。

09spring810.jpg

しっかり洗う。よく乾燥させる(表面が乾いても吸水性のある器は数日乾燥が必要)。
とはいえ、お茶道具や、楽焼きなどでは、そういう管理が必要ですが、
通常の食器として、ちゃんと洗って使っていてカビたら、
怒って良いのではないでしょうか。

09spring857.jpg

食べ残しでもおいてそのままとかでないと、
カビないとおもうんですが~。
でも、もしもカビが生えたら、きっとまた生えるかもしれませんね。
多分それは、しっかり焼ききっていないからだと思います。

09spring818.jpg

カビてしまった器の対処法ですが、
焼き直すことで、元にはもどりますが、
それもなかなか難しいことです。
家庭で出来ることとしては、
洗剤で良く洗いすすぎ、漂白材入りの水につけてみる。
塩素を抜くために、その後によく水洗いしてから、しばらく日に干す。
このぐらいの方法しか思い当たりません。

焼き切ってやきものを選択することが、
ベストな方法だと思います。
うつわ屋として特にこの点はとても大切だと思っています。
荻窪銀花としては「焼き切ったうつわ」の品揃えを、
常に意識しております。
      
      
                甘庵

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お話し会Q&A その2

今日は洗い方への質問をお答えします。
洗剤と漂白材の使い方を、よく聞かれます。
順番に答えてみます。

A-2:洗剤や漂白材の使い方は?
Q-2:原則としてどちらも使えます。

漆器に関しては、別の項目で答えさせていただくことにして、
ここでは、やきものや、ガラスの器についてお答えします。
やきものの内、石もの(磁器)やガラスは、
通常のスポンジなどを使い、特別堅いもので洗わなければ、
食器用洗剤で洗っていただいて結構です。
磨き粉が入っているものは、
細かく堅い粒子で研磨することを頭において、
そのリスクを承知の上で使えば、
時に有効なこともありますが、
使わないのが悩まない方法かもしれません。

09spring811.jpg

土もの(陶器・せっ器)も、洗剤で洗ってください。
ただ、磁器に比べて素地に染みこみやすいかったり、
表面が粗い分、残留しやすいこともあるので、
良く濯ぐことは、意識してください。
同じ理屈から漂白材は、それで必要な時だけにすることをお薦めします。

09spring820.jpg

陶器のなかで粉引のように、
湯茶などで少しずつ変わる様を、
侘び寂びを楽しむ意識で使っていただければ、
漂白材は観念としては出てきません。
この点はお好みなのですが、
漂白材を使って、器を綺麗にしておきたいイメージの方は、
身の回りの器は、磁器を中心に揃えられ、
土ものを混ぜたいときには、
濃い色の釉薬や、釉薬のたっぷりかかったせっ器を、
選ぶようにしたいただくと良いと思います。

               甘庵

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お話し会Q&A その1

3/15のブログでご紹介した、Eさんの質問を参考にして、
「春のしつらえ と お話し会」のネタにさせていただいています。
ブログの読者の皆様へも、
そのお話を少しずつさせたいただきます。

今日は、A-1:オーブンや電子レンジで使用は大丈夫か?
を答えさせていただきます。
Q-1:どちらも大丈夫です。
一部の除いてしっかり焼いてある「やきもの」なら基本的にどちらも大丈夫です。

まず、避けた方がいい器から、お話しします。
オーブンでも電子レンジでも、骨董だったり、
大切なものはさけましょう。
抹茶碗などにある楽焼きなど、特別な焼きものも避けてください。
電子レンジには、金彩や銀彩のあるものは、
入れてはいけません。
レンジのなかに雷がはしりますよ。
最悪レンジが壊れます。

09spring808.jpg
角掛政志粉引鉢 3,675円 径16.5cmH6cm

それ以外は、入れても大丈夫。
というか、しっかり焼ききった器を選びましょう。
まぁーこれは、うつわ屋さんの品揃えにもよるので、
信頼のおけるお店で、選らんでいただければ、
大丈夫だと思います。
荻窪銀花では、食器として提供しているものは、
焼き切っているものを選らんでおりますので、
オーブンでも電子レンジでも性能的には、
使っていただいてOKとお答えしております。

ただ、陶器でもせっ器でも、
土ものは、オーブンなどで焦げが着いたり、
匂いが付いたりすることもあります。
ごしごし洗えば、おおよそは落ちますが、
使う事で変わって行く、侘び寂を好まない方には、
不向きかもしれませんね。

09spring812.jpg
小野寺友子
左:粉引飯碗 2,625円 径12.5H5.5cm
右:灰釉飯碗 2,100円 径11H4.5cm

近年のおそば屋さんで、鍋焼きうどんを頼むと、
長途半端な汚れの土鍋ですが、
昔の鍋焼きうどんの土鍋は、土鍋自体に貫禄があって、
それ自体が美味しさの調味料だった気がします。

