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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

減るほど使える

「漆器は剥げる」
と、誤解されてしまっている方が、
結構いらしゃいますよね。

剥げないとはいいません。
物理的な衝撃などをあたえれば・・・・。
ぶつけたり、落としたりとかしなければです。
でもそれは、車や家電の塗装が、
目的のために使っていて、
ぶつけたり、落としたり、
堅い物ですってしまったりとかしない限り、
塗装が剥げたり、擦り傷がついたりはしないし、
使っているだけで剥げたらクレームつけませんか?
漆器も同じと考えください。

木地に漆を塗った物が、
通常の漆器です。
塗装なんです。
それも、相当丁寧に塗っています。
それは、綺麗に、潤沢な表情に見せるという、
結果にはなっていますが。
まず、基本は使いやすくするため。
車や家電が鉄板やアルミのままでは、
錆びたり、傷が付きやすかったり、
寂しかったり・・・・。
同じです。
木地を汚れず、洗いやすく、匂いも付きにくく、
そして、美しい。
そうするために漆を塗って漆器にしています。
それが、塗師屋(ぬしや)の心意気です、
剥げる事は、はじと心しています。

つまり、使うため。
椀には熱いみそ汁や、吸い物や、ご飯が入ります。
それを冷めずに、美味しく頂くための器です。
使えば洗います。
それを繰り返す事へ耐える塗料として、
漆が選ばれたのは、何より丈夫だからです。

urushi153.jpg

太田修嗣 内朱たらい平鉢欅 径30高さ4.2 ¥40,000

「根来=ねごろ」「根来塗り」といわれる漆器があります。
元々は根来寺で使われていた什器の、
上塗りの朱漆が、使って使ってすり減って、
下地の黒漆が、見えがかって来たところに、
侘び寂の美しさを見いだして、
好事家に好まれた漆器です。

それ以降はすり減るのを待てないので、
すり減った状態に研ぎ出して、
「根来」として作られ、
人気は現代まで続いています。

つまり、車でも家電でもあり得ることですが、
長く、とても長く使うことで、
洗ったり拭いたりで、
剥げるのではなく、
塗装がすり減ってくる。
そんな現象が元々の根来です。
つまり、漆器は減るほど使えるし、
剥げてはいけない。

urushi155.jpg

太田修嗣 根来高台椀桜 径12.5高さ8.5 ¥18,000

ただ、下地が木なので、
長年の経験や、判断から手を尽くしていても、
少ない確率ですが裏切られる事もあります。
だからこそ、作り手の見える漆器にすれば、
ケアーもできるわけです。

もちろん、車を洗ったり、家電を取り扱う優しさを、
持って頂くのは同じです。
そうすれば、減るほど使えます。


お願い。
漆器にも苦手はありますので。
その辺りは、昨日ご紹介した過去の記事を、
読んでいただけると幸いです。

                 甘庵

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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

用と美と

こんにちは、はぐみさん
丈夫でいて味わいのある漆は、
本当に多方面で使われていましたね。
金閣寺の金泊も漆を塗ってノリみたいにして、
金泊をペタリ、ペタリって。
床の間の框(かまち)や床柱で黒い艶のあるのなんかも、漆。
古い箪笥なんかでこっくり艶光りのも漆。
鎧(よろい)の赤い胴のところも、漆。
茶釜など鋳物の釜の二つをつけていたのも、漆。
お奉行さまのヘルメット見たいのも、漆。
いまそこら中にある合成樹脂でやっていることを、
漆でやっていましたね。

漆ってhttp://blog74.fc2.com/image/icon/e/451.gif" alt="" width="14" height="15">使ってくうちに色が変わるし光に当たるとまたまた色が変わって味わい深いよねhttp://blog74.fc2.com/image/icon/e/491.gif" alt="" width="14" height="15">昔のひとは目のつけどこがひと味違うよね、金閣寺http://blog74.fc2.com/image/icon/e/814.gif" alt="" width="14" height="15">

  • 2006/11/12(日) 23:04:39 |
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