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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

やきものだから好く焼かないと

粉引だからといって、そう簡単に汚れるものではないありません。
長石釉の貫入を楽しむには、素地が真っ黒になるようでは楽しめません。
安南手のゴスが釉と絡んで流れる様は、素地が黒くなるようでは微妙に滲む色が見えません。

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まして、粉引や刷毛目などの化粧土が、
すぐに縁からぽろぽろ欠けるようでは・・・・。
好きな器でも気遣いばかりで、使いにくくなってしまいます。

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陶器はたしかに、せっ器や磁器にくれべて、
硬度はすくないことは事実です。
それでも、磁土のように重くないので、
少し厚手にしても手持ちが軽く、
また轆轤の技や、作り手の優しさで縁を返すなど、
いくらでも工夫はできます。

晴れの器に比べて褻(け)の器では、
自ずと丈夫さや使い勝手をより要求されますが、
普段使いの褻(け)の器でも、
気品を持ちながら、丈夫にすることこそが作り手の腕のうちです。

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器は使う物です。
使うことが第一で考えたうえで、
そこにどれだけの楽しみや、ゆとりや、美しさやを付加できるかが、
作り手の技であり、心意気だと思います。
そうしてこそ、料理がより美味しく、お茶がより芳しく・・・・。
それが"うつわ作り"仕事で、そんな器を選び橋渡しするのが"うつわ屋"の仕事。


今回お出かけくださったあるお客さまが、
「お料理が苦手なので光藤さん器には助けられるから」と言ってくださいました。
「料理から器に興味を持つという方が多いのに・・・・
逆行して、光藤さんの器から料理に興味を持って・・・」と、
なんともありがたいお言葉です。

好く焼くことは、ただ温度をあげることではありません。
魚によって美味しさを引き出すには、焼き方が違うように、
それぞれの土によって、釉によって焼き方が違うのはあたりまえ、
それでも一口にいえば、"うつわ"はやはり、焼き切ることです。
それでこそ、使うほど味わいのでる"うつわ"になります。
長く使って頂くために、丈夫であり、使いやすく、
また、美しく気品があってこそ、
飽きることなく、可愛がって頂けるはずです。

好く焼くとは、作り手の心構えしだいです。
好い心構えの"うつわ"なら、
使ううちにじわーっと、心にしみてきます。

                    甘庵

テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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