そこまでは行かなくても、
使う事で変わって行く表情を、
楽しめる気持ちで器を選らんでいただければと思います。

もちろん、磁器の器でしたら、
レンジでもオーブンでも、
ガンガン使って頂いても、
素地に染みこむ事がないので、
基本的に変わる事はありません。
同じ表情を望む方には、磁器をお薦めします。

09spring834.jpg
小野寺友子
粉引6寸皿 2,940円 径18.3H2.5cm
粉引7寸皿 3,579円 径21.2H2.7cm
粉引8寸皿 4,200円 径24.5H3.5cm


最後に、土もの(陶器、せっ器)でも石もの(磁器)でも、
熱いうちに急冷することは、絶対にさけてください。
熱い状態で濡れ布巾でつかんだり、
濡れたところで置くことで、
「ビッシ」とヒビが入る危険があります。
ご注意を!!

しっかり焼ききった器でしたら、
1200度以上で焼かれたのですから、
200度前後の温度には十分耐えられます。
あとは、お持ちの器それぞれの特徴をつかんで、
判断してください。

                 甘庵

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人気ブログで紹介された器たち

料理ブログでは飛び抜けの人気ブログの、
よめ膳@YOMEレシピで大井純子さんが、
銀花で出会った、とても素敵に使ってくれていて、
お問い合せが多いそうです。
昨日のブログで問い合わせの多い器をご紹介していて、
荻窪銀花の器も、たくさん並んでいました。
ありがとう、大井さん!!

大井さんがご紹介してくださっている器は、
個展のときに一期一会で出会ったものや、
常設品など色々ですが、正確には全て一つずつの器です。
だからこそ魅力的な手仕事であることをご理解いただいて、
器との出会いを楽しんでいただければと願っております。

というわけで、同じものや、同じ作り手が作った器を、
開催中の「春のしつらえ と お話し会」や、
常設にいっぱい並んでいまので、
ご紹介してみます。

09spring865.jpg
巳亦敬一さんの器の一部です。
他にもいろいろ在庫あります。
今年の個展は5/15~6/1の予定です。

09spring867.jpg
荒川尚也さんのコップ2種です。
他にもいろいろ在庫があります。
今年の個展は、7/17~28の予定です。

09spring871.jpg
藤田佳三さんの器です。
赤絵はありませんが、他にも在庫がございます。
今年の個展は、10/9~20の予定で進めています。

09spring870.jpg
光藤佐さんの器も、在庫があります。
巡回展で現在は、宮城県の「藍學舎」さんで開催中です。
今年の個展は1月に開催しました。
来年も1月に開催の予定です。

09spring869.jpg
中條正康さんの器も、少しですが在庫あります。
今年は個展があります。12/4~15を予定しています。

09spring868.jpg
角掛政志さんの器も「春のしつらえ と お話し会」に、
いろいろ展示中です。
個展は来年の予定になります。

09spring866.jpg
鶴見宗次さんの器も色々在庫があります。
山梨都留市「もえぎ」さんで巡回展も開催しています。

画像は一部の器です。
使う目的あわせて、自分の器との出会いをしてください。

                   甘庵

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石もの(磁器)

昨日に続いてやきものの分類のお話しです。
やきものは大まかにわけると、
まず、土もの(陶器とせっ器)と石もの(磁器)に分けられます。
このうち土ものについては、昨日お話ししました。
今日は石もの(磁器)についてです。

磁器が日本で作られ始められたころは、
苦労と苦心の繰り返しで、
なかなか白い澄んだ磁器が作れなかったようですが、
良い材料の発見が九州圏での磁器の発達になったそうです。
石を粉にしたものを主体にした素地なので、
石ものと呼ばれました。

09spring733.jpg

掘り出される材料によって、
素地の色や表情が違うのは土ものと同じです。
現在は世界各地からの材料を、
ブレンドして、様々な表情の磁器が作られています。

磁器の素地には、吸水性がないで、
汚れが染みこまず、丈夫で使いやすい器として、
発展していきました。

見分け方として、光かざすと光が透ける特徴があります。
密度のつまった素地なので、金属質な音がします。
素地がガラスに近い性質を持っているので、
ガラス質の釉薬と、膨張係数が近く、
焼けて冷める時の縮みしろに差がなく、
通常は、貫入(釉薬に入る細かなクラック)が入ることがありません。
染め付けや、白磁や青磁などが、磁器です。

