使いやすい日常の器を作ってくださっています。
その手法はほとんどが伝統的は手法です。
それゆえ、飽きのこない器を生み出されています。
いままで、土物の扱いかたや、
出来た方など繰り返しお話ししてきましたが、
日常的な知識としては、覚えにくいですよね。
学校で教わることでもなく、
興味がでたり、思い立ったときでないと、聞き覚えないことですし、
案外探すと、いまいちわかりにくかったりするのではないでしょうか。
少しでも多くの方に、
“うつわ好き”になって頂きたいと、
ブログを書き始めましたので、
繰り返しになるかもしれませんが、
土物のやきもののことを中心に、
簡単にまとめて見ます。
まだまだ、わかりにくい書き方かもしれませんが、
思い出しながら、また流すようにでも結構ですので、
何度も目にし、耳にしていくうちに、
自然なことになってくれること願って書いてみます。
画像は藤田さんの作品でそれに当たる物を参考に添付してみます。
疑問やわかりにくいことがあったときには、
お気軽にコメントに書き込んでいただくか、
ginka@netlaputa.ne.jp までメールで、
お問い合わせください。
皆さんの疑問や想いが、とても参考になりますので、
よろしくお願いしたします。
【やきものの名前】
粉引き、灰釉、染め付け、上絵などの言葉は、
工芸屋やうつわ屋さんを覗くとよく目にすると思います。
それらの器をみて、何となく理解は出来るけど。
本当はどうなのかな?って、思ってらっしゃる方いませんか?
大まかながら特徴や作り方を含めて、お話しましょう。
【粉引き=こひき・こびき】
白いやきものです。素地に白い化粧土を掛けた陶器です。
桃山時代に朝鮮半島から日本に伝わって、各地に定着しました。
白い化粧土が粉を引いたよう見えるところからそう呼ばれたそうです。
形を作った生乾きの素地に、白化粧土を掛けてその上に釉薬がかかります。
素地と釉薬の間にある白い化粧土に、使うことで湯水がしみ込み、
使い込むほどに変化する表情に、侘び寂びという私達の感性で、
美しさを見い出せたために、人気のあるやきもののひとつです。
*白化粧土:カオリンなどの材料をあわせたものを、水に溶いて、
浸けたり、掛けたりして、素地に施します。

粉引きマグ:鉄分を含んだ土に化粧土をかけて、
素地の土が見え隠れする際あたりの気配が楽しい見所です。
【灰釉=はいゆう・かいゆう】
灰を基本にして調合した釉薬のことです。
土灰釉(どばい)、藁灰釉(わらばい)、もみ灰釉(もみばい)、
柞灰釉(いすばい)など、それぞれの灰のもつ特性をいかした釉薬が
あります。
同じ透明釉でも石灰釉(せっかい)に比べてくすみはあるものの、
柔らかくて深みもあり、土物との相性が良く、
窯の様子でいろいろな表情を見せてくれます。
土灰は鉄などの灰に含まれた金属で発色が楽しめ、
含有される鉄が少ないと、青磁や黄瀬戸、伊羅保、。
少しふえて、飴釉、柿釉。
もう少し増やし他の金属なども入れて、黒釉、天目釉などになります。
藁灰やもみ灰は含まれる珪酸で禾目(のぎめ)という、
白濁した釉薬が溶けてうっすら縦縞を作りだす模様が楽しめたりします。
柞の木の灰で作る、柞灰釉は癖の無い透明感が特徴で、
磁器の釉薬の材料として、珍重されたそうです。
⇒「かいゆう」が正しい呼称ですが、「はいゆう」と言われることの方が、
多いですね。

粉引き口紅カップ:口にまいた鉄が、灰釉(わら灰釉)にとけ込んで、
流れる景色は、動きのある灰釉独特の美しさです。
【染め付け=そめつけ】
青い下絵が描かれている、磁器のやきものです。
もとは、中国の青華が伝わり、日本で染め付けとよばれて、
日本の器としてなじんでいきました。
四百年が過ぎた今は、もともと日本的なものとさえ思う人が多いほど、
親しまれ、色合いと素材感からの清涼感のある器です。
古伊万里に代表される染付は、一番身近かな磁器です。
青色の絵柄は、素地に呉須(ごす)という、
コバルトにマンガンや鉄などの混ざった酸化金属を絵の具にして、
素地に図柄を描き、その上に釉薬をかけて焼きます。
釉薬の下に描かれるので、下絵といいます。
同じ手法が不純物を含まない真っ白な磁器から、
ざっくりした陶器まで使うことが出来ます。
御深井(おふけ)、絞り手(しぼりで)などもそれで、
見どころや趣は、それぞれに楽しめます。

安南絞り手だ円鉢:ゴスが滲んだ絵付けの不完全さが、
完璧な染め付けと違った魅力として受け入れられきたのです。
【上絵=うわえ】
本焼きという、そのままで使える状態の高い温度で焼いた器に、
さらに、釉薬の上に、単色や多色の彩画を描くことを、上絵といいます。
絵の具として、べんがら(酸化第二鉄)、水金などや、
調整した低い温度で溶ける釉薬を絵の具として、
画を描き、800度以下の上絵窯とよばれる窯で焼かれます。
焼成温度の高い順に描いては、次の絵を描いてまた焼くという、
手間のかかるしごとです。
色によって焼成温度の異なる場合は、色の数だけ何度も焼くことになります。
柿右衛門、色鍋島、仁清、乾山などが、歴史的に有名で、
いまの器にも、いまだに大きく影響を与えています。

赤絵マグ:お気に入りの華やかな絵付けがあるだけで、
ティタイムに自分のペースを取り戻すアイテムになるでしょう。
*次号予告:「うつわにおもうこと」をお送りします。
おかげさまで次号は150本目のブログです。
記念して・・・いえ、気分転換ですが、
背景色や構成を模様替します。
PC画面にかたにはご覧になれます。
閑庵