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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

値段も腕の内

“うつわ屋”として、
お客さまの声でいささか辛いのが、
価格についてのことです。
デフレ価格になれて100円ショップが日常になり、
それさえ競争がきびしいという状況では、
手仕事といえ、“うつわ”の価格の絶対値は、
安い物ではないのかもしれませんが・・・、
一方で、銀座や青山原宿にブランドビルが新展開して、
ブランド品は相変わらず売れたり、
高額な輸入車の多いことなど見るに付け、
うーん、ぼくは何かが違う気がします。

それらに比べれば、
“うつわ”として日常に使ってもらえたなら、
壊すことなければ半永久的に持ちます。
“うつわ”は原価消却年数の長さ以上に使えて、
年数や頻度で割れば、年あたり一回あたりの価格は、
決して高くなく、また心が豊かになるという利子付きで元がとれます。

とはいえ、
価格に対しての絶対値の壁があると思います。
橋渡しのぼくとしてここは、
壁を感じておられる皆様を、説得しないとね。

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一つの例を挙げて、
価格設定の基準をお見せしましょう。
個展中の角掛さんの径が29cm 高さ5.5cm の大きな平鉢があります。
和でも洋でもなんでも、使いやすいですよ。
この皿鉢この大きさで¥6800です。
ぼくはお買い得だと思っていますが、
型に流し込んだ“うつわ”を比べられると、
高いという印象だけなのでしょう。

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もう一つ、ここに湯呑みが2タイプあります。
底の丸い、ころんとしたものと(径8.5cm高さ6.5cm)、
底が平らな、そば猪口型(径8cm 高さ6.5cm)です。
価格はどちらも1600円です。
これ一つ作る行程として、
ロクロを挽いて形作り、下地の化粧土を掛けます。
良く乾かして素焼き(800℃前後で焼成)をします。
木の灰や石の粉を調合して作っておいた釉薬を施釉します。
(ラーメンスープの仕込みみたいなものですね)
一日以上かけて本焼きといわれる1250℃前後で焼成します。
(ピッツァよりははるかに高温ですし、大変ですよ)
火を止めても、冷却還元といい、窯のなかに生ガスを入れて、
蒸し焼きをして黒く窯変させています。
(真っ赤に窯に生ガス・・・考えると怖いですねー)
数日さまして、窯出して、高台などをヤスリで擦って整え、
洗い、壊れないように梱包してやっと発送。

大まかこんな行程でつくられれる湯呑みは、
一個1600円でも大変だと思うなー。
逆に、プロだから出来るんですよ。

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さて、先に話した平鉢(皿鉢)。
実は湯呑み作るよりもっとテクニックが色々必要。
とはいえ、プロなのですから、
決して大変などとは言いませんよ。
ぼくが勝手に言うだけ。
皿鉢は“うつわ”として使う頻度が高いし、
使っていただければ、楽しさや良さがわかって頂けると、
角掛さんも思っていて、また少しでも買いやすい値段をという思いから、
こんな価格設定になっていると思います。

というのは、窯の中にいれて焼くときを考えて頂ければ、
皿の面積分で、湯呑みなら9個は並びます。
つまり6800円<1600円×9=14400円
と考えれば、使いやすいようにと、
工夫や努力でこの皿の価格を6800円と決めたのだと思います。

こういう作り手の価格設定を、
ぼくは「値段も腕のうち」と言い放ちます。
   
              閑庵

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