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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

汚れと侘び寂び2

さてさて昨日の続き、
フリーデザイナーの美器と隠居とよばれる胡散臭いオヤジのやきもの珍問答です。


「ずーっと先って?どうしてよ」
「碗は当然焼き物だろう。
それも、ほとんどが陶器なんだよ。中にはせっ器もあるがのー」
「また、なにそれ、陶器は知ってるよ。
焼き物っていう意味でしょ。
でも、せっきは石の器で原始人が使うやつじゃん」
「なるぼど。確かに発音はおなじだがな。
やきものの種類に、あるんじゃよ。
火へんに石とかいてセキ。それに器でせっ器じゃ」
「ふーん、わかんないやー」

「そうだよな。まぁー美味しくお茶をいただくのに、
ひち面倒くさい理屈はいらないよなー」
「うん、理屈はいらないけどさ、
あたしのご飯茶碗は、どうなったの?」
「ははは、そうだった。
陶器っていうのは土物といってな、
磁器とか瀬戸物とかいう石物とちがって、
素地が吸い込みやすいんじゃよ」

「やきものでも?」
「そうやきものでも。
だから、盛りつけたり、注いだものが急に吸い込まれないように、
先に湯や水に潜らせて、素地に水分をしみ込ませておくことで、
汚れが素地に入りにくくしているのだよ。
器になったやきものは、1200度を越す高温で焼いているから、
素地には水分がまったくなくて、
素地によっては陶器のように吸水性の大きなものもあって、
その場合はとくに使い始めのころが大切なんじゃよ。」

「じゃーお湯や水でぬらすのは、汚れない工夫なんだ」
「そう、その通り。
そこで素地ややきものの種類を知っておくことも、
少しは必要になってくる訳じゃ。
さっきのやきものの種類だけど、大きくわけて四つ。
土器と陶器とせっ器と磁器にわけられるんじゃよ。
そのうち土器は器ではあまり使われれないからおいといて」
「土器って縄文土器とか弥生土器とかなかったっけー」

「そうそう、それじゃよ。
今の暮らしにはなかなか不都合が多くてな、
普通は器には使われないが、それでも、植木鉢などは土器だな」
「なんか水入れたら漏りそうだものね」
「そう、その通りじゃよ。それが素地のちがいなんじゃよ。
素地が細かく緻密な順に、磁器、せっ器。陶器となるんじゃ。
そうだ、美紀ちゃんお菓子のおこし知っているかい?」

「おこし?雷おこしのおこし?」
「そう、そのおこし。磁器はおこしでいうなら、
さしずめ粟のおこしじゃ。
で、せっ器は米じゃ。
陶器は豆のおこしっていうところじゃ」

「ふーん。粒が粗いってこと?」
「そうそのとおり、また正解じゃ。
つまり磁器もせっ器も陶器もやきものというくくりであるだけに
組成はそう変わらないと考えてもいいんじゃよ。
ちちょうどおこしが粟や米や豆を飴で絡めて固めたように、
素地の違いがあるものの似たようななもんじゃ」

「ふーんそうなんだ。
でも磁器って白くて滑らかなやつだよね」
「やつではなく、滑らかな肌のやきものですよね。
ぐらい言いなさい」
「はーい」
「その白い肌はもう一つ分かりやすい特徴があるんじゃよ。
ほれ、そこの染め付けの湯飲みをとっておくれ、
そうそう、その青い絵のある・・・そうそれ。
美器ちゃんそれを、縁側とこ行って、
お天道さまに透かしてごらん。どうだい?」

「ああー、透けるよ。お日さまの光が透ける」
「そうなんじゃ。磁器の素地は、光を透かす性質を持っているんじゃ。
これを透光性といって・・・・」
「ほかのやきものはだめなのかな?
ああー私のご飯茶わんはだめだわーへぇー発見だなー」
「おお、妙に関心もっておるな・・」
「これも光透さないね」
「おいおい、その備前は高かったんだぞ・・・」

「なんだよ隠居~、
やきものは後生大切にしまっておいちゃだめだって言ってるじゃん」
「そうだがそれは、使うという意味で、
大事にすることで、器に愛情を持つことは必要じゃよ」
「この土ぽい素焼きのは、さっきので言うと何になるの?」

「さて、今美器ちゃんが持っている徳利は備前といわれるものじゃ。
美器ちゃんはどれだと思う?」
「うーん、光に透かしても、透けないんだから、
磁器ではないよね。後は、せっ器か陶器かって、ことだよねー」
「そうその通りじゃ」

「ああー、もしかしてわかったかも、これがせっ器でしょ。
そうだよきっとそうだ。だって、これの肌はざらざらで、
釉薬がかかっていないもん。
美器の粉引とは全然ちがもの。
で、美器のは陶器なんでしょ。
だったら残るのはせっ器じゃん。ピンポン正解でしょ」
「おお美器ちゃんすごいじゃないか。
その通りじゃ。この徳利の備前、
そこの花入れの信楽、
あっちの壺の常滑なんか、せっ器じゃ」

「ふーん、じゃー。釉薬がかかっていない、
土のまま焦げたものをいうのかな?」
「焦げたものねー。そうさなー。
たしかに、釉のかかっていない焼き〆は、
おおかたがせっ器だがね。
ここでややこしいのは、薬がかかっていても、
せっ器があり、しかも陶器との境が非常に不明瞭なんじゃよ」
「じゃー、どう違うの?どこか見分けるとこないの?」

つづく



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