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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

藤田佳三さんの仕事の原点

はじめて藤田さんの器を見たのは、
見本として見せてくださった、
粉引の汲み出しでした。

手に取ると、さりげない姿で、
形も納まりも釉薬も化粧土も、
全てにたっぷりしとしていて、
掌に納まるほどの器は、
大きさ以上にゆったりした印象をもつ器でした。

10fujita0822.jpg
粉引片口小鉢 3,570円
径12cmH7cm


今日ご紹介する片口には、
そのときに感じた印象と重なる、
藤田さんの原点というべき魅力が詰まっています。

10fujita0823.jpg
この、とろ~んとした表情が生掛けの妙です。

この粉引の片口も、
藤田さんの多くの粉引同様に生掛けです。
生掛けというのは、
ロクロで挽いて、高台を削り、
片口なら口を付けて、
形を整え、適度に乾かして、
素焼きをぜず、生のまま、
水に溶いた化粧土=白泥に、
器をチャポンとつけて化粧土を、
化粧する方法です。

10fujita0824.jpg
高台をつかんで白泥に浸けた指後は、
お約束の見所=景色です。


つまり、カチカチ山の泥船のように、
タイミングが悪いと、
崩れてしまうことがあります。
生の粉引:前にブログで紹介した記事

10fujita0825.jpg
片口鉢ですが、注いで見ると出来上がった多くが、
切れが良いのも藤田さんらしさです。


片口のように付けた部分は、
とれやすく、またそこにヒビなどが入りやすく、
歩留まりが良くない方法です。
それでも、茶器のように価格を付けられない、
普通の食器でも、基本を生掛けでするところが、
藤田さんの譲れない作陶の原点が見えます。

この手間の掛かる、リスクの大きな生掛けゆえの表情が、
藤田さんのフォルムや仕上がりを、
よりたっぷりとしたものにしているのでしょう。

                甘庵



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