野波さんの仕事には、二つの顔があります。
蹴轆轤ので一気に挽きあげた瑞々しい表情と、
じっくりと仕上げた細工が共存している。
そんな野波さんの仕事を、
少しずつご紹介していきたいと思っています。
今日はまず、面取りの仕事です。
蹴轆轤でゆったり引き上げた形を、
高台や縁の始末ていどの最小限の削りで、
仕上げるのが野波さんの仕事の特徴です。

面取りは、削り過ぎると穴が開き、
削りが足りないと重くなってしまうのが難しいところです。
面取りでも、全く無駄な厚みもなく、
スカッと勢いある削りは、
内側や残った柔らかなロクロ目との、
対照的な力強さが美しい、削りの後を見せています。

面取りの見所は、
伸ばす作業と削りとる作業という、
相反する二つの作業の調和です。
陰と陽、柔と剛、女性的と男性的と、
反転する二つを兼ね備えたところが見所です。
野波さんの面取りには、
野波さんらしさを十二分に発揮しながら、
この見所をしっかり、楽しませてくれます。
甘庵
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