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うつわ屋のつぶやき

うつわ好きの甘庵が、やきもの・吹きガラス・漆器などの、四季折々の身近な和食器を使う楽しさをお伝えします。荻窪銀花で催される企画展の器をご紹介し、使い方から、作り方、作り手のことなど、毎日お伝えします。

お話し会用ネタ その3

またまた長くてすみません。
器に対しての、ぼくの見方考え方からの文章ですので、
人によって重いが違うことも多々あると思います。
一つの考え方として、参考にしていただけたらと思っています。

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2.器の形を味わう
やきもの、ガラス、漆器の器の作り方から、
素材の特徴や種類をお話します。
実際の器を手で持ち、触れて、眺めて、
器のフォルムをしっかり受け取り味わっていただきます。

a. 器の形
器の形は、使う目的使い勝手から発生します。
それがやがて、ゆとりや文化の反映とともに、流行や好みや宗教感までが形、デザイン、意匠に占める割合が大きくなっていきました。
更に作り手の意識無意識に関わらず、器を作り出す素材の持つそれぞれの質感を、常に意識し内包していきました。それは使い手や鑑賞者にとっては、彫刻を楽しむ感覚に近いと私は考えています。
そのために、器の形、使い勝手、文化や歴史、素材ごとの作られ方や特性を知っていた方が、器の形を味わうヒントになり、器への理解も深まる一つの糸口になるとおもいます。

b. 器の作り方 やきもの
「やきもの」は、器のなかでは一番身近ですし、何らかの形で行程を目にしたり、あるいは体験した方も多くいらして、おおよその流れはご存じかも知れませんが、復習もかねて説明しておきます。
やきものも他の工芸品と一緒で、沢山の手間と多くの行程を経て出来上がります。一つの「やきもの」はおおよそ次のながれで出来上がります。
 杯土または胎土といわれる素地土を作る。?形を作る。?乾燥する。(?素焼きをする)?(下絵を付ける。)?(調合した釉薬をかける。)?本焼きをする。(?上絵を付ける。?焼成をする。)  ( )は省いたり行わないやきものもあります。
【杯土】陶器やせっ器などは、単一の原土やいくつかの原土で、杯土が作られることも多いのですが、ほとんどの磁器土や量産される杯土は作りやすさや、耐火性や、色合いを良くするために、さまざまな原料を調合して作ります。原土から杯土にするのに大きく分けて二つの方法があります。原土を臼でつき、篩にかけてそのまま水で練る「はたき土、ふるい土」。粉砕した原土を水にとかし、漉したあとに水分を取り除く「水漉土、漉し土」があります。
【成形】杯土を器の形にします。作り方には、手だけで作る「手びねり」。糸などで切った板状の杯土組み立てる「たたら作り」。轆轤を使う「轆轤作り」。木型、土型、石膏型を使う「型作り」などがあります。
【乾燥】成形された杯土の器を、素焼きや次の作業がしやすいように、十分に乾燥する。
【素焼き】下絵を描いたり、釉薬を掛けたり、窯詰めの作業をしやすくするためと、歩留まり(ぶどまり/完成率のこと)を良くするために行います。普通800℃ぐらいで焼成します。
【下絵】呉須で描く染め付けや、弁柄や鬼板で描く鉄絵や、酸化銅で描く釉裏紅などを釉薬の下に施す。
【釉薬を調合し施釉する】長石、石灰、土灰(雑木の灰)、藁灰などで調合し、色を加えたい時には酸化金属やそれらを含んだ土や鉱石を混ぜ合わせる。これを細かく摩り水でといて器に掛けます。浸して掛けるのが多く、他には柄杓で流し掛けたり、刷毛で塗り掛けたり、霧吹きなどで吹き掛けりする。
【本焼き】陶器、せっ器、磁器は1150~1300℃前後で焼成されます。やきものにより、酸化炎と還元炎が選ばれて焼成されて、釉薬の発色や調子を整えられます。窯には薪を使う穴窯や登り窯、ガス窯(プロパン、ブタン)、灯油窯、電気窯などが使われています。
【上絵付け、錦窯】本焼きをした器に赤絵、上絵などで絵を描き、専用の錦窯で700~800℃前後で発色の高い温度から色ごとに焼成します。五色の色絵のときは5回焚かれるときもあります。
 簡単な説明ですが、これだけの行程を経て「やきもの」は出来上がります。種類によってはすべての工程を行わないのですが、作り手の工夫によりさらに様々な手法が加えられ複雑な工程になることもあります。一方、原土や杯土、釉薬の原料などは、流通機関の発達により各地から入手出来るようになりました。分業で発展した工程も、機械力に変えることで作り手の仕事の巾が広がりました。

