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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

京都人

今日から藤田佳三さんの作陶展がはじまりました。
作品が雑誌などにも良く取り上げられるので、
名前をご存じの方も多いかと思います。

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出会った時はまだ20代中盤の若者でしたが、
今もう、中堅の力量あふれた作り手です。
藤田さんは京都生まれの京都育ちで、
現在は京都府亀岡市で作陶しています。
ぼくなどよりはずっと若いのですが、
前近代的は体験のもとに育って来た、
おもしろいエピソードをよく聞きました。
これって、京都の歴史の長さがそのまま暮らしに浸透してからのようです。
と同時に、京都人は新しいことに目を向ける、
姿勢ももっていますね。
だからこそ、古い伝統を活かしながら、
維持しながら、いつの時代も変わることなく、
同時に新しいことを取り入れてこれたのでしょう。


京都人であることが、
藤田さんの“うつわ”の原点にあるとおもっています。
華やかでいて上品・・・そうそう「はんなり」とした“うつわ”です。
それでいて、どこか古くさくなく、
しかも、いまぼくらが日常の中で使いたい“うつわ”です。


向こう付けや小鉢は、和のお総菜だけなく、
フレンチやイタリアンが盛りつけたくなります。

くみ出しや千代口は、煎茶やほうじ茶だけでなく、
カフェオレや、ミルクティも似合う懐の広さともっています。


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渋めの安南絞り手の絵付けも、
華やかな赤絵付けも、
盛りつけや、注ぐお茶やコーヒーのじゃまをしないどころか、
より美味しそうに盛り映えがして、
ティタイムを和ませ心豊かにしてくれるます。

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絵付けは、豊かさから生まれてきた、
自然な装飾です。
それは、時間と手間なのでそのまま価格に反映してしまいます。
ですから、間々すると絵付けが有ることで、
辛口でいえば、成金ぽくなってしまうこともあります。
だからこそ、育ちがどうしても映りこむ、
描き手、作り手の心豊かさが要だとおもいます。
その意味で、京都人の藤田さんは、
その育った感覚をとても上手く活かしていて、
加えて、持ち前のセンスと達者な筆裁きで、
作り出す器を、はんなりと仕立てています。

                    閑庵

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