固まりの木から彫り出す武井順一さんの箱の第二弾です。

シナ材 チークオイル仕上げ
W5.5cmD5cmH13cm ¥8400
整理された形態から、
違う形を連想する方もおいででですが、
佇んでいる人の姿です。
腰の後ろに少しボリュームがあるのは、
後ろ手に組んだ両手なのでしょうか。
少し傾いた姿勢は、ゆっくり歩き出そうとしているのかもしれません。
年を重ねて人生を読み取ってご婦人の姿に見えます。
小首をかしげる頭部に目鼻の彫ってはいませんが、
丁寧でいて優しい刃の後からも、
穏やかな面差しが思い浮かびます。
腰の下あたりから、
二つにはずれて、小さいながら刳られた内部が現れて、
箱仕立てになっています。

印籠とよばれる、組み合わせの仕口の部分が、
蓋になる部分に比べて浅めなので、
乾燥など四季の条件では生きている木が、
膨張や収縮して緩みや歪んで、
がたつきが起きないようにと、
工夫のディテールが見られます。

蓋の内側によく見ると、
繊維方向(木目)が違う部分があります。
像自体は縦に木取りされていますが、
蓋内側の本体と重なる部分に、
直角方向になるように、薄い木を横にはめ込んであります。
こうすることで、四季を通して、
蓋のあわせがしっくりと納まる工夫です。
こんな優しい納まりからも、物事を優しく見つめる、
武井さんの人柄が見えてきます。
甘庵
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