多彩な草花や木々は芽吹き萌え出す前の今の季節は、
むき出しの土がよく見えます。
タタキのように踏み固められた土肌も、
花壇や畑で耕した柔らかそうな土肌も、
大地のエネルギーが蓄えれていそうで魅力的です。
陶器や炻器の土味を楽しむもの、
同じような魅力を感じるからだと思います。
久保田信一 刷毛目大鉢 12,100円
径25.5cmH8cm今日ご紹介する久保田信一さんの刷毛目大鉢も、
ゆったりとした土味を楽しめる器です。
化粧の刷毛目も土なので色は白くても、
素地の土との相性が良く、
自然界の景色のような風情を引き出しています。

薄い施釉で石を噛んだ土味や、
高台削りでおこされた土味や、
焼きしまった素地には溶けている長石の粒がきらめいて、
様々な土の表情を見せてくれています。

土味をそのまま活かした器の色合いは、
決して華やかな彩りではないのですが、
不思議なほど盛り付けが映えて、
料理を美味しそうに華やかせます。

この鉢は径が25.5cm、たっぷり目の八寸鉢です。
この広がりを活かして隙間なく盛り付けず、
土味を見せたゆったりした盛り付けが似合います。
甘庵
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今週は寒中お休みをいただいていました。
のんびりもさせていただいたのですが、
実は予定していたパソコンのメンテナンスを行っていました。
古くなってきているメインマシンが最近動きに違和感の出てきて、
使い慣れたアプリがあるために何とかもう少し動いて欲しいと、
ファイル整理やクリーンインストールをしたり、
時間をかけて調整をしてみましたが・・・。
違和感はあまり軽減されず、
突然のアクシデントが起きないかとヒヤヒヤしています。
巳亦敬一 デザートカップ 蕾 G 5,060円
径11.5cmH7.8cmファイルの移行などでパソコンの仕事終了待ちの時間などには、
じっと待っているのもと散歩に出たりしました。
今週は節分立春と暦は春に変わります。
風は冬なのですが日差しには春を感じ、
蕾や芽がずいぶん膨れんでいる木々も見かけました。

ご紹介したい器も春めいたものに芽が行くようになります。
巳亦敬一さんのデザートカップ蕾Gです。
カップ部は花開くようなロート型で、
蕾文が三ヶ所配置されています。

蕾文と同色の緑の高台は、
改めて巳亦さんの達者なテクニックを感じる、
ホットワークで四角く設えていて、
直線的なデザインのカップ部を引き立てています。

春を先取りしてデザートやお料理が、
美味しそうに盛り映えする、
小振りなデザートカップです。
甘庵
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今日ご紹介するのは加藤財さんの小さな急須です。
アラジンの魔法のランプを思い出すような、
隅々まで端正に仕上げられた美しいフォルムの急須です
三つの願いもジーニーは出てこないけど、
何度でもお茶が美味しく淹れられます。
ブ加藤財 急須 後手 白平丸 11,000円
容積150cc容積は程よく入れて150ccほどです。
平均的な急須のイメージの半分ほどかもしれません。
だから一人用とか思わないでください。

煎茶で使われる急須や茶瓶としては小さくありません。
煎茶道は一つの捉え方としてお茶を最大限に美味しく入れるための、
集大成マニュアルが詰まっていると甘庵は思っています。

所作や作法は超省略して、
その美味しく入るスキルとリスペクトすれば、
マテリアルとして絶対的に効果的なものが急須です。
水をお湯の温度と時間を意識すれば、
使う茶葉の実力を最大限に引き出せるはずです。

その時にこの急須のように適量の容積も、
大切なポイントだと思われます。
この程度の容積なので何杯かとれるように、
自然と茶碗も小さなものになります。
急須や茶碗を温め、
分量を計った茶葉を優しく入れて、
湯冷ましした湯を注ぎ、
茶葉が開く時間を待って、
静かに茶碗に最後の一滴まで注ぎ切り・・・。
おままごとのようにチマチマして見えますが、
煎茶の旨味や香りをぎゅっと凝縮させてくれ、
いつもの茶葉を見直すほどに、
味わいがアップしているはずです。
煎茶の味を最大限に引き出すスパーマシンです。
甘庵
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オミクロン株は感染力が強くて新規感染者が急に増えていっていて、
コロナウイルスとの対応はまだまだ続きそうです。
それでも重症化している方がまだ少ないようなのは救いですね。
コロナ渦の中での暮らしが長くなって来ていて、
そこから得た知識や経験は無駄ではないのですから、
私たちにできることは今まで通りにマスク手洗い消毒などの、
基本的な感染対策を習慣づけて対応していくことですね。
感染対策の習慣化で良いこともあると甘庵は思っています。
去年今年とインフルエンザの流行が控えられているのは、
コロナ渦での感染対策は習慣になっていることが、
少なからず役立っているのではないのかと思えます。
野波実 青白磁花コーヒーカップ 2,700円
平均のサイズ径8.5cmH7cm
程よく入れて120ccさて、今日ご紹介するのは蹴轆轤白磁の野波さんの作品。
青白磁花コーヒーカップです。
そうなんですマグカップではなくコーヒーカップです。
程よく入れて120ccというバリバリの、
コーヒーカップサイズです。