09spring726.jpg

やきものの分類は、境目が曖昧なので、
大まかな感じでつかんで置いていただければ十分です。
それだけで、使うときに役立つ知識です。
土もの(特に陶器)は、素地に染みこみやすいので、
使う前に、湯や水にくぐらすことで、
染みや匂いが付きにくく、洗うのもらくです。
それでも、少しずつ侘びていくところが、
陶器の美しさで魅力です。

一方に磁器は、これも湯や水にくぐらせた方が、
料理にあわせて、器を暖めたり冷やしたりですますし、
少しですが、やはり洗うのが楽になります。
ただ、匂いや色が染みこむことはありません。

せっ器の性能は、二つの中間と思ってください。

こんなおおざっぱな、とらえ方でも、
器の扱いかたや、使いかたに、役立つ基本の知識ですので、
憶えておいてください。

               甘庵

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土もの(陶器とせっ器)

荻窪銀花での今日からの企画の、
春のしつらえ と お話し会 がはじまりました。

使いやすい日常のうつわも、
しつらえ方で少し違ってみえればと、
組み合わせたりしています。

また、使い方のイメージが湧く参考になればと、
レイアウトをしたりして、
楽しみました。

会期中には、うつわへの疑問や質問に、
お答えしてお役にたてればと、
お話し会としました。
話のきっかけや、具体的な回答や質問になる、
セッティングもしてみました。

たとえば、やきものを大まかに分類すると、
素地の粘土が、掘ってでたものを、
調整してつくる土ものと、
石を粉にして調整して作ったもので作る、
石もの二つにわける事ができます。

09spring809.jpg
紅安南7寸鉢 15750円 径20H5.7cm

今日は、この「土もの」のお話し。
土ものを、もう少し細かく分けると、
土ものは、陶器とせっ器の二種類に分類できます。

陶器は素地に吸水性があって、
使うことで、貫入(釉薬にある細かなクラック)に、
浮かび上がって来たり、
侘び寂を楽しめるやきものです。

せっ器は、素地に吸水性がほとんどなく、
釉薬がかかったものと、
初期の焼きものの用に無釉のものがあります。
釉薬がかかったものは、一見陶器との差がないのですが、
素地に吸水性がないので、表情が極端に変わることが少ないです。
でも、それはあくまでもしっかり焼き切られていることが、
原則です。

09spring856.jpg
ポット 9,450円 径13.3cmH10cm(ハンドル)
9.8cm(本体)


陶器とせっ器は、はっきりした境界線でわけるわけではなく、
作り手それぞれに、好みで土を配合したり、
土の持ち味を活かして焼いたりするので、
結果も当然同じには仕上がらず、
陶器とせっ器の判読は難しいところです。

それでも、土味を残しながらも、
バンバン使ってあまり表情が変わらないのを望まれるかたには、
陶器ではなく、せっ器をお薦めします。
逆に、使い込んで変わっている様を、
侘び寂として、楽しんでいただける方には、
陶器をお薦めしたいます。

そこで問題、今日の二つの画像の器は、
陶器とせっ器ですが、
さて、それぞれを判定してください。

わかりましたか?
今日は簡単でしょ。
答えは、下のランキングにクリックした後に、
もう少し下にスクロールしていただくと、
答えた出ています。

                  甘庵

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上の画像:紅安南鉢は、陶器です。
下の画像:灰釉ポットは、せっ器です。

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再びお話し会への誘い

明日から荻窪銀花ではじまる「春のしつらえ と お話し会 3月20日(金)~4月6日(月)」は、
春のしつらえを意識してレイアウトして観て頂きながら、

会期中いつでもは、お気軽にお声をかけていただければ、
店主がうつわ四方山話をさせていただきます。

09spring723.jpg

器や工芸への疑問や質問なら、
なんでもお答えさせていただきます。
どなたでも参加自由です。
渋茶に駄菓子でもつまみながら、

うつわ談義のひとときをお過ごしください。

09spring721.jpg


話題のテーマは皆様それぞれのご希望で、

進めたいと思います。
さて、何人の方がお出かけいただけるかな。

09spring720.jpg

           甘庵

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鶴見宗次巡回展

3/16まで荻窪銀花で開催していた鶴見宗次さんの個展を、
巡回展先の山梨県都留市の「もえぎ」さんへ搬入してきました。
週末から4/6まで開催いたします。

車ですと、中央道河口湖線都留ICから、10分ほどです。
手仕事の器のならぶ工芸ギャラリーで、
生活雑貨などもならびます。

桜も綺麗なところですから、
ドライブがてらや、お近くの方は是非お出かけください。

                甘庵

もえぎ
山梨県都留市上谷6-13-35
TEL:0554-43-7347

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春のしつらえとお話し会

次回の企画の「春のしつらえとお話し会」では、
しつらえのヒントやイメージをご覧にいれながら、
うつわにかかわるお話しをさせていただきたいと思っております。

09spring714.jpg

毎日つかう器ですが、
案外誤解があったり、
疑問に思っていたりしてませんか。
気軽にお尋ねください。

09spring715.jpg

また、手仕事の器が特別だと思われていたり、
おそるおそる使っていたりしていませんか?

