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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

潤んだ器は そそります

器(身の回りで使う日常に食器)は使ってこそ価値があり、
そこには当然料理を盛ったり、
お茶やコーヒーを飲んだり、
お酒を注いだり呑んだりするものです。

それは、プラスティックの容器や、
紙コップが出来る前から、
漆器は漆器、ガラスはガラス、
やきものやきものと、それぞれの良さや、質感を、
理解し、好んで使い続けてきたものです。

そこには、当たり前の思いやりさえあれば、
気軽に、美味しく使えるための、
歴史と、プロの技があります。
それが急に、このところで、
非常識が常識のようにさえなってきているように思えてしかたありません。

漆器もかなり、誤解が多くて、
そのために、はっきりいって、
量販店などに、漆器でない漆器の方が多くなっていて、
それで、漆器は弱いやはげるといわれても、
なんとも歯がゆい気持ちでしたが、
それでも木に漆を塗った漆器が使われていないからだと思い、
様々なお話をすることで、
随分、ご理解頂けるようになってきたと思っていたのですが、
それは、その疑問までいっていないので、
あまり、聞かれないだけかもしれませんね。

というのは、
このところ「使い始めは煮た方がいいです?」と良く聞かれるです。
危惧していたことが、
ますます現実になってきていて、
悲しく感じています。

なんで「やきものは使い始めに煮る」などという、
間違った常識が、どんどん感染しているからです。
この話は何度もブログに書かせて頂いていて、
愛読して頂いている方には、
聞き飽きていると思うのですが・・・・。
でも、誰かが伝えないと・・・・。

煮てもいいんです。
でも、そんなことしないで使えるやきものを、
(当たり前のことなんだけどなー)
提供したり、作るのが作り手としてプロで、
選んで並べるのが橋渡しするプロではないかと。
もちろん、陶器(土物)は磁器(石物)と違い、
使うことで変わるからこそ、侘びでいくからこそ、
陶器の魅力です。
ですが、変わりすぎるのは、汚れです。
その大半が、焼きが甘いからと言えます。
土が高温でないと締まらない土があります。
(悪い土ではなく高火度に耐えられる良い土なんですよ)
それなら、高温でしっかり焼くか、食器としては、
その土を選ぶべきではないのです。

煮てから使って欲しいなら、
やきものではなく煮物にして、
提供すればよいでしょう。
ただ、やきもの屋ではなく煮物屋になっちゃうけど・・・。

使うときに水をくぐらせてくれれば、
それで十分とお伝えしていますが、
それは、やきものを美しく美味しそうにするからです。

やきものは、1200℃をゆうに超える高温で焼かれていながら、
おおかたの器が、水との相性が良く、
あるいは、やきものを水にくぐらせ、
しっとりと潤ませた気配を、好むのが、
和の美意識でもある気がします。

料理人は、特別、湿ってはいけない食材でもない限り、
和の器は、水をくぐらせて、
拭くときも、あえて湿った布で拭いて、
時には、茶筅で水滴をさらに飛ばしたりします。
器が潤み、しっとりした美しさが、
盛りつける時の必然と感じているのでしょう。

さて、これは鶴見宗次さんの大鉢を、
乾いたまま撮影した後に、
さっと水をくぐらせて撮影したものの比較です。
ちっちゃなデジカメの画像でどこまで伝わるかな?

trm664.jpg

乾いたままでも素敵な器なんですよ。でも・・・・、

trm666.jpg


ほら、ずっとしっとりして、潤んできて、料理と盛っても花を生けても、
そそられる、和の美があるって思うのですが、どうですか。

         甘庵

テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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  • 2007/09/08(土) 13:31:33 |
  • 大鉢がたくさんあります