c. 器の作り方 ガラス
ガラスの器にもいくつかの作り方だありますが、量産品として作るのではなく、工芸品として作られる時にはそのほとんどが、吹きガラス(ブロー)という方法でつくられます。
ガラスは調合の素材によって、鉛クリスタルガラス、石英ガラス、カリガラス、などがつくられます。それらは用途に応じて使い分けられます。通常の私たちの身の回りに多い器や、瓶や窓などに使う板ガラスは、ソーダガラス(ソーダ石化ガラス)です。ソーダを入れることで主成分の珪砂を溶かしやすくして作られます。
ガラスは天然では存在しないので、材料を調合してるつぼに入れて1400度前後の高温で熔解してはじめて、ガラスになります。この溶けて水飴状態のガラスを、竿と呼ばれるステンレスのパイプに巻き取って、吹いて作る方法を吹きガラスといいます。
なかでも、宙吹きガラスは型に入れないで、息で膨らませ、形を作り出していきます。
こうして作るのは皆さん何となくおわかりになられると思います。テレビなどでも見たことがあるのではないでしょうか。膨らんだゴム風船のように、まんまるい型したものを、見たことがお有りになるでしょう。あの丸い形から一体どうやってグラスやうつわの形になっていくか・・と言うと・・・、
最近はあまり見かけませんが、縁日などでやっていた、飴細工をご存じですか?大変にアバウトな言い方ですが、あの感じにかなり近いんです。
飴を柔らかくして、つまんでのばしたり、色の飴を付けたり、ねじったり、広げたり。時には吹きガラスと同じように吹いて膨らましたりもしました。
飴だけでなく、粘る物で形を作ろうとすることは、吹きガラスでも大概できます。
ただし、何しろ熱いものですから、直にはさわれない。そこで、様々な手に変わる道具を工夫して、形を作りだしていきます。それでも、何より、感と技が基本。それを、身体で覚えるのに、作り手たちはそれぞれの努力をしていますね。それで、細部の作り方は様々だし、内緒の部分もあるようです。

やきものの轆轤(ろくろ)は、器を立てた状態にして作りますよね。遠心力で広がった物を竪に延ばしていきます。ガラスは横軸の轆轤(ろくろ)なんです。水飴や蜂蜜を棒に付けたときに、無意識に落ちないように回します。同じように、パイプの先に溶けたガラスの生地を巻き取っって、パイプを指先で回し、下を向いたり上を向いたりして、片寄らないように回しながら重力を利用して、息で膨らませいきながら、必要な膨らみを、初めに作ります。
その後で、先端に膨らんだガラスのついたパイプを、レールのように2本の平行なフレームの上に横におき、手のひらから肘の手前までを使って、パイプを前に後ろに転がして、反転する回転を繰り返します。その時に、ガラスを押さえつけたり、のばしていきます。

 コップなどなら、吹いた風船の先端側が底なので、底の部分を、目指す形に作り上げます。
そこに、新しいパイプをつけて、吹いたパイプの側をコップの大きさに合わせて、程良いところで切り落としてしまいます。今度は底に付けたパイプを持ち、開いた口を火であぶり、
柔らかくして、整え形をつくっていきます。

ワイングラスなど、ステム(脚)がある時は、
底の側に、ステムのパーツを付けていって形作り、
後は、コップと同じに、新しいパイプをつけて口を作ります。

甘庵


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テーマ:工芸 - ジャンル:学問・文化・芸術

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