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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

吹きガラスの魅力

熱く溶けた、水飴状のガラスの素地を、ステンレスのパイプに巻き取り息を吹き込み、作り上げる吹きガラス。
柔らな形となめらかな口当たりは、一度使えば、その心地よさに魅了されます。
作り手の技と心根で作り出す器と、出会い、手に入れ、使う楽しみはまた格別です。
作り手それぞれによる個性も、不思議なくらいに、器に映し出されて来ます。
たとえば、もっとも一般的なグラスを、いくつかの点で見比べるだけで、作り手の、ガラスへのそれぞれの思いが、くみ取れます。
素地:ほとんどソーダガラスと呼ばれる、ガラスが使われています。
扱いやすく、鉛などを使わない安全なガラスです。
珪砂やソーダを調合して素地から作ったり、板ガラスや瓶などを再生したり、様々です。ガラスの持つ魅力を引き出すための工夫も、それぞれに加えられています。
フォルム:プロポーションだけではなく、持ちやすさや、使い勝手にも重要で、作り手からの、グラスの使い方や提案、時には、好きなお酒などの、嗜好までわかってしまったりします。
モール:グラス表面に作り出されたひだ状の装飾のことをモールといいます。モールの数だけ放射状になった金属線や板に、ガラスを吹き込みできた凹凸で、器の表面の装飾にします。凹凸により屈折して中身の液体の像が歪んだり、輝いたりするのが趣になります。
泡:ガラスの中にデザインされた泡は発泡させたガスか空気を取り込んで作ります。発泡は巻取るガラスとガラスの間に入れられた発泡材を熱化学反応で泡にして文様や装飾にします。空気の泡は剣山などで沢山の細かい穴を穿たり、計画的にへこましてその上にガラスを巻き取り泡を閉じ込めます。泡で屈折した光が、輝きや虹を見せてくれたりします。
付ける:吹いた本体に溶けた素地をつける方法として、帯状に巻く、ハンドルや突起を付ける、ステム脚を付けるなどがあり、造形の幅が広がり用途によって必要な形を作り出せます。
また付けるものに色や複雑な形にすることで表現がだせます。この場合複雑になるほど、息の合う助手の手を借りたり、高度な計画が必要になります。
着せる:吹いた形の上に、さらに、溶けてさらさらしている、ガラス素地を、重ねて上にのせる方法を、デザイン的に見せたのが、着せる方法です。
ガラスが溶けて固まる、動きのある表情が、魅力です。
くもり:砂を吹き付けたり、薬品で器の表面を荒らしたり、くもらせたりして、マットな表情にします。透けない、半透明のガラスの趣もまた良いものです。
アイスクラック:ガラスの素地が熱いうちに、水などで急冷しヒビやワレを作り、焼いて亀裂や鋭角な部分をならし、ヒビやワレをダイナミックなデザインとする方法です。
 ひとつのグラスでも、作り手により、表情がちがい、このような、見所を見比べれば、使う楽しみを、より広げてくれます。
それが作られるときに、熱く溶けた液体で、美しくたおやかな形になったその瞬間に、止められた、吹きガラスの器を、手に取り、使ってみてください。
  閑庵 

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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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