毎年、荒川尚也さんの個展がはじまると、
しっかり蒸し暑い日本の夏がやってきます。
今年もまさにそんな感じで、
それまで、少し爽やかな風を感じ羅れていたのですが、
昨日から蒸していて、今日も暑くなりそうな荻窪です。
線刻鉢 スキ 19,950円
径17cmH8.3cmこんな陽気だからこそ、
ご紹介する線刻鉢スキの、
ブラストされた肌合いは、
霜降りをイメージさせて、
見ているだけで、
涼やかな気持ちにさせてくれます。
線刻された外側のみ、ブラスト(なし地)加工されています。均一ではないのですが、
細かく刻まれた線には、
律せられた、リズミカル造形美があります。
少し歪んだ形のところも、魅力になっています。ガラスという素材のもつ、
硬質感や光を透かすという、
素材感を活かしながらも、
透明な素地そのままとは異なる、
構成は見事な仕事です。

この鉢から甘庵は、
アールデコの気配や匂いを感じています。
気品や貴族性を漂わしている、
品格のある器です。
甘庵
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涼しさを呼ぶ器展も最終日になりました。
梅雨の合間の日差しが照っていて、
湿度も少なめでなんだか気持ちの良い荻窪の朝です。
ブ山口りえ 蓮文5寸鉢 3,360円
径15cmH5.8cm今日ご紹介するのは、山口利枝さんの染め付5寸鉢です。
ボウル型の美しいフォルムをいかして、
高台は少し際のある碁笥高台にしています。

外は、素地を活かして白磁のままで、
見込みいっぱいに蓮文が描かれています。
盛りつけによって隠されていた文様が、
食べるにしたがい、図案全体がみえる構図です。

伝統的な染め付けですが、
オリジナルの文様と、シャープな姿で、
山口さんらしいフレッシュな仕上がりです。
日常で出番の多いサイズですから、
和洋中華エスニックと、
活躍してくれる5寸鉢です。
甘庵
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小野寺友子さんの白磁は、
真っ白ではなく、すこしグレーがかっています。
それは、透けるような真っ白な素地と比べると、
素地に鉄などの不純物が入っているからです。
この素地の選択もまた、
小野寺さんの器らしさになっていて、
和の仕事なのにどこかモダンな器に仕上がっています。
小野寺友子 白磁片口鉢 3,990円
左:W16cmD12cmH6.2cm
右:W15cmD11.5cmH6.3cmご紹介する和の器の片口鉢もどこか新しさがあります。
本来は片口は、酒、醤油などを注ぐための器です。
現代のようにペットボトルや瓶がないために、
移し替える道具であり、注いで使う器です。
そのための注ぎ口が、
器の姿に方向性が持たせ、
非対称形になります。
そのアシンメトリーなところが、
和のセンスに馴染み、好かれて、
道具から器になっていきました。

小野寺さんは、注ぐための片口も達者なのですが、
ご紹介しているのは、片口鉢です。
それでも、酒飲みなどには、
肴になる、そそられる姿です。
注げないことはないのですが、
盛りつけ、盛り映えを第一にしているので、
口の位置などが低く付いていて、
また、口穴も小さいため、
たくさん入らず、どっとも注げません。

その分、料理を盛れば、
本領はっきして、
料理の美味しさがアップする器です。
甘庵
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今日の荻窪も朝から蒸し蒸ししています。
昨日に続いて、組み合わせで涼感をアップするお話です。
西川孝次 小カップ/ぐい飲み
淡緑カップ 3,465円
瑠璃ぐい呑み 3,675円
セレンカップ 3,780円
取っ手カップ 3,675円
瑠璃カップ 3,675円
西川孝次さんの盃(小振りのカップ)を並べてみました。
盃としては大振りなので、
使い方に広がりがあります。
光があたると、色とりどりの影がみえて、
ガラスらしい透け感が涼感につながります。
野波実 マット白磁プレート 5,500円
径23cmH2.5cmこちらは、野波実さんの定番の白磁プレート。
色映りの良い釉調で、底面が広く平らなので、
洋皿としての力を発揮するだけはなく、
お盆に近い役割も上手にこなします。

ご覧のように白磁プレートの上の盃は、
さらに涼しげな色合いを見せ、
思わず手に取りたくなります。
冷茶、日本酒、梅酒などと、
冷たい飲み物をより涼しく演出して、
涼感もごちそうになります。
甘庵
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澄んだ素地に流れるように入って泡は、
器がまるで流れる水で出来ているような、
荒川尚也さんの定番の仕事です。
中でも、長く、本当に長く作り続けていて、
また、長く長くファンの人気なのが、
泡グラスのシリーズ3種類です。
今日ご紹介するはその内の一つの泡グラスBです。
荒川尚也 泡グラスB 2,730円 径7cmH10cm 容積180cc先日、お世話になっている、
”ともさかりえ”さんにおめでたいお話があり、
お祝いにこのグラスを贈らせていただきました。
ともさかさんは器好きで、
銀花で橋渡しさせていただいた器も、
とても可愛がっていただいて、
その様子を
ご自身のブログで、とても分かりやすく、
心地よくもご紹介してくださので、
銀花にとっては、嬉し限りなんです。