確かに、禁じ手はありますが、
知ってさえいれば、
とっても使いやすいものです。
09spring726.jpg

皆さんの疑問は、ぼくにとっても、
大変勉強になります。
ブログにも反映させて頂きたいと思います。

そんなお話しを、いつでもさせていただきます。
ご都合のお時間に合わせてお話しします。
お気軽にお声をかけてください。

                甘庵

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手あとの美しさ

鶴見さんの器の魅力をあげるなら、
まず一番にロクロを使わないで手で生み出された、
手あとの美しい形です。

09turumi773.jpg

それはとても、有機的な表情で、
ぬくもりや柔らかさを持っていると同時に、
しっかりと焼ききったやきものとしての強さやシャープさも、
兼ね備えています。

09turumi680.jpg

世の中の厳しさから、
エコや、能率が必然とされているなかで、
エコとは言い難い部分もあり、
また生産能率は高いともいえません。

09turumi666.jpg

それでも、作り出された器を気に入ってくださる方が、
求めていただき、毎日のように使われ、
飽きることなく長く身の回りで役立って、
生産能率を使う時間や回数で割れば、
消極的ながらもエコになりますし、
それよりなにより、使うことで料理が美味しく、
食卓が和み、心がほっとする器であるからこその、
数字では表れにくい、得るものがあると確信しています。

09turumi677.jpg

それはすべて、鶴見さんの人柄を写しとれる、
手でひねりだした器を、しっかりと焼ききっているからこそなのです。

                  甘庵

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参加いただける方募集のお知らせ

荻窪銀花の次回企画展「春のしつらえ 展 3月20日(金)~4月6日(月)」は、
新作や入荷の器を中心にして、春のしつらえを意識してレイアウトしてみます。

会期中は、店主がうつわ四方山話をさせていただきますので、

お時間のある方は、いつでもお声をお掛けください。

どなたでも参加自由です。
渋茶に駄菓子でもつまみながら、
うつわ談義のひとときをお過ごしください。

話題のテーマはご希望で、
うつわに関する、疑問質問、ご意見、ご感想などで、

進めたいと思います。
09spring728.jpg

このお話し会を企画したのは、
ブログを書き始めた理由と同じです。
ぼく自身が大の器好きで、一人でも多くの仲間が増えたらと願っています。
手仕事の器に関して、もしかしたら弊害になっている、
手仕事の器への誤解や間違った情報や、
情報がきちんと伝わらなくなっていることがある気がして、
ぼくが少しでもお役にたてればと、
ブログを書き出しました。

09spring731.jpg

お話し会でもこのスタンスで進めたいと思っております。
話題として、どんなことをお伝えしたらよいかと、
考えましたが・・・どんな疑問や問題をお持ちかがわからない。
そこで、若いお客さま(お父様がぼくより年下・・・が~ん)で、
最近はメール友だちになっているEちゃんに、
「こういう会があるのだけど、Eちゃんだったら、どんなこと聞きたい?」と、
尋ねたら、ぼくにはとても参考になる質問が来たので、
それらを参考にしてお話し会の話題にしてみようと思っています。

①オーブンや電子レンジで使用は大丈夫か?

②洗剤の使い方は?(うつわ、急須など)

③漂白剤の使用は有り得ない?(湯呑み、急須など)

④初心者向けの、季節ごとに楽しむうつわの紹介(うつわの衣替えとでもいうんでしょうか…)

⑤うつわにカビは生える?生えない為の対処法、生えた時の対処法

⑥食器洗浄機・乾燥機は使用できるか?

⑦洋食には洋食器、和食には和食器を使用か?

⑧家庭で揃えるべき、うつわの紹介

⑨ヒビやかけてしまった時のメンテナンスはあるか?

