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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

お話し会用ネタ その1

前にある公開講座ようにまとめたものから、
お話し会のネタの大筋にしようと、
引きずり出してきて、自分の中で読み直して見ました。
お出かけいただけなくて、
ちょっと長い文章でも平気という方は、
読んでみてください。
面倒な方は、斜め読みしてください。

さて、テーマのくくりとして、
「器の○○を○○する」
というふうに、器のとらえる動詞を付けた題名にして、
6つのテーマでまとめてあります。
長いので、一つのテーマを半分ずつご紹介していきます。

1.器の色を読む
やきもの、ガラス、漆器などの器の、
色の出し方から、色を求めた歴史変遷や、
まだまだ流行の白い器の話まで、
器の色から何を読みとれるかをお話します。

a. 器の色
やきもの・ガラス・漆器などの工芸として作られる器のほとんどが、使われることで受ける熱や摩耗や水やお湯や洗剤や乾燥などに負けることなく、色を保っていると思います。もちろん表面の傷や素地に、使うことで飲み物や食べ物の汁が入る事で鈍くなることはあるでしょう。それでも人の歴史の中に残って行くほどの時間に、耐えていると思います。それは、色の元が金属の発色だからです。染料や有機的な素材ではなく、無機物の化合物として成り立っているので安定度が高く、数百年後にも、鑑賞するだけでなく使うことも出来ています。

sprig147.jpg


b. やきものの色
いくつかの代表的なやきものを例にとって、発色の理屈や方法をお話しましょう。
【やきものの色は金属】
やきものは、釉薬も、絵付けも、素地、土も、みんな金属で色が出ています。
そこには無機の化学の理屈がちゃんと見えるのですが、それをあまり見つめると、
頭が痛くなる方もいらしゃるかもしれないので、現象としてだけお話ししますので、
気楽に読んで下さい。
金属でやきものの色が出るときに、その金属が錆びた状態の、酸化状態や生のままの還元状態で発色します。ここでは、身近な金属の鉄と銅を例に少しだけお話をします。
 銅が錆びると緑色の結晶が出ます。見たことがおありになる方が多いでしょう。
緑青(ろくしょう)『注1』といわれるものです。
 また「あか」と言われるように、赤色を感じる金属でもあります。
釉薬の中に銅を入れて酸素の多い炎(酸化炎)のなかで焼くと、銅が錆びた状態の色、緑になります。織部の緑釉などがそうです。

sprig148.jpg


 同じ釉薬でも、酸素のすくない炎(還元炎)のなかで焼くと、
銅の元の色、赤が発色します。釉裏紅(ゆうりこう)という赤い下絵は、酸化銅などを絵の具にして釉薬の下に絵を施します。
辰砂(しんしゃ)という赤い釉薬なども銅の赤い発色させます。
 鉄はどこにでも目にするもっとも身近な金属。そして、自然の状態でも一番多い金属です。鉄は化学的に酸素と結ぶ手を二つ持っていて、そのために、二つの錆び方をします。
 少し酸素と手を繋いだ形の第一酸化鉄。これは、フライパンなどの黒い色の、黒錆びです。もう一つ、しっかり錆びた第二酸化鉄。これは、真っ赤です。ペンキの下塗りなどに使われる、ベンガラがそうです。雨ざらしの鉄板が赤く錆びたのもそうです。
 このように二つの錆び方をする鉄は、やきものの釉薬中などで、いろいろな色をだします。黒、茶、緑、黄土色、黄色、赤などです。
 たとえば、青磁の青は、釉薬のなかに鉄が少し含まれて、酸素の少ない炎(還元炎)のなかで、焼かれます。同じような釉薬でも、酸素の多い炎(酸化炎)のなかだと、黄色くなります。黄瀬戸や黄伊羅保(きいらぼ)などが、この理屈で黄色を出しています。
 釉薬の中の鉄の量が増えると、色はだんだん濃くなり、黄土色、茶、黒などが出ます。
炎の状態によって発色が左右されます。飴釉、柿釉、などや、茶色や黒の釉薬の大体は、
鉄釉が基本になっています。
 また、鉄の赤錆びの状態に近いベンガラを絵の具にして描く、赤絵という方法があり、800℃以下で焼き、赤く華やかな色をだします。
さらに作り手たちは、理屈に裏付けされながらも、好みや望む色にするために、釉薬や、土、焼き方などに、独自の工夫を凝らしていきます。
『注1』 緑青(ろくしょうは)毒と思われ勝ちですが、毒性は考えなくてよいと思います。取りすぎたらなんでも身体に良くない程でなければ、安心して良いものです。鍋や十円玉も錆である酸化銅が毒では、あんこも煮れないし、お駄賃に子供に十円玉上げられずに、50円や100円では、お金かかってしまいます)
【鈍色も美くしい】
鈍色と書いて「にびいろ」と読みます。はっきりしない色のことです。
やきものの歴史では、澄んで綺麗な色をめざし、神業のような、歪みのない形を目標にしてきました。
 ところが、技術が進むにつれ、純度高く精製され、安定して確実に焼ける窯などが開発されていき、型で作る技術も進歩ました。けれどその分、暖かみが消え、無機質な器が多くなってしまいます。
 金属で色が発色するのは化学的な理屈ですが、自然が生み出した素材を使うことや、それに近づけることで、飽きの来ない深みの有る色を、出そうと、作り手は励んでいます。
 木の灰や、泥や、土など自然のままを上手く使うことで、暖かみや表情に豊かさを与えようとしています。自然な素材は、化学的に作り出した金属とは違い、
多少存在する不純物が、かすかな濁りをあたえます。それが不思議と、不完全がゆえの安心感を与えてくれていると、ぼくは、思っています。
これらが、侘び寂びの感性に繋がっていると、そう思っています。

                 甘庵


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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

お話し会では

この内容のままではなく、
いいえ、むしろ気をつけないと、
全く横道になってしまうので、
一応、自分の整理のために、
文章にしてるということで・・・。
それはもう、実に適当に、
おせんべい食べながら、番茶をすすりながらの、
器四方山話って感じです。

すごく専門的なお話に

何度も読み返しましたがちょっぴり難しかったです(気楽に読もうとしましたが・・><)。
オランダでも陶器会社などでは環境保護のため、釉薬を使う際には資格や制約があるようです。
不完全がゆえの安心感、不完全がゆえの美、とても頷けます。そこには意図してもそれを遥かに超える自然の力が働き、それに安心感を抱くのではないでしょうか。

とっても魅力的なお話会ですね~。こんな風に記事にしてくださって嬉しいです。ありがとうございます。

  • 2007/03/18(日) 01:15:34 |
  • URL |
  • Sunny #mQop/nM.
  • [ 編集]

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