FC2ブログ

うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

爽やかな食器

稲垣明子さんの作る“うつわ”は、
爽やかさにあふれています。
陶器(練り込みや面取りの“うつわ”)も、
磁器(線象眼や結晶釉の“うつわ”)にも、
共通していますが、
特にこれからの季節のは、涼やかな磁器が、
より爽やかに目にうつります。
稲垣さんの“うつわ”を光に透かすと、
驚くほどの光が通り透けます。
使っている素地が、とてもガラス質化するもので、
作っているからです。
この素地、実はロクロをひくための素地ではなく、
石膏型などに鋳込んでつかう素地なんです。
当然調合は、鋳込み制作に合うように、
水はけの良い用に作っているわけですから、
ロクロでひきだすには半端でなくひきにくいはず。
一般的に粘土である陶土より、
石の粉である磁土のほうが、
ロクロがひきにくいのですが、
その比ではないようです。
でもそこは、いわゆる根性のある稲垣さん。
あの小柄で、かわいらしい彼女のどこに、
パワフルなまでの制作意欲は秘めているのかな?
また、制作方法もやたらに面倒で手間のかかることが多くて、
その割には、買いやすい価格。
その分一杯作らないと大変なはず。
本当に頭がさがります。

グレーシリーズと彼女か読んでいる、
線象眼の“うつわ”は、カリカリ彫って、
そこに酸化金属の絵の具を入れ込んでいきます。
スマートなフォルムと、
品のある絵柄の取り合わせは、
心地の良い“うつわ”として、
長く安定して供給できるようにデザインされています。

結晶釉のほうは、釉薬をたっぷりかけて、
それが溶けて流れる様は圧巻ですが、
まますると、棚板と一体化。
うふふ、取れません。
そこまで溶けて流れた時のほうが、
皮肉にも色はいいらしいですよ。
そのままではとれないんですけどね。
そのために、すべてが原則一つずつの作りです。
いわば出たとこ勝負。
なんて怒れれていまします。
訂正。予期された偶然です。

このいずれの“うつわ”も、
完成までの方法論は異なっても、
出来上がった“うつわ”としては、
稲垣流の、爽やかな食器に仕上がっています。

             閑庵
ingk14.jpg


ingk12.jpg


35.jpg


09.jpg

テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
https://utuwaya.blog.fc2.com/tb.php/20-fda952f8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)