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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

器に思うこと

【オリジナルなもの】
 作り出す人々にとって、オリジナルな作品を作り出すことは、
なかなか難しいことなのですが、それでもやり甲斐のある、
仕事の目標のひとつでしょう。
器は人類が生活をはじめたときから、気の遠くなるほどの時間をかけて、
工夫がされてきています。
やきものも、生活用具として、楽しみ華やかにするために、
様々な形や釉薬がつくられ、試されてきました。
そんな流れの中で、オリジナルの器というと言うと、今までに見たことのない形や、
釉薬、あるいは、絵や文様だけのように思われがちですが、
ぼくは、もっと大切なオリジナルがあると思っています。

【美味しそうで、当たり前でいて個性ある器】
私たちの生活は、日々刻々と変わりつつあります。
その中では、食べるという行為は基本的には変わらず、美味しく食べるという欲求は果てしなく、食習慣や新しい料理や素材が、どんどん豊かになっています。
それでも、盛り付けること、注ぐこと、呑むこと、持つことなどの
器の持つ基本的な機能は、変わるものではありません。
使いやすいと言うことは、器にとっての基本的な骨格です。
それに加えて、器自体の持つ味わいを楽しめるということが、とても重要です。
器は、器自身が“美味しそう”でなければいけません。
器自体が、魅力のある“嗜好品”と言っても良いくらいです。
当たり前でいて個性ある器が、
何気ない中に光る個性のある器が、
ぼくは好きです。

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【伝統の中のオリジナル】
たとえば、粉引、伊羅保、刷毛目、赤絵、染め付け、青白磁・・・・などの器は、
すべて、伝統的に作られてきた手法で、“和食器”と言われるものですが、
今の私たちの食卓に並ぶ、様々な料理や素材にも似合う器です。
飽きのこない、和の器でありながら、イタリアンが似合ったり、
中華が映えたり、エスニックがぴったりな、そんな器であれば、
それは伝統的でありながら、同時に新鮮な器です。
作り手それぞれの思いから、作り出されたそんな器なら、
一つずつが、全てオリジナルになりうることでしょう。

【季節を感じさせる器】
器から季節を感じて、料理を盛りつければ季節を満悦できます。
季節をイメージさせ、行事やイベントを思い描ける器や、
季節毎の楽しさや風景を、連想出来る器を選ぶことを、楽しめば、
もうそれが、季節を感じることです。
伝統のなかのお約束や知識を得るのも、一つの手段です。
例を少し。
緑釉の織部などは、冬の器とされています。
世の中に緑がなくなった時に、目に緑のご馳走を。という配慮からだそうです。
焼きしめと言われる、無釉の土肌のやきものは、
夏の器として使われるときには、器を水につけ込んで、
その濡れた表情から、涼感を呼ぶ清流の岩肌をイメージさせます。
約束にしばられず、紅葉の葉を添えて、秋の色合いをしっとり抱え込んだり、
うるさくない程度に、桜花を散らすのも、淡い春の色を楽しめるでしょう。
と、自由に季節感を感じ、美味しそうな演出を楽しみましょう。

【器はキャンバス】
器はキャンバス兼額縁だから、無地でも、華やかでも、絵があっても、
料理を盛りつけることを、イメージして、器自体が、美味しそうなものを選びましょう。
器はキャンバスですから、盛りつけた料理を受け取り包み、
より美味しそうに映えさせる事が大切。
少しだけ控えめで、料理を盛って初めて華やぐほうが、
飽きがこないし、使い回しも出来やすいですよ。
盛りつけは、きつきつでなく、ゆとりを持って盛りつけて、
キャンバスである器に盛りつけられた絵をフレーミングする、
額縁であることも、意識してみましょうね。

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【ゆとりのある華やかさ】
季節毎のに感じられる、華やぐ気持ちを大切にしていけば、
季節に合わせて、華やかな器を選びたくなるものです。
そんなときに、華やかな色合いの釉薬であっても、
季節を感じる絵付けだとしても、器だけで完成されたものより、
料理がそこに盛りつけるゆとりがあるものを、選びたいものです。
絵付けが、うるさ過ぎないこと、
見込みがあって、奥行きや広がりがある姿のものが、良いと思いますよ。

【器と料理の共演で】
四季のある日本は、食材も季節ごとのものが、たくさんあって、
四季ごどに舌と目を楽しませてくれます。
器選びも、四季を楽しみながら、季節の演出してみましょう。
自分ながらの季節をイメージするものを、積極的に使うのと同時に、
季節のイメージや香りが広がるしつらえも、大切にしたいものです。

食材も季節の変わり目で、目先の変わる楽しみがあります。
器も少し季節を意識して変えるもの、器を楽しむのも一つの方法です。
でも、いつもの器でも、しつらえを変えたり、
盛りつけを変えたりすることでも、季節感を取り入れられます。
使い慣れた器で、演出して楽しむのも、大切なことです。
器と料理の共演で、季節を感じとりましょう。

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       閑庵

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