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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

粉引 KOHIKI

粉引(こひき・こびき)という呼称は朝鮮半島より渡来した後に、
粉を引いたような肌になぞらえてつけられたとか。
(粉吹/こぶきともよばれた)
それはさておき5世紀後の今日、
和の器としてすっかり定着して大道にして基本といえるのは、
使うほどに侘び寂びの味わいが深まるからでしょう。
 その秘密は、名に由来する粉引の元である白い土を化粧掛けしているからです。
素地の上で釉薬の下にサンドウィッチされた白い化粧土の層が、
素地や釉薬より柔らかく、きめが粗いので湯水がしみ込みやすいのです。
そのため、使い込んでいただくほどに貫入(カンニュウ釉薬の微細なひび)や
雨漏手(雨漏りで出来たシミに見立てて呼ばれる)といわれる表情が出ることがあります。
ただ、これらの侘び寂びの変化はゆっくりと、永い年月とともにあらわれるものです。
それには使い方としてのやさしさも必要です。
茶道のお手前でもお茶を点てるはじめに碗に湯を注ぎ温めるとともに碗を湿らせ馴染ませます。
これは形式では無く、お茶を美味しく飲んでいただく為と、
碗を大切にする心が形になったひとつです。
目の前のお客様に温かく美味しいお茶を飲んでいただくだけでなく、
数年先、数十年先、あるいは数百年先のお客様に美味しくお茶を飲んでいただけるように心しているのです。
私たちが素直に見習う心構えが、茶道のなかには沢山あります。
 焼き上がったやきものは、1200~1300℃の炎の中にあったのですから、
ほとんど水分を含んでいない絶乾状態ですから、
いきなり油やお醤油などをいれると後々まで残るほどしみ込んでしまうことがあります。
それは臭いやカビの原因になることさえあります。
特に粉引は変化しやすいので、おろしたてのうちは使う前にはお湯か水をくぐらすことを心がけましょう。
これは、すべてのやきものにほしいやさしさですから習慣づけるようにして下さい。
たとえ磁器のようによごれにくいやきのもでも、湯せんすると、
コーヒーや紅茶のアクでも付きにくくなります。
それに、温かさや冷たさもごちそうですから、
温かな料理には器を温めて冷めにくくしたり、
きりりと冷えた器で冷たい料理や飲み物を盛り付けるおもてなしをしましょう。
 粉引は、素地の上に化粧の土と釉薬と言う工合に三層になっていて、
それぞれが違う素材のために、特に口の部分が堅い物の衝撃には弱いので注意しましょう。
箸の食文化の日本でこそ成り立ちますが、ナイフやフォークには不向きです。
洗って水切り籠に置く時にも、優しくして下さい。
最近はステンレスの水切り籠が多く、ほとんどが針金状の組み合わせです。
もし、ここにやきものの皿や碗を伏せて置く時に、すこしでも上から放すと、
皿や碗と、細くて丸いステンレス線の当たる所は点になってしまいます。
逆さにして考えてみれば、皿や碗の縁を、ナイフで垂直にたたくのと同じ位の衝撃なのです。
急ぐ時、忙しい時こそ、洗い籠にふきんやタオルを一枚敷かれると良いでしょう。
器は、使うことではじめて生きて来ます。
粉引に限らず陶器や大切なやきものの扱い方は、器への優しさが基本です。
難しく考えずに自然になれ親しんで、器に沢山の出番をあげて下さい。
使い込むほどに器が、どんどん色艶を増していくことでしょう

閑庵

kohiki.jpg

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