大変、参考になり、
勉強になりました。
Eちゃんありがとうね。

ほかにも、どんなことでも質問してください。
ブログで書いたものを読むよりは、
はじめは、器を手にとって、話しとして聞いていただけるほうが、
きっと解決は早いかとおもいますので、
一人でもお友だちとでも、お気軽に参加してください。
少しは尋ねてくださる方がいると、いいな~。

09spring736.jpg

一人でのんびり営業しているので、
もたつきがあるかもしれませんが、
臨機応変にお答えしていきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。

            甘庵

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甘庵お薦めの器3と御礼

荻窪は久々に晴天の日曜日です。
気温もドンドン上がっています。
その分花粉も・・・。

今日は鶴見宗次さんの個展からお薦めの器3と、
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さて、今日の鶴見さんのお薦めの器はこちらです。

09turumi656_20090315112928.jpg

小皿 2,100円 径13.5cm 高さ3.5cm
定額セットでもご紹介した小皿です。
重なりもよく、手頃な大きさに加えて、
すこし深みがあるのでちょっと汁がある料理も、
盛りつけしやすく、また美しく盛れる器です。
中頃に少し盛り上げるようにすると、
もう直ぐ料金いただけそうな一品になりますよ。

09turumi779.jpg

焼しめの器に惹かれていても、
まだ手にしたことのない方には、
しっかりした手仕事しては手頃な価格で、
手に入れていただけば、日常で良くて使っていただけて、
もとも直ぐとれ、使うことで表情がドンドンよくなり、
「ああ~焼しめの器もいいものだな~」って、
きっと思っていただけること、
甘庵が請け合う、お薦めの器です。

                  甘庵

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盛り映え抜群

鶴見宗次さんの器は、焼しめのために、
盛り映えを心配するかたもおいでなので、
ここに声を大にしてお伝えします。
もの凄く盛り映えがいい器です。

09turumi702.jpg

これを画像でお伝えするには、
甘庵の料理の腕では、イメージダウンになりかねないので、
ブログから問い合わせのきっけで多い、
よめ膳@YOMEカフェの大井純子さんの、
著書でみてみたら、美味しそうな料理が一杯・・・。
いえ、鶴見さんの器を一杯使ってくれていて、
実に盛り映えの良い見本なので、
ここに羅列してみますので、
手元にあるかたは、是非見て見てください。

YOMEカフェレシピ(宝島出版)
P15:上 P25:上 P50:上 P51:上
P55:下 P73:上・下 

YOMEの楽チン☆レシピ(宝島出版)
P18:上 P26:右中・左中 P28:右上・左下
P41:上 P43:中・下 P44:左中 P53:上
P57:上・中 P57:上・中 P58:左上 P59:右上・左下
P62:下 P64:上・中 P70:

YOMEの楽チン☆レシピ2(宝島出版)
P38:右中 P69:下 P79:下 P89:上

09turumi737.jpg

と、思った以上に使ってもらっていました。
ページをめくりながら、美味しそうな方に目がいっていたので、
拾い落としがあるかもしれません。

09turumi704.jpg

色々な使い方をしてもらっているので、
きっと盛りつけの参考になるとおもいますので、
機会がある方は是非開いてみてください。
  
               甘庵

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水との相性抜群

四季のある日本では器にも四季を割り振ることがあります。
これは厳しい約束ではなく、盛りつけやしつらえを楽しむための、
共通語的だったり、もてなすためのセンスなので、
絶対でもないですし、縛られる必要はないのですが、
先人たちの、暮らしへのセンスには、
見習うべきところが多くあるので、
例にしてよくお話します。

鶴見宗次さんの器は、
灰をかけてあるのと時に自然釉がたまったりしますが、
基本的には「焼しめ」とやばれます。
土肌を残した表情は、土味を楽しめる器です。

09turumi777.jpg

この焼しめを四季に割り当てると、夏になります。
あれ、以外と思われましたか?
そうですね。土味の温かな印象からか、
秋をイメージする方が多いようです。
それも、イメージですから、間違いではないと思います。

では、なぜ夏かというと、
焼しめの器を、じっくり水につけて、
軽く拭く程度で、まだ表面が濡れたままで、
盛りつけたり、使うことで、
岩や石に水を打つことで涼感を思えるのと、
同じ感性で涼をご馳走として、もてなすそうです。

鶴見さんの器は、黒、茶のほうは、
水を打つことで、それはもうしっとり、
艶やかに、有機的なって、活き活きします。
清流の岩肌をイメージできるかも。
それは、白、緑の方でも浮かびます。
こちらは、水そのもののイメージも浮かぶところがあります。

09turumi778.jpg

これらは、ぼくの好きな妄想での遊びに近いものが・・・。
まっ、それは置いておいて・・・。

イメージで遊ぶには、遊びの投げかけを受け取る人も必要ですよね。
でも、上手くキャッチボールができれば、
これはなかなか楽しものです。
投げかける側の、イメージが多少先行していたり、片寄っていても、
受け手が、これはきっともてなしや楽しみの投げかけだと、
受け取れることが、答えの一致よりも大切なことだと思います。
気がついたことを、尋ねれば、その方が、
会話も広がり、仕掛けを二度楽しめることになるのですから。

