FC2ブログ

うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

明けるとそこには・・・・ 7

山形で作陶している武田千秋さんの箱です。
銀花での定番食器は、プレーンでモダンな器です。
使いやすいこともあってファンも多く、
また、カフェなどのプロユースでも好評です。
そんな定番の器は、一見さりげない形ですが、
制作姿勢や管理は、とても丁寧で、きめ細かい配慮がされています。
そんな決めごとの多い普段の仕事の反動なのか、
武田さんは、オブジェの作品作りにも大変威力を発揮しています。
今回の箱も、その器作りとはちょっと違うオブジェ作りの作風で、
作ってくれました。

box916.jpg


化粧土の使い方が大変上手で、
まるで、絵本に出てきそうな小さなお家の形の箱は、
土壁を思い起こさせる質感に仕上がっていて、
遠い異国の風情が漂っています。

box915.jpg


一方のふくよかな丸さが可愛い箱たちは、
轆轤を使わずに、手ひねりで作り出されていて、
仕上げは化粧土と彩色に薄い釉薬がかかり、
わずかなゆがみや、表面が平滑でないのに、
手の中に収まる丸みが実に可愛くて、
轆轤で挽きだした丸さよりも存在感があって、
暖かみのある丸さが心地よい掌を覚えます。

どちらの箱も1200℃以上の温度で焼かれながら、
手の中で生み出されているからこそ、
武田さんの手を通して、
柔らかな粘土を固めて家にの形に整えて行く様や、
瑞々しい粘土で中空の丸い形にのばして行く量感を、
感じとることができます。

たとえば、丸い箱の蓋をとって、
親指と人差し指でつまみ、
この箱の厚みをたどり測る用にしていくと、
厚みが少しずつ違い、
時には、ぺこんと指あとがへこんでいるところもあったりします。
手や掌からしか見えないことがいっぱいあります。

ぼくは器などを見るときや選ぶときには、
必ず手に取らせてもらいます。
釉薬や絵柄のデザインや色合いなどを見極めることはもちろんですが、
手に持つことでより感じとりやすいことがたくさんあります。
裏を返し、土味を見たり、表面をなで回したり、
指で厚みや、見込みの様子を確かめたりします。
それは、目で見るのとは違う見え方を体験出来たり、
あるいは、目で見るより器の声が聞こえて来ることも、
多く感じとれると思っています。

マナーを心得た皆様にはちょっとよけいなことでしょうが、
老婆心ながら・・・・いえ、老爺心かな・・・。
皆さんも出来るだけ手にとって器を選ぶ習慣を身につけましょう。
ただし、必ず両手で、しっかりと安定した場所でみましょう。
冬は特に、厚手のコートや荷物も多いことでしょう。
工芸店などで、器を選ぶときには、
まず、荷物やコートを置かせてもらいましょう。
お客様にしっかり見て頂こうという姿勢の店なら、
必ずそうできる配慮がなされているはずです。
わからなければ、スタッフに一言声をかけてみましょう。
店側からすれば、お客様の気持ちが嬉しいはずですから。
もしも、そんな配慮がなされていないお店なら・・・・。
器へのお店の姿勢も見えてくることでしょう。
   
                    甘庵

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
https://utuwaya.blog.fc2.com/tb.php/242-ca2fe598
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)