今回も
よめ膳@YOMEカフェの大井さんが、
お祝いにと銀花で選んでくださった、
藤田佳三さんの赤絵鉢と、
ぼくから贈らせていただいたこのグラスを、
ご紹介いただきました。
そのおかげで、このグラスの問い合わせや、
顧客さまからも「ともさかさんのブログで荒川さんのグラスみました」
と、ご報告いただいたり、
話題に上って、これまた嬉し限りです。

何でもない、このグラスは、
ぼくの年齢ですと、
親しくコップと呼びたいような、
水、麦茶、冷茶、ビール、牛乳、ジュースと、
身近で使える、使い勝手も良い、
間違いないグラスです。
甘庵
*次回の企画展が荒川尚也さんの個展です。
個展ならではの、逸品から定番まで、
たくさん並びます。
荒川尚也吹きガラス展6月29日(金)〜7月10日(火)
6/28水.28木.7/4水はお休みです
最終日は18時までです
今年も届く、モノトーンに色付けされた素地の線刻を施した鉢には、
気品と静かな緊張感があります。
定番の澄んだ素地の器はたくさんの色を携えて、
使い手のイメージから多彩な色を引き出してくれます。
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野波実さんの真骨頂は、
いつもの食卓で何気なく、
気づくと出番の多い、
使い勝手のよい鉢だと思っています。


蹴轆轤で玉挽き(一つずつ挽き出す方法)挽かれた鉢は、
ゆったりした蹴轆轤どくとくのロクロ目を、
最大限に活かした高台削りと、
さりげない中に、均整の調ってフォルムで、
自己主張が強くなく飽きのこない、
使うほどの愛着の湧いてくる器に仕上がっています。
青白磁七寸端反鉢 5,500円 径21cmH6.5cm料理の種類を選ばずに盛り映えして、
美味しく楽し食事ができ、
丈夫で使い勝手のよい、
毎日バンバン使って欲しい、
なにげないけど日常で一番使う鉢です。
白磁中鉢 5,500円 径19cmH7.5cmでも、手に取っても一見では、
特徴のない白磁も青白磁も白い鉢として、
見過ごして仕舞う方も多く、
まして、甘庵の腕前の画像でご紹介するブログでは、
一番伝えにくいタイプで・・・。
白磁鉢 5,500円 径19cmH7.7cmこの絵のない鉢のような、
手仕事の器がもつ、
静かで穏やかな魅力は、
使っていただかないと、
なかなかご理解されにく、
橋渡しの甘庵はついつい、
声高にお薦めしてしまいます。
甘庵
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野波実さんは、透かし彫りで遊ぶのが楽しいらしく、
フタモノや花器で、楽しい透かし彫りを、
見ることでできます。
青白磁透かし文様小鉢 2,800円 径14cmH5cm器にも透かし彫りがしてしまったのが、
ご紹介している透かし文様小鉢です。
脇だけではなく、見込み絵のように、
見込みの中心、底にもしっかり穴が穿ってあります。
当然のことながら、液体は漏れてしまうので、
汁もの料理は盛れません。

数年前にはじめて並んだときに、
レースを思い浮かべてしまうような、
繊細で綺麗な透かし彫りの器に、
お客様も直ぐに注目・・・しながら、
「何を盛るのかしら?」と、
質問された野波さん。
「季節の果物を洗ってそのまま水が切れたらいいかな〜」
「ザルみたいな使い方したいと思い・・・」
と、答えられていました。

水が切れることを性能として考えれば、
ソーサーと組み合わせたりして、
逆に使い方が、色々工夫できそうです。
汁のない食べものもありますしね。
透かし彫りの涼しげな様子は、
器の涼感がごちそうにもなります。
上品で美しい小鉢です。
甘庵
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野波実さんの器の多くは、
シンプルでプレーンな造形ですが、
花器や、ふたものなどで、
遊び心が全開の作品を生み出します。
今日はそんな、まか不思議な造形の、
花器をご紹介します。
お客さまがこの形状から、
ちょっと怖いモノ見たさで触れてみて、
持ってみると、穴の開いた殻の中で、
卵がゴロゴロする・・・。
言葉にならない声を出されたり、目を見開いたり、
いずれにしても、それぞれに驚かれます。
そんな、リアクションを期待して、
作っていたのではないのでしょうが、
とにもかくにも、まか不思議な花器です。
青白磁透かし二重花器 20,000円 径14cmH16.5cm”青白磁透かし二重花器”という名前の通りに、
二重に作られています。
中に卵の上に穴が開いた形状の生ける部分があり、
その外側に、一回り大きな水玉模様状に丸穴のあいた、
卵形の殻があります。

中の花器の底面は、卵形で高台がなく、
そのままでは立たない形がフリーの状態で、
外側の殻のなかで、ゴロゴロしています。
内側には釉薬が施されていますが、
外側は無釉です。
外側の殻の方ですが、
こちらは中外全面に釉薬が施されています。

さて、これはどうやって作ったのでしょう?
きっと、外側をロクロで挽いて形作っていき、
口がまだ広いときに、
別に作っておいた内側の花器を入れて、
口をつぼめて形作ったのでしょう。
その後にも大きな問題があります。
釉薬を施して焼成する時です。
そのまま焼けば、中の花器と外の殻が、
くっついてしまいます。

外の殻の裏を見てみると、
丸穴が三つあります。
ここから支柱をたてて、
中の花器を浮かせて焼いたそうです。
う〜ん、これこそ”窯詰め大好き”という、
野波さんならではの細やかな窯詰めあっての仕事です。
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