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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

鶴見さんの真骨頂

鶴見宗次さんの作り出す器は、
ざっくりした石粒がいっぱい入った土を、
作り出す器に必要な分を手に取って、
ロクロを使わずに、指さきから掌をフルにつかって、
手ひねりで作って行きます。

10turumi682.jpg
七寸皿 6,825円 径21cm H4cm

自然な形として広がっていくと、
丸い皿ですが・・・これが実は奥が深い。
鶴見さんは特に、土にとってはギリギリまで焼しめるので、
碗形のように、自重を支えにくい形です。

10turumi683.jpg
六寸皿  4,200円 径18cm H3.5cm

そのために何度も、窯を開けると、
皿が逆さになって焼き上がってしまう事もあったそうです。
温度が上がったときには素地が柔らかくなるので、
自重に耐えられず、縁が下がってしまい、
逆さの皿になってしまうのです。

10turumi684.jpg
五寸皿 2,940円 径16cm H3.3cm

厚くすればそれなりに解決にはなりますが、
形のシャープ感がそがれます。
土の質感が活き活きするフォルムを追求しつつ、
歩留まりがよく焼き上がるために、
大きい皿には、貝高台を脇にも置くなどの工夫で、
かなりの歩留まりが良くなり、
皿は、鶴見さんらしさ満載の器の代表です。
皿こそが、鶴見さんの真骨頂といっても良いかと思います。
*貝高台:灰が釉になって棚板に着かないために貝に粘土などをいれてトチン(窯道具)

10turumi685.jpg
小皿 2,100円 径13.5cm H3cm

使い混むと、ぱさついた感じがなくなりしっとりとした肌合いになり、
また、ガンガン洗うことで、ザクザクした表面も、
かなり穏やかになってきます。
陶器とはまた違う、せっ器の焼しめの器の楽しんでいただけます。

                  甘庵



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