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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

不思議な造形

野波実さんの器の多くは、
シンプルでプレーンな造形ですが、
花器や、ふたものなどで、
遊び心が全開の作品を生み出します。
今日はそんな、まか不思議な造形の、
花器をご紹介します。

お客さまがこの形状から、
ちょっと怖いモノ見たさで触れてみて、
持ってみると、穴の開いた殻の中で、
卵がゴロゴロする・・・。
言葉にならない声を出されたり、目を見開いたり、
いずれにしても、それぞれに驚かれます。
そんな、リアクションを期待して、
作っていたのではないのでしょうが、
とにもかくにも、まか不思議な花器です。

12_nonami_0793.jpg
青白磁透かし二重花器 20,000円 径14cmH16.5cm

”青白磁透かし二重花器”という名前の通りに、
二重に作られています。

中に卵の上に穴が開いた形状の生ける部分があり、
その外側に、一回り大きな水玉模様状に丸穴のあいた、
卵形の殻があります。

12_nonami_0794.jpg

中の花器の底面は、卵形で高台がなく、
そのままでは立たない形がフリーの状態で、
外側の殻のなかで、ゴロゴロしています。
内側には釉薬が施されていますが、
外側は無釉です。

外側の殻の方ですが、
こちらは中外全面に釉薬が施されています。

12_nonami_0795.jpg

さて、これはどうやって作ったのでしょう?
きっと、外側をロクロで挽いて形作っていき、
口がまだ広いときに、
別に作っておいた内側の花器を入れて、
口をつぼめて形作ったのでしょう。

その後にも大きな問題があります。
釉薬を施して焼成する時です。
そのまま焼けば、中の花器と外の殻が、
くっついてしまいます。

12_nonami_0796.jpg

外の殻の裏を見てみると、
丸穴が三つあります。
ここから支柱をたてて、
中の花器を浮かせて焼いたそうです。

う〜ん、これこそ”窯詰め大好き”という、
野波さんならではの細やかな窯詰めあっての仕事です。

               甘庵



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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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