近年は日常の中でのコーヒーカップは、
マグカップ主体で容積が大きなものが中心です。
それはそれで良いのですが・・・。
オーソドックスな容積のサイズのコーヒーカップも、
なかなか捨てたものではありません。

というか甘庵としては理想です。
たくさん飲むのをカップが大きいのとは話は別だと思います。
何回かに分けて飲めば良いだけ・・・。
いや、その都度注いで飲むほうが、
甘庵は美味しいのではと思っているので、
理想と思っております。

平たく良さを一つお伝えするなら、
冷める前に美味しくいただけます。
冬には特に感じます。

マグカップに多い直線的な口縁の納まりと違い、
この青白磁花コーヒーカップは受け口の納まりで、
滑らかでふんわりした口当たりで、
飲み口の感触がコーヒーの味わいを高めてくれます。

また、コーヒーを注ぐと見込みの褐色の花が浮かび上がります。
野波さんの遊びをオマケも味わえます。
甘庵
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今日ご紹介するヨーグルトカップは、
古くから荒川尚也さんの定番品です。
40年にも作り続けている中で、
サイズ感やフォルムに多少の変化はあっても、
基本のデザインは変わっていません。
荒川尚也 ヨーグルトカップ 4,180円
平均のサイズ:径8.7cmH7.2cm逆に多くのファンとの出会いがあり、
補充しながら使い続けている、
根強いファンが多くいらしゃいます。

手のとって器が溶けたガラスに息を吹き込み、
膨らんでいってできたことを、
思い浮かべてもらえるようにと、
作っている荒川さんらしさが、
とてもよくわかる器です。

ステンレスの竿に取ったネタを息で膨らませ、
ノコギリ状の等間隔の突起の上を横に転がして、
一周する連続した凹みを作ります。

凹みが平らに馴染んでしまう前に、
坩堝の中に入れて凹みの少し上まで溶けたガラスを被せます。
凹み部分の空気た閉じ込められて、
連続する泡の文様ができます。
ふっくらを膨らんだ姿を生かした、
丸みのあるデザインで仕上げます。
見込みに角や隅がない仕上がりになり、
スプーンんで掬うときにスムーズで、
食品の残りが少ない無駄のない、
フードロスの少ないデザインです。
当時はそういう言葉はなく、
「勿体無くない」「使いやすい」という捉え方でした。
日常使う器のデザインには基本的に大切は姿勢だと思います。
甘庵
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日本海側や北海道では冬の嵐で、
短い時間に降る積もる大雪にご苦労されているようです。
気象的には冬真っ盛りなのですが、
新春という文字からの連想がいち早く広がって、
春が近ずいている気がしてしまう甘庵です。
巳亦敬一 新スキ変形ワイングラス 3,520円
対角7.1cmH11.81cm 程よく入れて150ccそんな先行型の頭から、
今日は春が楽しみな気持ちで、
巳亦敬一さんの
䑓ワイングラスと改名を提案した、
新スキ変形ワイングラスをご紹介します。

二方向からのモールの入る被せガラスで、
カップ部が花開く蕾のような、
優雅な造形のワイングラスです。

程よく入れた容積が150ccなので、
リキュールグラスとしてや、
飲める方ならモルトやスプリッツをそのままで、
色々と楽しみたくなるグラスです。

新スキシリーズの黄金色の輝きと、
花開く美しい形から、
このグラスを傾ければ、
春を想いながら和むひとときが過ごせそうです。
甘庵
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今日ご紹介するのは加藤財さんの小さな急須です。
たっぷり熱くて美味しいお茶を飲むのにポットを使うのは、
日々の食卓を豊かな気持ちにしてくれるのですが、
それとは違うお茶を純粋に味わう小さな急須の力も、
ぜひ知って欲しいところです。
加藤財 急須 後手 薄茶平丸 13,750円
容積150cc普段は量販の手頃な価格の煎茶を飲んでいる甘庵も、
頂き物で吟味されたお茶が手に入ると、
なんだか心がそわそわワクワクします。
身構えるというわけではないのですが、
手間をかけ丁寧に作られた煎茶の味をしっかり味わないと・・と。

煎茶の味はとても繊細なので、
本当に良さを引き出すには、
心遣いがたくさん必要のようです。
でも、その気持ちはあってもなかなか。

せめて気持ちがあるのを自分に証明するように、
まずは茶葉の色や様子や香りを味わって、
お気に入りの小ぶりな加藤さんの急須に入れて、
よく沸かしてカルキを飛ばした湯を、
慌てずに適温までさまして注ぎ、
茶葉がゆっくり広がり美味しさが出るのを待って、
静かに碗に注ぎ淹れます。
小さな碗に少しだけの淹れられた、
綺麗な煎茶の色合いと香りが立つと、
そわそわワクワクの気持ちが落ち着いて、
心和んで行くのがわかります。

