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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

しりが張っていて くびれた胴 なでやかな肩口

これは、まるで美しい女性のチャーミングポイントを、
愛でる言葉のようですが、
あいにくとここでは、たとえば徳利などのモうつわモの部位を、
表現する言葉なんですよ。
他にも、首、口、胴、手、足、目、耳・・・。
などがあります。

これは、やきものやガラスなどの器が、
とても身近で、またオーナーの心入れが強く、
常に、なでなでしながら、
(確かにぼくはそうですが、ぼくだけでは無いと思います)
素材感や質感を、
楽しんでいるからこそ定着していた言葉でしょう。

たとえば、小振りな手酌の徳利を可愛がっていただいでいて、
やはりお気に入りのぐい呑みで酒を呑む時には、
二つの器が作り出す、取り合わせの気配を楽しめるんです。
お気に入りの酒器自体がモ肴モなんです。
うつわ自体がモ肴モになるというのは酒器を選ぶ時の、
ぼくの基本の物差しです。

お気に入りの酒器を肴にしている場面を、
言葉にすると、冒頭の文章になるんです。
続けて、画像の酒器でぼくが友と酒を呑んでいたとして・・・。

灰釉のたっぷりかかった小振りの徳利に、
よく冷えた純米酒をいれて、久々の友と酒を酌み交わす。
肩口に付いた小さな耳がアクセントになっている徳利を持ち、
躍動的にはった緊張感の美しい肩から腰にかけて、
すんなりと窄まり尻にまで届きそうな溶けて流れた灰釉が、
ひとしずく、涙型のガラス状にたまっている。

杯をもった友の手の合間から伸びやかな轆轤目が見える。
火間の見える、口の開い粉引きの杯に、
小気味よい音をたてて、徳利のしまった首から注ぎいれると、
芳しい米を凝縮した香りが立つ。

友が徳利を受け取り、緻密でいてざっくりとした土味を、
楽しむように小振りな徳利を両掌で包み、
片方の掌で肩を、もう片方の掌で腰と尻をなでるようにして、
ひとしきり感触を楽しんでから、
ぼくのマット白磁のスリムな姿のぐい呑みに、
飴色がかった、粘りのあるよう見えてしまう濃い液体を注ぐ。
注がれた淡い米色が、ぐい呑みの見込みで梅型を作る。
蹴轆轤でひきだして柔らかな時に、
胴を凌いで、均等に五つの縦の谷を作る。
そのために中に入って液体の縁が梅花に見える。
酒を注ぐと、梅花が花開く。

互いにうつわ好きのぼくらは、
互いのぐい呑みと、
中を行きつ戻りつする徳利と、
もっとも気の置けない友である互いを、
肴にして、杯を重ねていって・・・・。

と、なるわけですよー。
どうですか。
オヤジ同士でもこうして酌み交わす酒だと、
ちょっとは、絵になるのではないでしょうか。
と、自分への希望的観測も含めて・・・。

            閑庵

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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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