なんと言ってもいろいろ使えることで、
器選びが楽だったり、早く元が取れることですが、
そのあたりと突き詰めすぎると、
キャップセットの金属の器や、
学校や病院などや社員食堂のプラスティックの器になってしまいそう。
(いまは、やきものや土地の木の器など使うところも増えていますね)
そこまでではなくても、
応用が利く、使い回しできる器では、
味わえない器の魅力は、
嗜好の器に多く、それらは、他に使いにくかったりします。
それでも、その融通の利かないところや、
無駄というか、器を楽しむゆとりが、
心のゆとりにもつながっていると、
そう思っております。
いえ、願っておりますかな~。
鶴見宗次さんの今回の個展でも、
嗜好の器があります。
酒器です。

酒器 8,400円 W18cmD9cm高さ17cm
見立てで花入れなどには使えることでしょうが、
それは、器としての凛とした気品や美しい姿があってこそ。
とにもかくにも、酒器は酒器としての魅力がないと、
お話しになりません。
手でひねりだしている鶴見さんの酒器は、
まず造形がとても鶴見さんの個性が良方向に出ていて、
きっちりとした用の美とを見せてくれると同時に、
オブジェ、彫刻として楽しめるほどの、
質感、素材感、存在感を持っていると思います。

酒器 8,400円 W20.5cmD9.5cm高さ14cm
とはいえ、まずは酒器。
使い勝手の良さに加えて、注ぐ楽しさ、宴を華やかにする趣があり、
器好きには酒器自体が、一番の酒の肴になることでしょう。
こうした密度の高い仕事とするには、
多目的ではぞんざいしない、
目的の絞られた器だからこその仕事だと思います。
甘庵
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