シンプルでプレーンな造形ですが、
花器や、ふたものなどで、
遊び心が全開の作品を生み出します。
今日はそんな、まか不思議な造形の、
花器をご紹介します。
お客さまがこの形状から、
ちょっと怖いモノ見たさで触れてみて、
持ってみると、穴の開いた殻の中で、
卵がゴロゴロする・・・。
言葉にならない声を出されたり、目を見開いたり、
いずれにしても、それぞれに驚かれます。
そんな、リアクションを期待して、
作っていたのではないのでしょうが、
とにもかくにも、まか不思議な花器です。

青白磁透かし二重花器 20,000円 径14cmH16.5cm
”青白磁透かし二重花器”という名前の通りに、
二重に作られています。
中に卵の上に穴が開いた形状の生ける部分があり、
その外側に、一回り大きな水玉模様状に丸穴のあいた、
卵形の殻があります。

中の花器の底面は、卵形で高台がなく、
そのままでは立たない形がフリーの状態で、
外側の殻のなかで、ゴロゴロしています。
内側には釉薬が施されていますが、
外側は無釉です。
外側の殻の方ですが、
こちらは中外全面に釉薬が施されています。

さて、これはどうやって作ったのでしょう?
きっと、外側をロクロで挽いて形作っていき、
口がまだ広いときに、
別に作っておいた内側の花器を入れて、
口をつぼめて形作ったのでしょう。
その後にも大きな問題があります。
釉薬を施して焼成する時です。
そのまま焼けば、中の花器と外の殻が、
くっついてしまいます。

外の殻の裏を見てみると、
丸穴が三つあります。
ここから支柱をたてて、
中の花器を浮かせて焼いたそうです。
う〜ん、これこそ”窯詰め大好き”という、
野波さんならではの細やかな窯詰めあっての仕事です。
甘庵
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