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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

お気に入りの器を使えば、

家の形をした陶箱を作ってくれたのは、
浜松在住の村木律夫さんです。
村木さんについては、昨年9月の個展のときに、
その人柄を作風をご紹介したので、
覚えているかたや、ファンの方も多いと思います。

box025.jpg


この箱も、まじめに気持ちを込めて作られたのが、
にじんで来る箱です。
磁土で作られたしゃきっとした焼きです。
男の両手でつつんで指先どうしが触れるぐらいの大きさですが、
タタラ板での組み立てではなく、
固まりから彫りだし、中を刳る方法で作られています。

この方法は、大きさが増して行くと、
どんどん手がかかるようになります。
固まりですので、まずほどよく乾かしながら、
少しずつ作業することになります。
乾くほどに出てくる歪みを補正しながら、
また、磁土はとくに、このように四角形では、
角や隅の部分が切れやすいんです。

そのあたりを、丁寧に、のんびり、気持ちを穏やかにして、
作業を続けなければなりません。
ところが、固まりから削り出す意味合いや魅力に、
表面や造形に、粘土の固まりをざくっと切る、
あるいは、削るといった、スピード感が欲しいところでもあります。

表面など、いじりすぎると、
素材感がなくなり、それこそ形を作るだけの目的なら、
型で作る方が安全で綺麗に手間いらずで出来ます。
それでは、作り手が翻訳してくれた、
磁土の声が聞こえなくなってしまいます。

この箱を手でなでながら、楽しんでいくと、
きちんとした印籠(箱のめし合わせでずれないようになっている部分)、
身も蓋も、丁寧に刳っていったリズミカルな刃あと。
付けたのとは違い、力強い削りだした4つの脚。
刃あとや、隅にたまり込んだ綺麗な青い釉薬。
チョークで描かれた伸びやかでのどかな線の下絵。

それらから、柔らかく密度の濃い磁土の様子や、
窯の中で溶けて粘る釉薬が素地と一体になっていく様子などが、
ぼくには聞こえてきました。

さて、まじめな翻訳者村木律夫さんの箱から、
磁土の声が、皆さんにはどんなことを聞かせてくれましたか。

                   甘庵

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