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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

藍染めのクオリティと価格と経済

森くみ子さんは、昔ながらのスクモと灰汁で建てた藍で、
手を抜かず染め上げた藍染めを見せてくれます。
本物とかいわれるより、当たり前の仕事と言いたいのですが、
当たり前でなくなっているのは、
材料や手間からのぎりぎりの価格でも、
多くの方の概念以上な数字になってしまうからでしょう。

藍染めへの情報の少なさや誤解から、
材料と時間を最大限に活かし工夫しても、
クオリティに見合うかというより、価格の絶対値からだけで、
身の回りで活かすという気持ちで、
手に取り、ご覧になって頂きにくいのが、現状です。

mori271.jpg
敷物・飾布 30,450円
リネン 46cm×108cm


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歴史的には陶器なども、本当に雑多なやきもの以外は、
庶民レベルではなかなか使われにくく、
一部の数寄人の嗜好目的で扱われていて、
やきもの器で使われるのは、磁器が主流であり、
それも、当時の燃料や輸送を考えるだけでも、大変高級でした。
その磁器が、大々的に庶民が使えるようになったのは、
石炭窯の量産体制と鉄道の大量輸送という、
明治以降の近代になってからです。
先の陶器を、庶民が身の回りで使えるようになったのは、
昭和になってから、特に戦後の経済が繁栄してからのようです。

森さんの藍染めのお話しを伺っていても、
たとえば江戸時代の庶民レベルでは、
衣服の色合いは茶系が主流で、
その中にアクセントやポイントとして藍が使われる程度で、
藍を多く使えるようになったのは、
明治以降に安くて、安定している、
人工藍〈インディゴ)が入ってきてからのようです。

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左右ともに、敷物・飾布 43,050円
苧麻 36cm×160cm


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手間のかかるタデアイを発酵させて作るスクモも、
それを元にする、染まりにくくムラもおきる藍染めも、
価格の追求ではなく、手仕事や自然素材の揺らぎを、
活かして染め上げることが、クオリティの高さです。
揺らぎある藍染めを、身の回りに置くことで心和むことを理解いただける、
有志の方々を期待するしかないのが現状なのだと思います。

ところが、昨今の経済状態は、
有志としてのお気持ちを持っていただけても、
なかなか現状にそぐわない状況をつくりだしています。
致し方ないことかと思います。
それでも、ぼくなど橋渡しの立場の人間としては、
少しでも現状が伝わり、希少な有志の方に、
声が届くようにと、声高になり、
様々方法でお伝えすることを続けようと思います。

                  甘庵


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