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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

嗜好の器

多目的な器の魅力は、
なんと言ってもいろいろ使えることで、
器選びが楽だったり、早く元が取れることですが、
そのあたりと突き詰めすぎると、
キャップセットの金属の器や、
学校や病院などや社員食堂のプラスティックの器になってしまいそう。
(いまは、やきものや土地の木の器など使うところも増えていますね)

そこまでではなくても、
応用が利く、使い回しできる器では、
味わえない器の魅力は、
嗜好の器に多く、それらは、他に使いにくかったりします。
それでも、その融通の利かないところや、
無駄というか、器を楽しむゆとりが、
心のゆとりにもつながっていると、
そう思っております。
いえ、願っておりますかな~。

鶴見宗次さんの今回の個展でも、
嗜好の器があります。
酒器です。

09turumi679.jpg
酒器 8,400円 W18cmD9cm高さ17cm

見立てで花入れなどには使えることでしょうが、
それは、器としての凛とした気品や美しい姿があってこそ。
とにもかくにも、酒器は酒器としての魅力がないと、
お話しになりません。
手でひねりだしている鶴見さんの酒器は、
まず造形がとても鶴見さんの個性が良方向に出ていて、
きっちりとした用の美とを見せてくれると同時に、
オブジェ、彫刻として楽しめるほどの、
質感、素材感、存在感を持っていると思います。


09turumi675.jpg
酒器 8,400円 W20.5cmD9.5cm高さ14cm

とはいえ、まずは酒器。
使い勝手の良さに加えて、注ぐ楽しさ、宴を華やかにする趣があり、
器好きには酒器自体が、一番の酒の肴になることでしょう。

こうした密度の高い仕事とするには、
多目的ではぞんざいしない、
目的の絞られた器だからこその仕事だと思います。

                  甘庵

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