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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

明けるとそこには・・・・ 5

今日ご紹介するのは、片山令子さんの陶箱です。
可愛い表情をもつ陶箱と、手の込んだ練り込み陶箱をご紹介します。

box998.jpg


これは、フクロウをデザインした箱と、
猫ちゃんとデザインした箱です。
ほとんどが無釉でできあがっているために、
可愛らしいデザインですが、子供っぽくなく、
落ち着いた表情に出来上がっています。
轆轤で挽きだした卵形の本体に、
膨張係数のあまり変わらない色の異なる粘土を作り、
それらで作った目や羽や手や耳や尻尾のパーツを丁寧に組み立ててあります。
蓋の向きを変えることでフクロウや猫ちゃんの表情が変わって楽しいですよ。
安定した形ですし、無駄のない轆轤挽きで、
容積もあるので、実用性もしっかり配慮されています。

box001.jpg


こちらは、画像で伝わるか気になるのですが、
白い粘土と、金属分付加して茶になる2種類の粘土を、
何層にも重ねて重しを載せてしっかりくっつけて、
それを細く切って、たくさんの縞柄のパーツにして、
一段ずつずらし、くっつけて、一つにします。
それを、横にスライスした市松模様のタタラ板をつくります。
このタタラ板を、つなぎ目を合わせて円筒形につないで、
同じように作ったタタラ板で、底と蓋を作ります。
うーん、考えただけでも、その面倒さに関心するばかりです。

モザイクや寄せ木細工と同じなので、
はがれないようにすることと、
柄にズレがなく、不自然さを感じさせない気配りが大切です。

練り込みといわれる、やきもの手法です。
手のかかる仕事ですが、片山さんの箱に見る限り、
この手の仕事によくある、これ見よがしの、
「さぁーどうだ、大変だったんだぞー」という、
ニュアンスがありません。
当たり前のようにそこに、市松模様があります。

考えれば当たり前ですが、
蓋をとっても、見込みも、蓋の裏も、
もちろん本体の裏も、全部市松。
ごく自然に、この作品の肌で有ると感じられます。
これは、きっとあの片山さんの「ニコニコの笑顔」にある。
と、解明した思いが、ぼくにはあります。
楽しんでいるんだと思います。
すくなくても、面倒だとか、大変なんて、思っていないと、
そう感じます。

手が自然に動いてこそ、
できる、流れや気配があるからこそ、
技術的には面倒な仕事の作品から、
ゆとりや、豊かさを感じとれるのだと思います。
いつもお話しすることですが、器は作り手の分身です。
この陶箱も、やっぱり片山さんの分身そのものです。

             甘庵

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