皆様もまずは、焼しめの器に水を打って盛りつける、
遊び心を、試してみてください。

             甘庵


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大きい方が魅力的

鶴見宗次さんの個展も終盤になりました。
みぞれ模様の初日から、雨の多い会期でしたが、今日は良い天気。
といいながら、週末の予報もまた下り坂。
良い天気のうちに、是非お出かけください。

鶴見さんはロクロを使わず作り出すために、
手あとの残る器の表情がとても魅力的ですが、
これは、大きい器ほど顕著に感じ取れます。

09turumi774.jpg

大鉢も日常に使いやすい器なのですが、
もうほとんど彫刻としてとらえられるほどの、
存在感を持っています。

09turumi776.jpg

視覚で切り取った部分を、じっくり観察すればするほどに、
飽きることのない味わいが手に取れ、
違う場所に目を移せば、まるで違う発見をします。
視覚を移せる大きさがあるだけ、
違う体験の出来る器になります。

09turumi775.jpg

つまり、大鉢からは小鉢にはない感慨が受け取れます。
小鉢を大鉢の質量や面積という割合以上に、
やきものや器の美しさを、感じとれので、
実は大きい器ほど、お買い得という理屈になります・・が、
さて・・・、なかなかご理解いただけないですかね。

                  甘庵

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お知らせとお願い

企画展以外の情報とお願いのブログ記事です。
初めに巡回展のお知らせです。

09mitsufuji.jpg

YOMEカフェの大井純子さんもよく使ってくださっている、
黒釉八角鉢や粉引鉢などで人気の、
3月29日まで「光藤佐 盛り映えのする器 展」を、
宮城県加美郡加美町の藍學舎さんで開催しています。
ブログ読者でお近くの方は、
この機会に是非お出かけください。
http://rangakusha.info.co.jp/
〒981-4251
宮城県加美郡加美町字西町78
TEL:0229-63-4739
AM 10:00~PM 6:00
月曜、第4日曜日定休

さてお願いの方ですが、
ランキングアップ作戦を決行いたしますので、
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ランキングが上がれば、「どんなブログ何だろう?」と、
覗いてくださる新しい読書がふれるやもしれません。
読者が増えれば、手仕事の作り手たちの器への、
ご理解も増えるきっかけになることでしょう。
ここは、一つお手間をおかけしますが~。
ポチッと。
また、これを機会にこれからも思い出したように、
ポチッと。
よろしくお願いいたしま~す。

          甘庵


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嗜好の器

多目的な器の魅力は、
なんと言ってもいろいろ使えることで、
器選びが楽だったり、早く元が取れることですが、
そのあたりと突き詰めすぎると、
キャップセットの金属の器や、
学校や病院などや社員食堂のプラスティックの器になってしまいそう。
(いまは、やきものや土地の木の器など使うところも増えていますね)

そこまでではなくても、
応用が利く、使い回しできる器では、
味わえない器の魅力は、
嗜好の器に多く、それらは、他に使いにくかったりします。
それでも、その融通の利かないところや、
無駄というか、器を楽しむゆとりが、
心のゆとりにもつながっていると、
そう思っております。
いえ、願っておりますかな~。

鶴見宗次さんの今回の個展でも、
嗜好の器があります。
酒器です。

09turumi679.jpg
酒器 8,400円 W18cmD9cm高さ17cm

見立てで花入れなどには使えることでしょうが、
それは、器としての凛とした気品や美しい姿があってこそ。
とにもかくにも、酒器は酒器としての魅力がないと、
お話しになりません。
手でひねりだしている鶴見さんの酒器は、
まず造形がとても鶴見さんの個性が良方向に出ていて、
きっちりとした用の美とを見せてくれると同時に、
オブジェ、彫刻として楽しめるほどの、
質感、素材感、存在感を持っていると思います。


09turumi675.jpg
酒器 8,400円 W20.5cmD9.5cm高さ14cm

とはいえ、まずは酒器。
使い勝手の良さに加えて、注ぐ楽しさ、宴を華やかにする趣があり、
器好きには酒器自体が、一番の酒の肴になることでしょう。

こうした密度の高い仕事とするには、
多目的ではぞんざいしない、
目的の絞られた器だからこその仕事だと思います。

                  甘庵

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甘庵お薦めの器 2

鶴見宗次さんの器は、直球勝負ぽく感じます。
思いを込めて手だけで作り出し、
灰をかけて、ガンガン焼く。

土遊び火遊びって感じです。
そんな鶴見さんの器のなかで、
今回届いたコップは、さらにストイックなくらいに、
シンプルというか、人によったら、
色気のない、地味~な器かもしれません。

