財急須の表情自体がとても個性的なのですが、
彫も焼き物の立体装飾としは、
とても個性的な質感を備えていると思います。

急須 彫 後手 バージュ丸 14,300円
容積320cc
その訳を分析してみたいと思います。
加藤さんのポットや急須で彫と言っているタイプは、
通常の焼き物でいう鎬文のように、
立体的な溝削りで作り出していますが、
一般的なやきものの彫や鎬とは作り方から異なります。

この急須の素地のベージュ色が石感をより高めています。
やきものほとんどの鎬は、
基本的な面取りと同じように、
素地に粘りのある柔らかさがある時に、
金物やヘラで切り落とすようにして、
立体感を生み出しています。

そのために自然と仕上がりのマティエールは、
粘土を切った表情になります。
ところが財急須の彫は、
まさに彫られた削られたマティエールです。

これは初めにお伝えしてように、
一般的な鎬は柔らかな素地を加工するからですが、
加藤さんは素地が完全に乾いている状態のものを、
カリカリと削り彫っていくからです。
それはちょうど石彫のような作業に近く、
実際の仕上がりも石彫のような質量感を持ち、
掘り出された稜線がシャープで、
まさに鎬を削るの「鎬」の力強さを持っています。
*甘庵の余計な注釈:鎬は刀剣の刃の中ほどにある高まりのことで、
刀剣の断面二次モーメントを高めて剛性の強いものにしています。
甘庵
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