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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

使い始めはどうしたらいいのですか?

最近よく受ける質問に、
「使いはじめは煮た方が良いでしょうか?」
と、尋ねられることがとても多くなりました。
雑誌や器の本に、特に陶器は使い始めるまえに、
米のとぎ汁や米を入れて煮ると書いてあるのをみかけます。

やきものを煮てもかまいませんし、
そうしないと使えない陶器もあるかもしれません。
でも、四半世紀橋渡しをしてきたぼくとしては、
煮なくても良いやきものをお渡しすべきだと、
器を選んで店頭に並べてきました。
そのために、それが当たり前の方法として、
どんどん定着するのは、どこか納得できません。

しっかり焼かれた陶器なら、
逆に、煮たぐらいではそうそう染みこまないと思います。
染みたり、浸みだしてしまう陶器がこの方法でとまるなら、
それはスポンジ状の器を、
釉薬でも焼くことでもなく、
最後の米のとぎ汁や粥状態の米のデンプンなどで、
止まっている器と言うことになります。
これは「やきもの」ではなく「にもの」に名を変えないとならないのでは?
(撥水剤の食用シリコンを掛けていたよりはずっといいのですけど)

とは、少々過激な発言ですが、
確かに陶器は素地に吸水性があります。
そのために使うことで、少しずつ変わっていく様を、
楽しみとし、「侘び寂び」の美意識に通じます。
器への優しさは、常識の範囲でしょうし、
(やきものもガラスも落とせば割れます。そんな認識があればよいのはず)
あとは、使いはじめは特にですが、
盛りつける前に水や湯をくぐらす心つがい程度で十分です。

つまり、あくまでも器、日常に食器として使われるために作ったのですから、
あまりに変わるようでは、(これは侘び寂びではなく汚れです)
やはり使いにくいということになるのでしょうね。
この問題はおおよそが、焼成方法で解決出来ることだと思います。
還元炎焼成、焼成時間の延長、冷却方法など、方法はいろいろあるでしょう。
いずれにしても、作り手が、表現として好みの土味や雰囲気を大切にしながら、
器として、使いやすく、丈夫にや焼くのがプロだと思います。
器ではなく、アートに限りなく近づけるなら、
表現だけでも良いのですが、
器として提供する以上は、良く焼ききって、
使いやすく丈夫にするべきです。

実は昨日あるメーカーさんからのメルマガにも、
陶器の使い方として、
煮る方法や優しく扱いことや、
はては、食洗機ではなく手洗いなどと、
茶陶や古美術の扱いのような方法をが、
箇条書きで書かれありました。
どれも、過保護なくらいに丁寧な扱いばかりです。
でも、なにか変では無いかと思ってしまいます。
やはり、"うつわ屋"は器は使いやすく丈夫に作って提供すべきだと、
この問題にぼくは、かたくなになってしまいます。

             甘庵

コメント

上手く治るとよいですね。

「信楽焼のコーヒーカップ」とあるので、
焼しめの器で、釉薬の施されていないものなのでしょうか。
その場合は、しっかり焼けていても、
ざっくりして土をつかっていると、
噛んでいる石などのためにミズミチが出来てしまうことがあります。
そのために、カップや湯呑みなどをつくるときには、
中だけでも釉薬をほどこしたり、灰をかけてみたりと、
作り手たちそれぞれの工夫をなさっています。
また、橋渡しの前に、水漏れ試験としたりしますが、
それでも、見過ごすことも出てしまうのでしょう。
はじめから安易に撥水材等で止めてしまっていないだけ、
作り姿勢は好ましいと理解できますね。
さて、どんな修理をするか、難しいところですが、
上手く治ってきて、愛用のコーヒーカップになるといいですね。

陶器の水漏れ

先日、セラミックパークMINOにて
信楽焼のコーヒーカップを購入しました。家に持ち帰り、早速コーヒーを
入れたところ雨漏りが出てしまいました。質感が最高なので、このまま観賞用も考えましたが、作者の為と思い直し、連絡をさせて頂きました。修理したものが帰ってくるのが楽しみです。

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