09turumi667.jpg
カップ 2,625円 径9cm 高さ8cm

でもでも、侮りがちなですが、
この器は、使い込んでいただければ、
思った以上に、お気に入りの器になってくれるという、
甘庵は予測がしています。

バシバシ日常使いにしていただければ、
水をくぐり、擦られ、じんわりと表情が変わって来るはずです。
まずしっとりとしてきて、手にかかるざらつきがなくなるはず。
続いて、色合いが落ち着き、深みのある表情になります。

09turumi681.jpg

黒や白は、スタートから、
インパクトをもっている、渋くてもいわば華がある器です。
たいして、この器には、そういうインパクトは、
一見ないのですが、底力を秘めています。

09turumi708_20090309120500.jpg

ただの器好きオヤジに甘庵を信じてしまう、
勇気ある(奇特な)方は、
一旦だまされちゃって、是非使って見てください。
後で、必ず、「あれ~本当だった」って、
思っていただけるはずです。

               甘庵


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定額給付金セット

昨日鶴見宗次さんから電話があって、
「どうですか~」
「まぁ~ぼちぼち・・・」
などと話をはじめて、ブログを見ていてくださっていて、
「毎日ありがとうございます」と言って頂き、
「何を書いて、良さをお伝えできるかな~」というのが、
毎日の課題なんですとお話ししている内に、
世の中にあまり良いニュースないしという方向になり、
そうだ、「定額給付金分」で鶴見さんの器買ってくれれば、
ぼくらには、とても明るい話題になるね~と、
ブログで、鶴見さんの器で定額給付金セットなどを、
受け狙いで、お知らせしてみようがという話になりました。

「定額給付金」の検索にヒットして、
もしかして買ってくださる方がいるかも、
きっかけは何でも、使ってもらえば気に入ってもらえる可能性が、
とっても大ですから・・・。

というわけで、試しに組み合わせようとすると、
消費税分の600円がどうもはみ出てしまいます。
今回は、本体価格のみで計算させてください。

09turumi750.jpg
ピッチャー 7,875円 径14cm 高さ14.5cm
ソバチョコ 2,100円 2客 径8.5cm 高さ6cm


09turumi751_1.jpg
カップ 2,625円 2客 径9cm 高さ8cm
鉢 7,350円 径21cm 高さ5.5cm


09turumi752.jpg
小皿 2,100円 2客 径12cm 高さ4cm
白碗(丸)2,100円 2客 径10cm 高さ5.5cm
白片口丸 4,200円 径10.5cm 高さ8cm


09turumi753.jpg
鉢 3,150円 2客 径15cm 高さ5cm
白平碗 2,940円 径 2客13cm 高さ5.5cm


と、価格合計より、
使い勝手や、この組み合わせで欲しいと、
自分の買い物として本気で組み合わせることになっていました。
どれもなかなか良い感じなセットになりました。
いかがですか、給付された気分で先取りお買い物というのは・・・。

                     甘庵


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甘庵お薦めの器 1

鶴見宗次さんの今回の個展も、
お薦めしたい器ばかりですが、
鶴見さんデビューの方に特にお薦めなのを、
いくつかご紹介してみます。
今日はまず、5寸の小鉢です。

09turumi654.jpg
鉢 3,150円 径15cm 高さ5cm

5寸は鉢でも皿でも、一番使い頃の基本の器です。
この5寸鉢も、使いだしたら何でも使えますよ。
骨董好きなかたなら、山皿や山茶碗を連想した方も、
いらしゃらしゃったのではないでしょうか。

09turumi748.jpg
大きさを想像しやすいようにと、
DVD(CD)を入れるとこんな感じです。


少し浅めの碗型ですから、汁があっても盛りつけられ、
使う範囲を広い多目的な器です。
やきものの古い歴史の中で早くからある形です。

手ひねりなので、同じ形はないのですが、
それでもどれをとっても鶴見さんの形が、
しっかり作り出されています。

09turumi749.jpg

手の中に収まって、掌も楽しめる、
置く器であり、持っても良い器でもある、
器の基本系だと思います。

                 甘庵

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切れ抜群 2

鶴見宗次さんの片口は、
手ひねり独特の優しく暖かい姿と、
焼きし待った土肌から、
盛りつけが映えて、器ととしての人気があります。
でも、本来の目的の片口としても、
抜群の切れ味や、酒の肴になる存在感を持っているので、
左利きに方(お酒好きの意味で書きましたが、サウスポーも可)
にお薦めの片口です。

