FC2ブログ

うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

張り子のおひなさま

身に回りの空間に、季節の花や飾り物があるだけで、
忙しさを一時忘れられ、暮らしになごみを与えてくれます。
今回の企画のテーマは、気持ちを大切にして、
季節を楽しみ、愛でるきっかけになるアイテムとしての人形を、
やきもの、ガラス、張り子などの素材で作っていただきました。

素材と作り手の感性から表現された小さな人形たちが、
様々な表情の味わいを見せてくれます。

昨日は二つのガラスのおひなさまをご紹介しました。
今日もおひなさまですが、張り子のおひなさまをご紹介します。

hina271.jpg


道楽かん工房真鍋芳生さん張り子のおひな様です。
手間のかかる、伝統的な方法で作られています。
型の上に何枚も和紙を貼り重ねていき、
乾燥させてから二つの割って、型からはずして、
テープ状の和紙でつなぎ合わせて元に戻し、
胡粉で下地を作り、その上に岩絵の具や顔彩や墨で、
彩色されています。
和の絵の具は、わくわくする季節感を呼び起こしますが、
華やかな赤や朱や黄でも、何故か、
渋い器などと一緒にしつらえても、違和感がありません。

hina296.jpg


真鍋さんはもともと現代彫刻を勉強されていて、
いまでも、様々な素材に触れることを楽しみ制作しています。
その中でこそ、真鍋さんの和紙という素材のとらえ方が、
ぼくにはとても好ましくて、惹かれます。
また、型から作る張り子は、型が大変重要な力を持ってきます。
このときにも、伝統的であり品格を持ちながらも、
どこか、新しく新鮮な息吹を感じさせてくれる、
それが真鍋さんの張り子の魅力だと思っています。

hina272.jpg


そうそう、それと忘れてならないのが、
色遣いのうまさで惹きつけると同時に、「顔」です。
「顔が命です」という有名なコピーは実に的を得ています。
張り子ですから、かなりデフォルメされた形に、
選ばれた色遣いで彩色されて、動きが見えてきます。
そこに、品格のある顔立ちが、存在感と「命」を与えています。

20年以上作られているおひなさまもあれば、
次から次へと、新しいおひなさまを生み出していくのも、
エネルギーの固まりみたいな真鍋さんらしさそのものです。

              甘庵

テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
https://utuwaya.blog.fc2.com/tb.php/278-25ca0058
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)