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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

角の立たない面取り

面取りといえば、李朝には名品が多くあります。
その流れを民芸の巨匠達は受け継ごうとしていた感があります。
民芸運動の陶芸家濱田庄司が、
若い作り手の面取りをみて、
「面取りではなく、面をとられえいる」とか言ったという、
逸話を聞いたことがあります。

面取りは柔らかいうちに、
へらやナイフのようなもので、
お芋の面取りのようにして、六面、八面と、
面をとっていきますが、
お芋は厚く面ととっても、
小さくなるだけですが、
器は、やりすぎると・・・向こう側が見えます。

かといって、それをおそれると、
重い器になったり、
面取りにスピード感やシャープな切れがでません。
そんな感じを濱田庄司は「面をとられている」と、
剣道になぞらえて言ったのでしょうか。

nnm293.jpg


野波さんも、面取りの湯飲みやコップなどを作ります。
正直にはっきりといえば、
濱田庄司のいう面とられ的な面取りかもしれません。
穴を開くことを躊躇しているわけでも、
重いわけでもありません。
面取りは、フォルムを積極的に作る能動的な作業です。
そこには極端にいえば「いいかっこしー」というような、
格好良く見せようという意識がないと、
シャープでスピード感のある面取りが出来ません。

nnm292.jpg


その意味では、野波さんの面取りは、
面とられ・・・・というか、
受動的に面取りをしているように、ぼくには見えます。
それが、不思議と・・・ぼくには好ましいんです。
無理をしていないというか、
杯土の個性のままに・・・、杯土の質感をそのまま表しながら、
厚くなく、手にして痛くなく、
面を取った角が欠けにくく・・・と、
杯土と使い手の仲立ちをしようとしているように見えます。
そう、角が立たないようにね。

nnm294.jpg


別に躊躇しているのではありません。
上のコップのように、光りが透けるほど薄く切っています。
切るだけでなく、少し押し気味にして、
面を生み出しているようです。
このあたりに、野波さんの、
優しさと頑固さが見え隠れしています。
この心情を理解してもらうために、
これらを「面取り」は言わず、このさい「面生み」とか、
いっそ「角をたてない」に変えて、
「面生みゆのみ」や「角を立てないカップ」に・・・。
何て言うと、野波さんがびっくりしてフリーズしそうだな。
あくまでも、今日のブログの内容は、
ぼくの私見ですので、あしからず。

           甘庵
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