09turumi686.jpg
片口 3,150円 径10.5cm 高さ7.5cm
容積180cc


辛口甘庵(酒のほうではなく口が悪い方)が店主の荻窪銀花では、
きれ悪いと、片口型の器でも片口とは表記しません。
片口鉢(片口に姿をした鉢)としています。

09turumi684.jpg
片口 5,250円 W17cmD12cm高さ8cm
容積400cc


その点、鶴見さんのは、
盛り鉢や小鉢に使い頃の器でも片口としているのは、
どれをとっても、「すぱっ」と切れます。

09turumi737.jpg
片口 4,200円 W14cmD9.5cm高さ8.5cm
容積300cc


形大きさの好みはそれぞれですが、
やきもの好きには、片口自体が肴になり、
手酌で頂くには、実に頃合いの片口ばかりです。

             甘庵


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焼き切った土味

鶴見宗次さんの仕事がシンプルな構成とお話ししました。
だからこそ、土の調合、手ひねりで作り出すこと、
選んだ灰をかけること、そして焼くこと。
それぞれが大きな意味を持ち、
焼き上がった器にとっては、
鶴見さんとしての特徴的な要素になります。

09turumi682.jpg

その焼きですが。
これも実はシンプルであり、
だからこそ、テクニックが要求されます。

09turumi705.jpg

まずはきっちり焼き切っていることです。
黒い器で見ると、長石の粒が溶けて白くガラス質になっています。
白い器でみると、土の中の鉄分が溶けて滲みだしているのが見えることがあります。
しっかり温度を上げて、じっくり窯のなかで焼き切ってこその、
土肌の表情です。

09turumi671.jpg

また、黒い土肌や、
灰が溶けて溜まった自然釉が緑なのは、
窯の火を止めてからも、
燃料のガスを注入して、
窯の中を強還元状態でさましていくことで、
鉄分を酸化第一鉄にして黒く、
また青磁と同じ理屈で緑にしています。

09turumi701.jpg

焼き切ることは、器の仕上がりとして、
魅力的なだけではなく、
使ったときに汚れにくく、
使い込むことで少しずつ良い表情に変わるのを、
楽しめる器に焼き上がることです。

土っぽいけど、生焼けでない、
からっと焼いたやきものが、
甘庵好みのやきもので、
荻窪銀花で橋渡しする器の基本として、
お薦めしています。

            甘庵

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切れ抜群 1

お客さまのM県のTさんからお電話をいただいて、
楽しくお話ししていて、鶴見さんのピッチャーのお話をしていて、
ヒントになり、今日のブログのネタにさせていただきました。

鶴見宗次さんの作り出す片口やピチャーは、
手ひねりなので、手あとが残る、
温かみのある表情なので、
形が先行で「もしかしたら水切れが良くないのでは」と、
思われる方がおいでかもしれないので、
しっかりお伝えしておきます。
切れは抜群にいいんです。
すぱっと切れます。

切れ味の良い注ぐ物から、
きょうはピッチャーをご紹介します。

09turumi644_20090303151343.jpg
ピッチャー 7,875円 径14cm 高さ14.5cm

こちらで600ccほど入ります。
並んでいると、ペンギンさんの行進のようにも見えて、
今にも動き出しそうな気配です。

09turumi662.jpg

ピッチャー小 5,250円 径8.5cm 高さ11cm

少し小振りにしたタイプも届いています。
容積は、400ccほどです。

09turumi665.jpg

有機的で動きのある姿から、
フォルム先行とでとらえていそうですが、
注ぐことが本来の目的はぶれていません。
使っていただければ、どのピッチャーでも、
気持ちのよい切れを感じ取ってもらえます。

                 甘庵

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高台が見所

鶴見宗次さんの器は、
灰をどっぷりかけて、
しっかり焼くだけの、
シンプルなやきものですが、
釉薬と違って、焼き上がりは様々で、
窯変を楽しめます。

09turumi698.jpg

灰が溶けてたれたり、
土と反応したり、
土に染みこんだりと、
窯のなかでは、かなりアクティブな様子です。
水飴のように溶けた灰が、
冷めるとガラス質になって塊となります。

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棚板にそのまま置いてやくと、
全部棚板と一体化してしまい・・・・。
とるときに破損してしまいます。

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そこで、常滑で作陶している鶴見さんのとった方法は、
常滑の先人たちが用いた「貝高台」で対処しています。

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貝高台というのは、トチンなどといわれる、
やきものを棚板から浮かせたり、
重ね焼きのするときに、
高台などの下に入れて、
棚板などから浮かすための緩衝材で、
普通は粘土や溶けにくい砂や、素材を混ぜて作る窯道具です。

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その代わりに、貝に粘土を詰めて使ったのが、
貝高台です。

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鶴見さんの器を裏返してみると、
高台の端に、三個の「めあと」が残っています。
よく見ると、貝の文様がうつっているものがあります。
作る行程の工夫が作り出す景色を、
茶人たちが「貝高台」と呼んで、
楽しんだそうです。

                   甘庵


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