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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

焼いてあるから煮なくてもいいです

最近のやきもの本に多い「粉引を使う前に煮る」という話へ、
とても抵抗があるぼくで、
時あるごとに、個人的責任をもって、
つまり記事として書くとき発言者であるぼく個人を明確にして、
敵が出来るの覚悟してお話しています。

先日のブログ「光藤さんの粉引」や、

「侘びると汚れは違う」や、

などでも、優しさと過保護は違うと思うところや、
侘びていく表情を楽しむためには、
水とくぐらせていただけれは十分だとお話しています。
もちろん、自分の店では、橋渡しする器を、
選別していくように努めています。

これって、ようは、
「しっかり焼ききった作り手を、店が選ぶべきと思っている」
ということです。

この話を光藤さんとしていたら、
さすがに、みっちゃん!!
うまいこいわはるんです。
「よーく、焼いてあるから、もう煮なくてええです」って。
生焼けのものは、煮るなりしないと、
おなかこわすかも・・・・って、ちがう・・・ね。

そういわれると、ぼくも調子に乗って、
「そういうのを、煮ても焼いても食えない器」って、
もう、口の悪い二人が言いたい放題。
でも、気持ちいいなー。

光藤さんの器を良く観察していただければ、
釉肌に、土の中の金属分やケイ石が釉にとけだしてきていて、
”しのぎ目”や”石ハゼ”や”窯変”や”結晶文”を、
見ることが多く、趣ある表情に仕上がっています。
これは、土を焼き切り、その温度に合わせた釉薬と、
しっかりかみ合っていて初めて成り立つ、
やきものの面白味の一つです。

美術館などにある過去の名品は、
数百年の時を経ていても、
不潔によごれているものは、まず見かけません。
可愛がられ、大切にされていても、
茶陶は、飾り物ではなく使われています。
それだからこそ侘びていった美しい表情になっているのです。
良く焼けている証です。

茶陶よりさらに、使う頻度の高い、
使うことが目的の器なら、より使いやすく、
また丈夫でなくてはいけません。
かといって、無機質な釉薬でも、杯土でも、
それでは手仕事ではありません。
土物ならではの柔らかさや
作り手の分身でだからこその手の温かみを込めた器でありながらも、
しっかり焼いてこそ、器として輝くと思います。

やはり「やきもの」ですから、
「にものに」しなくても、
使えないとね。

                     甘庵

テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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