これ美味しいからと、
いっぱい飲みたいと、
大きな急須やポットで淹れると、
不思議と美味しさが引き出せません。
下世話な甘庵には煎茶道でやっているような、
美しい一連の所作がちまちました仕草に見えてしまう。
でもあの所作が美味しくお茶を淹れる、
大切なマニュアルそのもののようです。
なので気持ちだけエセ茶人になった真似事でも、
加藤さんの急須が中心的なアイテムとして力を発揮して、
良い仕事をしてくれ美味しいお茶が淹れられます。
小さな急須でお茶を丁寧に淹れ味わう。
オススメです。
甘庵
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今日ご紹介するのは野波実さんの白磁花留めです。
使い方そのままの名称をお伝えすれば、
みなさん想像がつくのですが、
そのまま置いてあると、
綺麗な飾りやオブジェかと思われます。
これは作り手の意図として成功です。
野波実 白磁花留め 3,000円
径7.9cmH4cm水盤や鉢やボールなど、
水面の見える花器に花を生けるとき、
剣山を使うことがありますが、
甘庵はあれが苦手です。
針がトゲトゲしていて、
優しい花との組み合わせに違和感を持ちます。

多分、野波さんも似たような思いで、
この花留めを作られたと思います。
伝統的にも七宝文を形取った金属製の花留めがあります。
発想はその辺りかもしれませんが、
もう少し積極的に花留めの存在を、
花のそばに寄り添う形にしたかったのだと思います。

結果としての華麗な存在感が、
花留めとして使わないときには、
まさにオブジェとして空間を飾ります。
裏まで透かし彫されていて、
花の茎や枝を通すことで縦に生けやすい納まりです花好きの野波さんらしい使い勝手として、
まだ捨てるにはかわいそうな生けていた花を、
生かそうと水切りして短くなったものや、
庭木で丈の短いものなど、
少ない花や短い花を生けこむときなどに、
とても使い勝手の良さを発揮します。
甘庵
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まだまだお正月気分が抜けない甘庵です。
いやお正月だけではなく少し長いお休みの後には、
しっかり怠け心が身につきてしまっています。
それどころか定休日の翌日でさえエンジンかかるのに、
いえかからずに1日終わることも。
アニメなどのよく出てくる、
夏休みの宿題を最後の日に慌ててはじめるパターンや、
ともかく目先の楽な方を選んでしまうキャラクター。
あれを見ていてて・・・ほぼ具現化すると自分かと。
そんな輩なのですが・・・こと器のことには、
思った以上に真摯に迎え会えます。
それは楽しいからだと思います。
目の前の楽な方にあたるからだと思います。
そんな器好きゆえに生業にしてやってこれたのかと。
好きなことを続けられて幸せだと思っています。
左:荒川直也 酒鬼盃旭 6,600円 径7.6cmH8.1cm
中;光藤佐 焼締ぐい呑み 4,400円 径8cmH5cm
右:光藤佐 黒釉徳利 13,200円 径9.8cmH14cmまた作り手との出会いが大きく影響していますね。
縁をいただいた作り手たちをその器を橋渡しさせていただき、
選んでいただき使っていただけた使い手の皆さまのおかげだと、
ありがたいことだと感謝するばかりです。

さて今日は酒器をご紹介します。
黒釉徳利と焼締のぐい呑みは光藤佐さん、
ガラスのぐい呑みは荒川直也さんです。
ぐい呑みはどちらも大きいです。
作り手の飲み方が基準になるからですね。
*今は全く飲まない光藤さんもかつてはそれはもう。

今日は大きさの話ではなく。
並べた三点の酒器はどれも味わい趣が深く、
器好きにはこれらの酒器が肴になります。

食器のようですが酒器は、
茶器や花器などと同様に、
使い勝手だけでは済まない要素が望まれます。
甘庵のモノサシでは、
酒器でいえば「肴になる器」であることです。
甘庵
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2022年の荻窪銀花の営業は今日からです。
うつわ屋として42回目の新しい年を迎えますが、
新年の初日は清々しい気持ちになります。
今年も器の魅力を伝えて橋渡しして行くけるよう努めます。
ブログも17年目になります。
ご紹介したいことや伝えたいことの基本は変わらないのですが、
お伝えする方法や内容は少しずつでも進化していきたいと、
気持ちと願いはあるのですが・・・なかなか。
それでも老体に鞭打ち励んでまいりますので、
よろしくお願いいたします。
中條正康 絵替金彩土器皿 4,950円
径13cmH1.5cm今日ご紹介するのは絵がわりの構図が楽しい絵付けの、
中條正康さんの絵替金彩土器皿です。

桃山時代の陶芸家尾形乾山をリスペクトした、
華やかでいて侘びた土味もある、
何より使うのか楽しみな皿です。

柔らかな土味を生かした焼成なので、
陶器としての思いやりを持って使って欲しいのですが、
使い込んでいただけれはその分、
少しずつ侘びて行く趣を楽しめます。

金彩の魅力がよく引き出されているので、
お正月、節句、晴れの日の食卓を、
引き立て華やかに飾ってくれます。
甘庵
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